「史跡」の版間の差分

# [[日本]]における[[文化財]]の種類のひとつで、歴史上または学術上価値が高いと認められる[[遺跡]]について、[[日本国]]およびまたは[[地方公共団体]]が指定を行ったも[[文化財]]の種類のひとつ。特に、[[文化財保護法]]第109条第1項において規定された、国によって指定されたもの文化財の種類のひとつをいう。

日本の[[文化遺産保護制度]]の体系における「史跡」とは、[[文化財]]の種類の一つである[[記念物]]のなかで、[[貝塚]]、[[古墳]]、都城跡、城跡、旧宅その他の[[遺跡]]に該当するものなの中かでら、歴史上または学術上価値が高いと認められ保護が必要なものについて、[[日本国|国]]および[[地方公共団体]]（[[都道府県]]、[[市町村|区市町村]]）が指定を行ったものである。

[[文化財保護法]]は、貝塚、古墳をはじめとする遺跡のうち日本国にとって歴史上または学術上価値の高いものを、[[文部科学大臣]]が「史跡」<ref>単に「史跡」と称した場合は、日本国指定の史跡を指しており、官報でも「史跡」と表記される。しばしば「国指定史跡」と称されるが、これは、都道府県指定史跡や市区町村指定史跡と区別した便宜的な用語である。</ref>および「特別史跡」の名称で指定することができると規定している。地方公共団体においては、国の指定から漏れたを受けていないものに対して、それぞれの[[条例]]に基づいて「○○県史跡」「○○町指定史跡」といった名称で指定を行っている。地方公共団体の制度はおおむね国の制度に準じたものであるが、それぞれの考え方に応じた制度が設けられており、例えば、[[東京都]]では「旧跡」、[[横浜市]]では「地域文化財」などといった、文化財保護法にはみられない指定等の区分の名称が設けられている場合もある。名称も、「県史跡」「県指定史跡」など、地方公共団体によってそれぞれである。

== 国指定の史跡 ==

この規定に基づき、各[[地方公共団体]]は「文化財保護条例」等の名称の[[条例]]を制定して、遺跡に対する史跡指定を行っている。ただしこの規定は、国指定の史跡から漏に指定されたていないものに対して地方公共団体が指定すると解釈されるため、地方指定の史跡が国指定の史跡となった場合は地方指定は解除される。地方公共団体の制度はおおむね国の制度に準じたものであるが、それぞれの実情に応じた制度が定められている。例えば、東京都文化財保護条例第33条は、次のとおり規定している。

土地は記念物（史跡など）であるが、建造物は[[有形文化財]]である。文化財保護法に基づく各文化財の指定基準による指定の例によれば、例えば[[姫路城]]を例にとると、敷地およびそれと結びついた石垣、濠等の遺構としては「特別史跡」、個々の建造物のうち、大小天守・渡櫓の8棟は「国宝」、櫓・渡櫓27棟、門15棟、塀32棟は「重要文化財」として指定されている。このような例が一般的である。

「[[大仙陵古墳]]」や「[[誉田御廟山古墳]]」をはじめとする「[[陵墓]]」は、[[宮内庁]]が管理し、現在も[[皇室]]による祭祀が行われており、いる。そのため研究者が自由に立ち入って調査することができない<ref>2008年2月22日、宮内庁が管理する神功皇后陵（[[五社神古墳]]）に[[日本考古学協会]]など16学会の研究者代表らが墳丘に立ち入り調査をした。「陵墓」に学会側の立入が認められたのは初めて。（2008年2月23日「朝日新聞」）</ref>。ま宮内庁により管理・保存が講じられているため、史跡等にもの指定の対象とされていない。このことについては、考古学研究者、歴史研究者からの根強い批判がある<ref>森（1996）。</ref>。