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== 概要 ==
 
[[1962年]]にウィリアム・リンクとリチャード・レビンソンが制作したTVミステリー・シリーズで、[[1968年]]から[[1978年]]まで45本が[[NBC]]で放送され(日本語版タイトル「刑事コロンボ」)、その後[[1989年]]から[[2003年]]まで24本が[[アメリカン・ブロードキャスティング・カンパニー|ABC]]で放送された(日本語版タイトル「新刑事コロンボ」)。
 
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独特のテンポで進むストーリーで、知的で社会的地位も高い犯人が[[完全犯罪]]を目論むも、一見愚鈍で無害そうなコロンボに[[アリバイ]]を突き崩され、自ら破滅の道を転落する必罰的展開ながら、コロンボと犯人との駆引き、静かにそして確実に追い詰められて行く犯人の内面の葛藤・焦りといった感情描写や、コロンボのユーモラスな台詞回しなど、そのいずれもが味わいのある1話完結の人間ドラマとなっている。
<!--コロンボの正式の肩書きは「警部補」であるが、邦訳されたTV放送では「警部」である。--><!--この肩書きをめぐって過去に編集合戦が起こった経緯もあり、「コロンボの肩書」の項に記述しています。また経緯についてはノートもご参照ください。-->
 
== 作品の特徴 ==
最初に完全犯罪を企む犯人の周到な犯行を視聴者に見せた後、一見して隙のない犯人が見落としたほんの僅かな手がかりを元にコロンボが犯行を突き止める物語となっている。ミステリー小説では[[推理小説#倒叙(とうじょ)|倒叙物]]と呼ばれる形式だが、視聴者はあらかじめ犯人とその犯行を知っているので、視聴者の興味は「犯人と視聴者は一体何を見落としていたのか」「コロンボがどうやって尻尾をつかんで犯人を追い詰めるか」「犯人側の心境に重ねる緊張や焦り」などの心理的駆引きが展開されていく。犯人が結末にわかる(シーズン5「さらば提督」など)、犯人は明らかにされてるトリックは結末までわからない(シーズン7「美食の報酬」)、など例外作品も放映されている
 
視聴者はあらかじめ犯人とその犯行を知っているので、視聴者の興味は「犯人と視聴者は一体何を見落としていたのか?」「コロンボがどうやって尻尾をつかんで犯人を追い詰めるか?」「犯人側の心境に重ねる緊張や焦り」などの心理的駆引きに向けられる。
 
テレビミステリーシリーズにおいて、際だって著名な俳優(いわゆる大物俳優)や個性的な俳優を犯人として配役した場合、彼らの登場時点で視聴者に真犯人がわかってしまい、「最後まで犯人が分からない」というストーリーを成り立たせることは難しい。単発のドラマであれば大物俳優を複数配役すれば可能ではあるが、シリーズものでは予算的にも困難である。しかし、倒叙物の手法を取り入れることにより、大物俳優を犯人役に、毎回起用することができることとなった。
 
テレビミステリーシリーズにおいて、際だって著名な俳優(いわゆる大物俳優)や個性的な俳優を犯人として配役した場合、彼らの登場時点で視聴者に真犯人がわかってしまい、「最後まで犯人が分からない」というストーリーを成り立たせることは難しい。単発のドラマであれば大物俳優を複数配役すれば可能ではあるが、シリーズものでは予算的にも困難である。しかし、倒叙物の手法を取り入れることにより、大物俳優を犯人役に、毎回起用することができることとなった。テレビドラマでは、ともすると[[視聴率]]重視のために短い時間で様々な要素が盛り込まれがちだが、本シリーズでは暴力や性的描写が(旧作では)一切無く、ドラマは犯人とコロンボの心理戦を中心に進められる。
 
