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現代では永久要塞自体が時代遅れになって姿を消していっているが、かつてはよく築かれていた。要塞が有する[[砲台]]は、[[砲撃]]に晒されても簡単には破壊されないように[[掩体壕|掩体]]内に収められる事が多いが、対応できる方向を増やすために砲塔化される事もあった。具体的には[[フランス]]の[[マジノ線]]やまた、[[フィリピン]]、[[コレヒドール島]]付近のフォート・ドラム(「コンクリート戦艦」と呼ばれた)が有名である。
 
[[戦車]]が進化を遂げ、要塞が容易に迂回されてしまうようになった[[第二次世界大戦]]以降は大規模な要塞が作られることが減ったが、迂回しづらい隘路を閉塞する意図などで要塞が築かれた。戦車は車体部分を埋めて即席[[トーチカ]]することができるが、はじめから戦車の砲塔を要塞に埋め込んでしまうこともままあった。例えば[[アルバニア]]、[[スイス]]、[[オーストリア]]などで、旧式戦車の砲塔をコンクリートに埋めてトーチカとすることが行われていた。初の全周砲塔を備える戦車である[[ルノー FT-17 軽戦車|ルノー FT-17]]からして、後に第二次大戦にマジノ戦を強化するための即席トーチカとして多用されたし、対する[[ドイツ国防軍|ドイツ軍]]旧式化した戦車の砲塔を要塞建設に用いたり<ref name="tank_turret"/>、新規にパンター戦車の砲塔を利用したトーチカを開発し、防衛戦に使用していた。
 
現代では[[対艦ミサイル]]で代替され姿を消していっているが、かつては沿岸防衛のための[[沿岸砲]]が各地に築かれていた。沿岸砲は海上目標を狙うためのものであるから、海側さえ向いていればよく、全周周回する砲塔式の必要性があまりなかったが、艦船や戦車の砲塔を[[ターレット]]ごと流用することがよくあった。前者の例では廃艦になった[[戦艦]]の砲塔を利用した巨大なものも多く、戦艦の[[艦砲射撃]]にも対抗可能とされていた。後者の例では大戦中のドイツ軍がフランス沿岸地帯に築いた[[大西洋の壁]]に[[鹵獲]]したフランス製戦車の砲塔を<ref name="tank_turret">ドイツ軍は旧式化した戦車から砲塔を取り外し、車体を自走砲や牽引車、弾薬運搬車などに改造していた。残った砲塔が要塞建設用の資材として流用された</ref>設置したり、戦後のフィンランドがソ連から[[T-55]]の砲塔を購入して沿岸要塞に設置していたりした。