「銀河団」の版間の差分

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[[可視光]]で観測すると、銀河団は多数の銀河が互いの[[重力]]によって銀河が引き合って形成された集団のように見える<ref name="spaceinfo">[http://spaceinfo.jaxa.jp/ja/galaxies.html 銀河群・銀河団 宇宙情報センター JAXA]</ref>。しかし、銀河団内の銀河の運動速度は、可視光で見えている銀河同士の重力で束縛されているとするには速すぎる。このことから、銀河団には[[光]]では観測できない別の質量成分が存在することが示唆される。
 
[[X線]]での観測によって、銀河団には高温の[[銀河団ガス]]があり、X線源は約10<sup>8</sup>[[ケルビン|K]]という非常に高温のガスの[[熱制動放射]]によるものであることが明らかになっており、ガスの総質量も目に見える物質の大半を占める膨大な量である。しかし、[[静水圧平衡]]にあると仮定して求めた銀河団と銀河団ガスの総質量を考慮に入れても、これらを銀河団の中に束縛するのには十分ではなく、実際の総質量はずっと大きい。この見えない正体不明の質量成分は現在は暗黒物質([[暗黒物質|ダークマター]])と仮定されて知られる。その正体は不明である。典型的な銀河団では、銀河として存在するのはおそらく全質量の数%程度、X線を放射する高温ガスが約20%に過ぎず、残りはダークマターが占めていると考えられている。
 
これまでの観測から、われわれから少なくとも 80 億光年かなたにまで宇宙の大規模構造がつながっていることが確認され、また宇宙誕生からわずか 10 億年後に既に形成されつつある原始銀河団が見つかっている。 銀河は宇宙初期の小さな密度揺らぎが重力によって成長して形成されたと考えられている。銀河が群れ集まった銀河団や超銀河団などの大規模構造も、長い宇宙の歴史の中で重力がつくりあげた物質分布のパターンだと考えられる。<ref name="spaceinfo"/><ref name="rikanenpyo">[https://www.rikanenpyo.jp/kaisetsu/tenmon/tenmon_031.html 宇宙の大規模構造、超銀河団、超空洞、壁 理科年表オフィシャルサイト]</ref>。