「キノコ」の版間の差分

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# 子実体が生長して担子器を形成し、その内部で核の融合と[[減数分裂]]とが行われて担子胞子が形成される。
 
ただし、生活環において二次的[[自家不和合性|ホモタリズム]]'''(性的に異なる二個の核が、一個の有性胞子にすでに含まれている状態)'''を示す[[]](たとえば[[ツクリタケ]]やハタケキノコなど)では、担子胞子は発芽した時点でただちに重相菌糸(n+n)となり、他の菌糸と融合することなしに正常な子実体を形成する。さらに、単相菌糸と重相菌糸との間で交配を行うこと([[ダイモン交配]]あるいは[[ブラー現象]]と称される)によって遺伝的撹拌を行う菌もある<ref>衣川堅二郎、1990.きのこの遺伝と育種(きのこの生物学シリーズ 3).築地書館、東京. ISBN 978-4-80672-329-5</ref>。
 
また、周囲の環境条件などに応じて、有性生殖を行う世代('''テレオモルフ''' Teleomorph)と無性生殖を行う世代('''アナモルフ''' Anamorph)とを随時に形成する菌群も数多い<ref>宇田川俊一・椿啓介・堀江義一・箕浦久兵衛・渡辺昌平・横山竜夫・山崎幹夫・三浦宏一郎、1978.菌類図鑑(上巻).講談社サイエンティフィック、東京. ISBN 9-784-06129-961-0.</ref>。たとえば、食用菌としてなじみの深い[[ヒラタケ]]の近縁種であるオオヒラタケ(''P. cystidiosus'')のアナモルフは[[:en:''Antromycopsis''|''Antromycopsis'']]属に分類されており、通常の子実体の柄の基部に形成され'''分生子'''と呼ばれる無性胞子で繁殖する<ref>Gaston Guzmán, G., Bandala, V. M., and L. Montoya, 1990. A comparative study of teleomorphs and anamorphs of ''Pleurotus cystidiosus'' and ''Pleurotus smithii''. Mycological Research 95: 1264-1269.</ref>。また、[[クロハツ]]などの他のきのこの上に発生する[[ヤグラタケ]]、あるいは木材腐朽菌として知られる[[マメザヤタケ]]においては、一個の子実体がテレオモルフとアナモルフの両方の機能を有している。