「ダストトレイル」の版間の差分
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'''ダストトレイル'''(Dust trail)は、[[流星群]]の理論的な空間分布を考える際、その流星物質の集団の名称として使われる言葉。[[1999年]]、[[イギリス]]の天文学者[[デイヴィッド・アッシャー (天文学者)|デイヴィッド・アッシャー]]が[[ロバート・マックノート]]と共に提唱した。
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[[母天体]]([[彗星]]・[[小惑星]])が特定の近日点通過日付近で、太陽熱の作用で[[流星]]物質を集団で放出したと仮定して、その特定の近日点通過年を冠して、たとえば、「[[しし座流星群]]の[[1899年]]のダストトレイル」、「しし座流星群1998年近日点回帰時における、3公転前のダストトレイル」(この例では同じ物の言い換え)というふうに、その流星物質の集団の名称として使われる。従って個々は、特定の流星群の、流星物質総体のうちの、更に一部分を指している。
なお、ダストトレイルは提唱されたときにはあくまで理論的な概念であり、近年まで直接観測された例は無かった。しかし、[[2002年]]に[[東京大学]][[木曾観測所]]により22P/[[コプフ彗星]]のダストトレイルが撮影され<ref>[http://www.astroarts.co.jp/news/2002/05/22dust_trail/index-j.shtml 彗星のダストトレイルを可視光で検出することに成功,astroarts,2002年5月22日]
ダストトレイルの語から、個々の流星物質は、「塵の道」を車のように移動するかの印象を受けるが、実際には流星物質は車ではなく、道路の材料そのものである。「塵で出来た道」に近い。
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太陽系では太陽の引力がずば抜けて大きいため、天体の軌道はほぼ楕円であり、小さな初期速度ベクトルの差では、楕円同士の形や向き、大きさに大差は生じにくい。その事から、かなり前には各ダストトレイルは、母天体から発してその軌道前後に、母天体の軌道にほぼ沿っており、その存在確率は、母天体の軌道から離れるに従って、単調に減少して行くようなモデルがとられていた。このイメージは流星群の進化の説明として、今でも一般に使用されている。なお平穏な年の流星群の流星物質の軌道の観測から、その流星群の母天体の判定をするような場合には、今でもその考えが有効である場合も多い。
しかしダストトレイルの挙動を実際に計算してみると、惑星に接近した部分だけが大きく位置を変えるため、個々には、流星群の分布領域の内部で、曲がった細いフィラメント状になっている場合があり相当複雑であった。特に観測時点から見て、新しい近日点通過年のダストトレイルが、普段は幾らか流星を降らす程度の流星群が、[[流星雨]]になる場合に寄与が大きいため、計算をするかしないかで、強い出現の予測の精度が大きく変る場合があった
== 脚注 ==
{{Reflist}}
{{Comets}}
[[Category:流星|たすととれいる]]
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