犯人は医者や弁護士、作家、会社重役、[[スター]]など地位や名声のある知識人、有名人であることが多く、犯行動機も権力欲や遺産目的によるものが多い。[[知能犯]]である彼らの犯行はいずれも緻密かつ周到で、コロンボから追及されても鮮やかにかわしていく。
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== 主人公であるコロンボ ==
=== コロンボの肩書 ===
コロンボは、[[アメリカ合衆国]][[カリフォルニア州]]の[[ロサンゼルス市警察]]殺人課に所属する警察官であり、階級は「'''Lieutenant(ルテナント)'''」である。アメリカ合衆国の警察での「Lieutenant」という階級は、一般的な英和辞書では[[警部補]]と訳されるため、それに従えば「コロンボ警部補」となるが、実際の各階級の役職、役割、人員の構成比率などで較べた場合、ロサンゼルス市警察においては日本の警察での[[警視]]がもっとも近い階級となる。それに従えば、「コロンボ警視」となるのが一般的であるが、日本語版の放送やビデオの日本語訳字幕では一貫して「'''コロンボ警部'''」とされている。また、日本語版の作品のタイトルは「[[刑事]]コロンボ」である<ref>http://www.lapdonline.org/join_the_team/content_basic_view/9127#Police%20Lieutenant</ref><ref>http://www.lapdonline.org/assets/pdf/Org_Chart_021312.pdf</ref>。
また、ロサンゼルス市警察も含め一般的な[[アメリカ合衆国の警察]]においては、「captain」→「lieutenant」→「sergeant」といった階級制度が採用されているこれを日本語に訳す場合、一般的には captain を「警部」、lieutenant を「警部補」、sergeant を「巡査部長」とすることが多い。ただし、アメリカの実際の制度では captain は分署長や本部の課長などを務めることが多く、lieutenant はそれに次ぐ階級として、署長(もしくは実動部隊の長)の「副官・代行」であるとともに、場合によっては署長職を務めることもある。その下の階級の sergeant でも警察署の係や課、警察署全体の当直(ウォッチ)シフトなどを監督・指揮する役職の階級となっている。すなわち、厳密に警察組織内の役割・役職等を比較した場合、アメリカの警察の階級である captain、lieutenant、sergeant と[[日本の警察#警察官の階級|日本の警察の階級である警部、警部補、巡査部長]]は対応していない。しかし、警察組織に限らず、違った言語と文化の間で[[翻訳|概念と単語が一対一対応しているとは限らない]]ことは珍しくない。
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* 好物は[[チリコンカン]](チリ)と[[コーヒー]]。メニューにチリがないときでも注文するほどである(第22話「第三の終章」)。コーヒーは熱いのが好みで、ぬるくなると文句を言う。一時ブラックコーヒーを飲んでいたのはダイエットのためで、第39話「死者のメッセージ」では砂糖を3杯入れてもらっている(第69話「虚飾のオープニングナイト」では2杯)。
* ファミリーを大切にするイタリア系だけに、妻のほかにも甥や姪や従兄弟など親族の話をよくする。船旅中のコロンボが船員に妻の所在をたずね「あちらに行かれました」と返答する場面があるが、画面に登場したことはない(第29話「歌声の消えた海」)。
* 料理研究家も認を手際よく作り、被害者の妻を元気づけるたに「料理はまったくダメ」といいながら[[スクランブルエッグ]]を調理していほどの(シーズン1「構想の死角」)、仔牛料理を犯人である料理研究家に振舞った際にはそ腕前と才能があり、そを高く評価さている(シーズン7「美食の報酬」)。料理に関する知識も豊富。家ではもっぱら妻に代わって台所で料理を担当しているらしい。しかし第3話「構想の死角」では「料理はまったくダメ」と言っている
* その他の趣味は[[リメリック]](五行戯詩)、西部劇、クラシック音楽(イタリアオペラ、シュトラウスのワルツなど)、ゴルフ、ボウリング、フットボールのテレビ観戦。絵画にも精通しているようで(演ずるフォークも絵画には精通している)飾ってある絵画の価値を一目みただけで把握したこともある(本人はあくまで「不学」「無学」「勉強不足」と謙遜している)。また[[ビリヤード]]を得意とする。
* 逮捕した犯人に対してワインをふるまったり(第19話「別れのワイン」、銘柄は不明。犯人は「モンテフィアスコーネ。最高のデザートワイン」と言っているが、[[エスト! エスト!! エスト!!! ディ・モンテフィアスコーネ]]は辛口であり、デザートワインとは言い難い)、音楽をかけてやりながら慰めの言葉をかけたりする(第24話「白鳥の歌」)など、時に犯人に対して温かい心遣いを見せることがある。逆に卑劣な犯人に対しては、普段の控えめな態度を急変させて怒りを露わにすることもある(第15話「溶ける糸」<ref>このエピソードでは、コロンボが犯人に対して怒鳴るシーンがあるが、これは日本語吹き替え版のみの演出である。ピーター自身は、同シーンでのセリフを「低音かつ抑え目のトーン」でしゃべっている。</ref>、第26話「自縛の紐」など)。