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Zody (会話 | 投稿記録)
東北地方での遡上 ほか
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{{混同|シロザケ}}
 
{{生物分類表
|名称 = ギンザケ
|色 = 動物界
|画像=[[画像:CohoSmolts.jpg|250px]]
|画像キャプション = ギンザケの[[スモルト]]
|界 = [[動物界]] [[:w:Animalia{{sname||Animalia]]}}
|門 = [[脊索動物門]] [[:w:Chordata{{sname||Chordata]]}}
|亜門 = [[脊椎動物亜門]] [[:w:Vertebrata{{sname||Vertebrata]]}}
|綱 = [[条鰭綱]] [[:w:Actinopterygii{{sname||Actinopterygii]]}}
|目 = [[サケ目]] [[:w:Salmoniformes{{sname||Salmoniformes]]}}
|科 = [[サケ科]] [[:w:Salmonidae{{sname||Salmonidae]]}}
|亜科 = [[サケ亜科]] [[:w:Salmoninae{{sname||Salmoninae]]}}
|属 = [[タイヘイヨウサケ属]] ''[[:w:Oncorhynchus{{snamei||Oncorhynchus]]}}
|種 = '''ギンザケ''' ''{{sname||Oncorhynchus kisutshsnamei|O. kisutsh}}''
|学名 = ''{{sname||Oncorhynchus kisutsh}}''<br/>Walbaum, [[1792年{{AUY|Walbaum|1792]]}}
|英名 = [[:en:Coho salmon|'''Coho salmon'''Salmon]]<br/>[[:en:Silver salmon|'''Silver salmon'''Salmon]]
|和名 = '''ギンザケ''' ('''銀鮭''')<br/>'''コーホーサーモン'''<br/>'''シルバーサーモン'''
}}
'''ギンザケ''' ('''銀鮭'''、学名:'': {{snamei|Oncorhynchus kisutsh''}})は英名:[[:en:Coho salmon|'''Coho salmon'''魚類]], [[:en:Silver salmon|'''Silver salmon''']])は、[[サケ目]][[サケ科]]に属する1種
 
[[天然]]では沿海州から[[千島列島]]、[[カリフォルニア州]]にかけての北部太平洋地域に生息し、北海道の河川には遡上しない。外観は白鮭に似ているが、肌目が銀色で背部から尾にかけて小さな黒点を有することが特徴。
地方名:ギンマス 別名:コーホーサーモン・シルバーサーモン
 
地方名{{どこ|date=2014年6月}}{{疑問点|date=2014年6月|title=自生しないのに「地方名」を有す地方があるのか。単なる「別名」ではないのか。}}ギンマス、別名コーホーサーモン、シルバーサーモン。
鮭(シロサケ)に関しては「[[サケ]]」を参照
 
== 生態 ==
河川の上流域まで遡上し、流れの早い浅瀬を選び産卵する。産卵は10月から翌年2月くらい。産卵行動は[[サケ|シロザケ]]と基本的に似ていて、産卵床は湧水のある砂利層を好み形成する。産卵後2-3ヶ月程度で孵化・浮上した稚魚は1年-2年間の淡水生活の後、降海し海洋生活を送るが、浮上後すぐ降海する個体もいる。サクラマスのように川に残留する個体はほとんどいない。
河川での餌は水棲昆虫が中心で河口付近に住み群れを作らず流れの緩い深みで縄張りを作って生活する。春になり体長10-15cmくらいで[[スモルト]]化した個体は、降海する、降海はアメリカでは4-5月、[[千島列島]]北部では7-8月。3年から4年(海洋生活1年から2年)で成熟し50cmから65cmに成長し母川回帰する。日本では回帰個体の漁獲を目的とする放流は、[[1974年]]と翌年の[[標津川]]、1978年の[[伊奈仁川]]など<ref>{{PDFlink|[http://salmon.fra.affrc.go.jp/kankobutu/srhsh/data/srhsh273.pdf 標津川に放流した北米産ギンザケについて]}}</ref>が有るが夏期の温度上昇のため定着はしなかった。また、現在では放流行われていない。極稀に、迷いサケとなった遡上個体が北海道の河川で捕獲されることもある<ref>{{PDFlink|[http://salmon.fra.affrc.go.jp/kankobutu/bulletin/BNSRC01-05.pdf 千歳川に遡上したギンザケ]}}</ref>。海洋では雑食性で魚食性が強いと云われ、海洋では主にイカを捕食していてシロザケ、ベニザケよりやや南の海域に分布し、至適水温は、9℃程度である。また、表面水温16℃以上の海域では捕獲されたことがない<ref> {{PDFlink|[http://fsf.fra.affrc.go.jp/bulletin/documents/kenpou6-95.pdf 北西太平洋における産卵回遊初期のギンザケの分布域と回遊方向]}}</ref>。
 
