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{{出典の明記|date=2014-2}}
[[画像:Mouse_embryonic_stem_cells.jpg|thumb|220px|right|マウス胚性幹細胞:緑の部分が小型の胚性幹細胞細胞の塊であり、回りの細胞はフィーダー細胞]]
'''幹細胞'''(かんさいぼう、stem cell)は、分裂して自分と同じ細胞を作る(Self-renewal)能力([[自己複製能]])と、別の種類の細胞に[[細胞分化|分化]]する能力を持ったち、際限なく増殖できる細胞と定義されている<ref name=MBoC5>{{citation|和書|author=Alberts, Bruce|author2=Johnson, Alexander|author3=Lewis, Julian|author4=Raff, Martin|author5=Roberts, Keith|author6=Walter, Peter|title=細胞の分子生物学|edition=5th|chapter=専門化した組織、幹細胞と組織の再生|year=2010|publisher=ニュートンプレス}}</ref>。発生における[[細胞系譜]]の幹 (stem) になることから名付けられた。幹細胞から生じた二つの[[娘細胞]]のうち、少なくとも一方は別の種類の細胞に分化する他方は再び同じ幹細胞でありつづけることによって分化細胞を供給することができる。この点で分化した細胞と異なっており、[[発生 (生物学)|発生]]の過程や[[組織 (生物学)|組織]]・[[器官]]の維持において細胞を供給する役割を担っている。
 
幹細胞では分化を誘導する[[遺伝子]]の発現を抑制する機構が働いており、これは外部からの[[シグナル伝達|シグナル]]や[[クロマチン]]の構造変換などによって行われる。普通の[[体細胞]]は[[テロメラーゼ]]を欠いているため細胞分裂の度に[[テロメア]]が短くなるが幹細胞ではテロメラーゼが発現しているため、テロメアの長さが維持される。これは分裂を繰り返す幹細胞に必要な機能である。幹細胞の性質が維持できなくなると新たな細胞が供給されなくなり、[[早老症]]や[[不妊]]などの原因となる。