「耳なし芳一」の版間の差分
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ある夜、[[和尚]]の留守の時、突然一人の[[武士]]が現われる。芳一はその武士に請われて「高貴なお方」の屋敷に[[琵琶]]を弾きに行く。盲目の芳一にはよくわからなかったが、そこには多くの貴人が集っているようであった。[[壇ノ浦の戦い]]のくだりをと所望され、芳一が演奏を始めると皆熱心に聴き入り、芳一の芸の巧みさを誉めそやす。しかし、語りが佳境になるにしたがって皆声を上げてすすり泣き、激しく感動している様子で、芳一は自分の演奏への反響の大きさに内心驚く。芳一は七日七晩の演奏を頼まれ、夜ごと出かけるようになる。
[[和尚]]は目の悪い芳一が夜出かけていく事に気付いて不審に思い、寺男たちに後を付けさせた。すると芳一は一人、平家一門の[[墓地]]の中におり、平家が
その夜、芳一が一人で座っていると、いつものように武士(平家の怨霊)が芳一を迎えに来た。しかし経文の書かれた芳一の体は怨霊である武士には見えない。芳一が呼ばれても返事をしないでいると怨霊は当惑し、「声も聞こえない、姿も見えない。さて芳一はどこへ行ったのか・・・」という独り言が聞こえる。そして怨霊には、耳のみが見え、「芳一がいないなら仕方がない。証拠に耳だけでも持って帰ろう」と考えた。耳だけ持ち帰ることが結果的に芳一にどのような損傷を与えるかに思いをいたせず、結果的に頭部から耳をもぎ取ってそのまま去って行った。
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