「点火時期」の版間の差分

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点火時期は、[[クランクシャフト|クランク角度]]において、[[死点|圧縮上死点(BTDC)]]の何度手前で点火したかという数値(角度)で表される。これは上死点を基準と見て'''点火進角'''とも呼ばれる。調整の際に、初期の点火時期に対し早める場合には「点火時期を進角させる」、これよりも遅らせる場合には「点火時期を遅角させる」と称する。これを調整するためにはディストリビューターかカム角センサーの位置を円周方向にずらし、[[タイミングライト]]でプーリーのタイミング表示を照らしながら設定する。過度な進角は[[ノッキング]]の発生によるエンジンの損傷、過度な遅角は[[排気ガス]]温度の上昇による[[触媒]]の溶損などの不具合を引き起こす。
 
エンジン回転数や吸気量など同一条件のもとで、点火時期のみを変化させた際、[[トルク]]が最大となる点が存在する。この時の点火時期を'''MBT(Minimum advance for the Best Torque)'''と称する。MBTは、エンジンの運転条件によって変化する。一般的に、MBTで点火することでそのエンジンの燃焼効率は最良となるため、性能および[[燃費]]を確保するうえで非常に重要であるが、ノッキングの発生やピストン過熱などの主に信頼性の問題により、全ての運転条件にてMBTで点火できるとは限らない。
 
黎明期のエンジンは最大回転数が小さく、圧縮上死点付近で固定された点火時期を用いることで事足りた。しかしエンジンの高回転化・高出力化が進むに連れて、固定の点火時期ではあらゆる運転条件にて十分な性能を確保することが難しくなったため、点火時期を変化させる必要が生じた。このため、現代のエンジンでは点火時期を変化させる制御機構を備えている。正しい点火時期を得ることは、性能や燃費の確保だけでなく、エンジンの信頼性に対しても非常に重要である。