「分子系統学」の版間の差分

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RJANKA (会話 | 投稿記録)
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このような情報は進化の結果の上での現生物間の関係を示すが、その過程や途中経過に関する情報を与えるものではない。
 
原生生物等の構造の単純な生物では、従来は根本的な特徴と考えられていた構造上の特徴にも、研究者の予想を超えて大きく変化する形質が多数あることが明らかにされつつある。このような場合、古典的な系統推定は妥当性を欠くことになり、分子系統学的情報がより重視される傾向がある。中には[[ケルコゾア]]のように、分子系統学的情報以外に系統推定に使える形質が事実上見当たらない群もある。しかし多くの生物では、系統解析に利用可能な形質がたいてい分子マーカーの他に認められる。そのため、このような生物を対象とした研究で、従来の体系の大がかりな再考が迫られる結果が出た場合、それを材料に他の形質を見直すことも行われる。たとえば[[環形動物]]と[[節足動物]]は[[体節制]]という基本的な体制にかかわる共通の特徴を持つため、近縁なものと見なされてきた。しかし、分子系統学的情報によると、それほど近縁なものではなく、むしろ節足動物は[[線虫]]などに近縁であることが判明した。共通する特徴として[[脱皮]]することが挙げられるようになり、[[脱皮動物]]という群が提唱されている。
 
== 関連項目 ==