「ヨーゼフ・シュンペーター」の版間の差分

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== 資本主義・社会主義 ==
シュンペーターは社会学的アプローチによる研究でも有名である。この分野の主著『'''[[資本主義・社会主義・民主主義]]'''』は、経済が静止状態にある社会においては独創性あるエリートは官庁化した企業よりは未開拓の社会福祉や公共経済の分野に革新の機会を求めるに至る<!--森嶋通夫-->。持論のイノベーションの理論を軸にして、経済活動における新陳代謝を'''[[創造的破壊]]'''という言葉で表し、また、資本主義は、成功ゆえに巨大企業を生み出し、それが[[官僚]]的になって活力を失い、[[社会主義]]へ移行していく、という有名な理論を提示した。[[マーガレット・サッチャー]]は[[イギリス]]が、つねにこのシュンペーターの理論のとおりにならないよう警戒しながら政権運営をしていたという。
 
またシュンペーターは[[カール・マルクス]]を評価しており、『経済発展の理論』<ref>「シュムペーター経済発展の理論」1937年、中山伊知郎、東畑精一共訳、岩波書店</ref>日本語訳(1937年)に寄せられた「日本語版への序文」(原文のまま掲載)<!---出典は?--この文章にはシュンペーターの貴重な考えが載っており、敢えて訳さなかったことによって後世の研究者が引用しやすくなったと言われる。--->で「自分の考えや目的が[[カール・マルクス|マルクス]]の経済学を基礎にしてあるものだとは、はじめ気づかなかった。」「マルクスが資本主義発展は資本主義社会の基礎を破壊するということを主張するにとどまるかぎり、なおその結論は真理たるを失わないであろう。私はそう確信する。」と述べている。