「ハックルベリー・フィンの冒険」の版間の差分

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: 児童書でも多数刊行。
*『ハックルベリー・フィンの冒険』[[大塚勇三]]訳、[[E・W・ケンブル]]画、[[福音館書店]]〈[[福音館古典童話シリーズ]]〉、1997年。
* 『ハックルベリー・フィンの冒険』 土屋京子訳、[[光文社古典新訳文庫]] 上下、2014年6月。
 
== アニメ化 ==
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== 論争 ==
『ハックルベリー・フィンの冒険』が出版された後、[[マサチューセッツ州]][[コンコード (マサチューセッツ州)|コンコード]]図書館は、「下品な主題による手法」と「物語を綴る、粗野で無教養な言葉」を理由として、本書を[[禁書]]に指定した。[[サンフランシスコ・クロニクル]]紙は、[[1885年]]の[[3月29日]]号で素早すばやく本書を擁護した。
{{Quote|「本作を通じて描かれるのは、南北戦争以前の奴隷の評価に対する鋭い風刺である。無一文でアル中の貧困白人の息子ハックルベリー・フィンは、黒人奴隷が自由を得ようとするのを手助けするのに彼が負っている役割のため、数多くの良心の呵責に悩まされる。幾人かの批評家はこの感情が大袈裟であると主張しているが、本作以上に真実を描いた作品はない」[http://etext.lib.virginia.edu/railton/huckfinn/sfchron2.html]}}
 
=== 閲覧制限・自粛 ===
 
本作は20世紀以降も、以下のような形で閲覧制限・禁書処分が実施されたり、あるいは論争・自粛の原因になっている。
<!--各事件の年号・出典を求めます-->
* マサチューセッツ州コンコード図書館で、発行直後に禁書処分になった。
* [[ブルックリン区|ブルックリン]]公共図書館などで、少年向けのジャンルから取り除かれた。
* 人種差別を理由に、各地の学校の推薦書籍のリストから取り除かれた(たとえば[[ワシントン・ポスト]]紙によれば、[[1995年]]の3月には[[ワシントンD.C.]]のナショナル・カテドラル・スクールの英語クラスでの10年生の推薦書籍から、本書が取り除かれた。[[コネチカット州]][[ニューヘイブン (コネチカット州)|ニューヘイブン]]の ''Banned Books Online'' は、公立学校の授業からも同様に取り除かれたと報告している)。
* 現代では黒人に対する軽蔑的表現とされる「[[ニガー]]」という語200回以上の頻繁な使用していることから、本書全体に[[レイシズム|人種差別主義]]が含まれていると主張する団体の要請により、本書の圧倒的な反人種差別的プロットを支持する主張にもかかわらず、学校放送から取り除かれている。
* [[アメリカ図書館協会]]によると、本作は[[1990年代]]の「100 Most Frequently Challenged Books」ランキングの5位<ref>[http://www.ala.org/ala/issuesadvocacy/banned/frequentlychallenged/challengedbydecade/1990_1999/index.cfm 100 most frequently challenged books: 1990–1999]</ref>、[[2000年代]]の「Top 100 Banned/Challenged Books」の14位<ref>[http://www.ala.org/ala/issuesadvocacy/banned/frequentlychallenged/challengedbydecade/2000_2009/index.cfm Top 100 Banned/Challenged Books: 2000-2009]</ref>である<ref>アメリカ図書館協会では、'''''challenge'''''は「特定の書籍を[[カリキュラム]]や[[図書館]]から(誰も閲覧できなくなるように)取り除こうとする運動」、'''''banning''''' は「実際の禁書処分」としており、前者が後者にまで至るケースは稀ながら、どちらも[[言論の自由]]と選択の自由を脅かすものと捉えている[http://www.ala.org/ala/issuesadvocacy/banned/index.cfm]。</ref>。
* 2011年現在のアメリカでは、オリジナル版に忠実なヴァージョンと、差別用語などを削除あるいは別の用語に置き換えたヴァージョンの両方が出版されている<ref>タイトルを見ただけでは区別しにくいが、副題や書評に「classic」「unabridged」「uncut」「unedited」などと書いてあればオリジナル版で、そうでないものは「censored」「retold/retelling」などとされているか、あるいは改稿担当者の名前が併記されている。</ref>。
* 1955年、[[CBS|CBS放送]]が本作に基づくテレビ向け映画を製作した際、論争回避のため、[[奴隷制]]に一切言及せず、ジム役を黒人以外の俳優に演じさせた<ref>[http://205.188.238.181/time/specials/packages/article/0,28804,1842832_1842838_1844945,00.html TIME Magazine - Removing the ''N'' Word from Huck Finn: Top 10 Censored Books](2011年1月7日付)</ref>。
 
=== 研究書籍 ===
* アメリカ文学者[[亀井俊介]]が研究書を[[中公新書]]や[[南雲堂]]ほかで数冊刊行している。
 
== 脚注 ==