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[[File:Icteric serum.jpg|thumb|80px|right|ビリルビンの増加により黄疸症状を呈している血清]]
===両者の違い===
血液は、血漿成分(血液中52~64%)と血球成分(血液中36~48%)に大別され、このうち血球成分は[[赤血球]]、[[白血球]]、[[顆粒球]]、[[リンパ球]]、[[白血球#単球|単球]]そして[[血小板]]である。さらに顆粒球は[[好中球]]、[[好酸球]]、[[好塩基球]]に分かれる<ref name=bloodtxt>{{PDFlink|[http://plaza.umin.ac.jp/~histsite/2bloodtxt.pdf 2 血液のしくみと働き]}} ([http://plaza.umin.ac.jp/~histsite/mokuji.htm 人体のしくみと働き]、2014年版)</ref><!--査読された出典ではない-->{{Template:信頼性要検証|date=2014年6月}}。血漿成分は水分(90%)、[[タンパク質]](約7~8%)、[[イオン#陽イオン|陽イオン]]、[[イオン#陰イオン|陰イオン]]などの[[無機化合物|無機質]](0.9%)、[[炭水化物|糖質]]、[[脂質]]、[[尿素]]、[[尿酸]]、[[アミノ酸]]など(2%)で成り立っており全血液量の55%を占める。血漿中のタンパク質には[[アルブミン]]、[[グロブリン]]([[αグロブリン]]、[[βグロブリン]]、Φ[[フィブリン|フィブリノーゲン]]、[[抗体|γ-グロブリン]])などがある<ref name=bloodtxt/>。血液を[[試験管]]に入れ放置しておくと、凝固した[[沈殿]]物([[血餅]])と液体(血漿)に分かれる<ref>家庭医学大事典、2102頁。</ref>。血餅は[[赤血球]]、[[白血球]]、[[血小板]]の血球成分と[[フィブリン]](線維素)からなる。これをさらに[[遠心分離]]すると、血清と、血餅を含む血球成分を完全に分離できる。
血漿は、[[抗凝固薬|抗凝固剤]]入り採血管で採血して放置<ref name=bloodtxt/>または遠心分離した場合に、血球成分の沈殿によりできる上澄みである。この血漿は[[凝固・線溶系|凝固因子]]を含む。一方で、[[抗凝固薬|抗凝固剤]]の入らない採血管で採血して放置した場合、抗凝固剤が入らないため、血球成分が凝固因子により凝血する。その場合の上澄みが血清であり、血清は凝固因子を欠く。つまり、抗凝固剤を使った場合は血漿と血球成分とに分かれ、使わなかった場合は血餅と血清とに分かれる<ref name=bloodtxt/>。
 
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===血清総タンパクとアルブミン・グロブリン比===
総タンパクの主成分は、60%を占めるアルブミン(ALB)と20%のグロブリンである。病原菌などの抗原が体内にある場合、それらを攻撃するグロブリンの値が高くなる一方で、アルブミンの値は下がるものの、総タンパク量はあまり変化しない。グロブリンが高値となるのは、慢性の[[炎症]]や[[肝硬変]]、[[悪性リンパ腫]]などの場合である。[[多発性骨髄腫]]や[[脱水 (医療)|脱水症状]]では特に値が高くなる<ref name=igaku2100/>。血清タンパクは血漿の約8%を占める、何種類ものタンパク質成分を総合したものである。これらのタンパク成分は総タンパク(TP=Total Protein)と呼ばれる<ref>{{PDFlink|[http://www.city-hospital.takarazuka.hyogo.jp/medical/department/img/laboratory01.pdf hyogo.jp]}} (宝塚市立病院サイト内の資料)</ref><!--査読された出典ではない-->{{Template:信頼性要検証|date=2014年6月}}
 
==血清脂質と血清病==
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===血清脂質===
血清中に含まれる[[脂肪]]のことで、[[中性脂肪]]や[[コレステロール]]、[[リン脂質]]、[[遊離脂肪酸]]などが含まれる。 コレステロールは[[細胞]]や[[ホルモン]]、[[胆汁酸]]を作る上でも不可欠である。中性脂肪は分解されてエネルギーとなったり、[[皮下脂肪]]や[[脂肪組織|内臓脂肪]]として体内に貯蔵されたりする仕組みになっている。また、リン脂質は[[細胞膜]]の形成上に重要な役割を果たす。その意味で血清[[脂質]]は、人体に非常に有益な働きをしているが、バランスが崩れると[[動脈硬化]]を促す恐れがある。過剰な[[コレステロール#悪玉コレステロールと善玉コレステロール|LDLコレステロール]](悪玉コレステロール)が血管壁に蓄積して動脈硬化を早めるうえに、中性脂肪も多すぎると小粒子高密度LDL(スモールデンスLDL)を増加させる。このスモールデンスLDLの増加により、悪玉LDLが[[コレステロール#悪玉コレステロールと善玉コレステロール|善玉HDLコレステロール]]を減らすため、さらに動脈硬化が進むことになる<ref>[http://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-021.html 脂質代謝異常-メタボリックシンドローム-"血清脂質"|e] (e-ヘルスネット :メタボリック症候群が気になる方のための健康情報サイト、厚生労働省提供]</ref><!--査読された出典ではない-->{{Template:信頼性要検証|date=2014年6月}}
 
本来液体に脂分は混じらないが、血清脂質の場合は、血清中の中に溶けだした格好になっている。脂質が[[アポタンパク質|アポ蛋白]]で包まれており、脂質(リピッド)と結合して[[リポタンパク質|リポ蛋白]]となって、血清中に溶けているからである。もしこのリポ蛋白が、血清中溶け込まずに遊離したような状態にあって、[[マクロファージ]]や[[細網内皮系]]で処理できない場合は[[脂肪塞栓症|脂肪塞栓]]が起こりやすくなる<ref>家庭医学大事典、1732頁。</ref>。