河川での餌は水棲昆虫が中心で河口付近に住み群れを作らず流れの緩い深みで縄張りを作って生活する。春になり体長10-15cmくらいで[[スモルト]]化した個体は、降海する、降海はアメリカでは4-5月、[[千島列島]]北部では7-8月。3年から4年(海洋生活1年から2年)で成熟し50cmから65cmに成長し母川回帰する。日本では回帰個体の漁獲を目的とする放流は、[[1974年]]と翌年の[[標津川]]、1978年の[[伊奈仁川]]など<ref>{{PDFlink|[http://salmon.fra.affrc.go.jp/kankobutu/srhsh/data/srhsh273.pdf 標津川に放流した北米産ギンザケについて]}}</ref>が有るが夏期の温度上昇のため定着はしなかった。また、現在では放流行われていない。極稀に、迷いサケとなった遡上個体が北海道の河川で捕獲されることもある<ref>{{PDFlinkいつ|[http://salmon.fra.affrc.go.jp/kankobutu/bulletin/BNSRC01-05.pdf 千歳川に遡上したギンザケ]date=2014年6月}}</ref>。海洋では雑食性で魚食性が強いと云放流行われ、海洋では主にイカを捕食していてシロザケ、ベニザケよりやや南の海域に分布し、至適水温は、9℃程度である。また、表面水温16℃以上の海域では捕獲されたことがない<ref> {{PDFlink|[http://fsf.fra.affrc.go.jp/bulletin/documents/kenpou6-95.pdf 北西太平洋における産卵回遊初期のギンザケの分布域と回遊方向]}}</ref>
== 利用法 ==
 
ごくまれに、迷いサケとなった遡上個体が北海道の河川で捕獲されることもある<ref>{{PDFlink|[http://salmon.fra.affrc.go.jp/kankobutu/bulletin/BNSRC01-05.pdf 千歳川に遡上したギンザケ]}}</ref>。2011年の[[東北地方太平洋沖地震]][[津波]]で生簀が大量に流出した直後には、[[三陸地方]]でも遡上が確認された<ref>[https://www.jstage.jst.go.jp/article/suisan/78/3/78_WA1704-6/_pdf 水産増殖懇話会委員会 - J-Stage]</ref>。
 
海洋では雑食性で魚食性が強いと云われ、海洋では主にイカを捕食していてシロザケ、ベニザケよりやや南の海域に分布し、至適水温は、9℃程度である。また、表面水温16℃以上の海域では捕獲されたことがない<ref> {{PDFlink|[http://fsf.fra.affrc.go.jp/bulletin/documents/kenpou6-95.pdf 北西太平洋における産卵回遊初期のギンザケの分布域と回遊方向]}}</ref>。
 
== 水産==
=== 漁獲 ===
[[File:Pike Place Market - Silver Salmon at Pure Food Fish 01.jpg|right|thumb|250px|市場に並ぶギンザケ]]
かつては、[[オホーツク海]]、[[ベーリング海]]での[[北洋サケマス漁業]]で捕獲されていたが、資源保護の為の漁獲量制限や操業海域の縮小などにより、ほとんど捕獲されていない。
おもに[[サケ|シロザケ]]や[[ベニザケ]]の代用として昭和中頃より食用に用いられる。養殖の普及と成長の早さから比較的安価であるにもかかわらず脂がのっていて美味なため、塩鮭のほか鮭の切り身やコンビニ用のおにぎりなどによく用いられる。
 
[[五大湖]]に移植されたほか、[[宮城県]]や[[チリ]]では海面養殖されている。
 
=== 日本での養殖 ===
成長が早い事から注目され、1976年、[[宮城県]][[志津川湾]]で海面養殖が開始された。1993年までは[[アメリカ合衆国]]からの輸入卵を使用し最盛期の1991年には27000トンあまりが生産されたが、低価格なチリ産の影響を受け低迷し、年間10000トン程度の生産量となった。さらに2011年、[[東北地方太平洋沖地震]]発生時の[[津波]]により、養殖施設に壊滅的な打撃を受けた。
 
大手商社の[[三井物産]]は、チリの大手サケ養殖業者のマルチエキスポートと新会社を設立。[[三菱商事]]もチリの養殖会社を総額100100億円で買収している
 
=== 飼育方法 ===
スモルト化するまでは淡水で養殖し海水順応させた後、生け簀で養殖する。海水温が18℃を超えると死亡する個体が増加し、21℃を超えるとほぼ全滅する。餌は、[[スケトウダラ]]のすり身を主原料とした配合飼料が使用される。淡水でも成熟し、産卵をさせることが出来る。
 
== 利用 ==
おもに[[サケ|シロザケ]]や[[ベニザケ]]の代用として昭和中頃より食用に用いられる。養殖の普及と成長の早さから比較的安価であるにもかかわらず脂がのっていて美味なため、塩鮭のほか鮭の切り身やコンビニ用のおにぎりなどによく用いられる。
 
[[五大湖]]に移植されたほか、[[宮城県]]や[[チリ]]では海面養殖されている。
 
== 脚注 ==