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'''金盾'''(きんじゅん 中国語:金盾工程 拼音:jīndùn gōngchéng)とは、[[中華人民共和国]]において実施されている情報化された[[検閲]]システムである。ただし、[[香港]]と[[マカオ]](澳門)の両[[特別行政区]]については、[[中国本土]]とは法体系が異なり、なおかつ高度な[[自治権]]によって、[[通信の自由]]が保証されているため、この検閲システムは適用されない。
 
[[全体主義]]の危険性を訴えた[[ジョージ・オーウェル]]の[[SF小説]]『[[1984年 (小説)|1984年]]』に登場する監視システム「'''[[テレスクリーン]]'''」になぞらえられたり、「'''赤い[[エシュロン]]'''」「'''サイバー長城'''」「'''ジュンジュドゥンプロジェクト'''」の呼び名も存在する。
 
中国国内のインターネット利用者に対して、[[中国共産党]]にとって都合の悪い情報にアクセスできないように[[フィルタリング (有害サイトアクセス制限)|フィルタリング]]する金盾の[[ファイアーウォール]]機能は、"[[:en:Great Wall|Great Wall]]" ([[万里の長城]])をもじって '''[[:en:Golden Shield Project|Great Firewall]]'''('''グレート・ファイアウォール''')と呼ばれている<ref>2002年5月に Charles R. Smith が著した記事、『The Great Firewall of China』が初出とされる。[http://archive.newsmax.com/archives/articles/2002/5/17/25858.shtml Great Firewall of China]</ref>。
 
== 経緯と仕組み ==
[[1993年]]に中国政府は金融などの情報化・電子政府化に向けて「'''金字工程'''」と称する国家戦略を立てた。これは別名を「12金工程」といい、'''金{{JIS2004フォント|卡}}'''([[電子貨幣]])をはじめ、'''金橋'''(公用経済情報)、'''金関'''(対外貿易)、'''金財'''(財政管理)、'''金農'''(農業情報)、'''金税'''(税収)、'''金水'''(水利情報)、'''金質'''(質量監督)など12の分野にわたって「金」の字がつく情報化計画が立案されていた。公安の情報化を目指す「'''金盾'''」もこの一つで、当初は金融分野の情報化が優先されたため、国家公安部が金盾計画を決定したのは[[1998年]][[9月22日]]、国務院が計画を批准したのは[[2001年]][[4月25日]]であった。システム設計の第一期は[[1999年]]から始まっており、予定では[[2008年]]の第三期完了で完成することになっていた<ref>遠藤誉『中国動漫新人類』p236-240、日経BP出版センター 2008年 ISBN 978-4-8222-4627-3</ref>。
 
[[2003年]]9月には有害サイトブロック、人口のほとんどの個人情報の管理、個人のアクセス情報の監視などにおいて成功を収めており<ref>[http://www.qian-ming.org/gb/viewarticle_gb.aspx?vID=2575 {{lang|zh|金盾工程数据库包括12亿多中国人的信息}}]</ref>、同年暮れには稼働した。計画では出入国管理、指紋データバンク、[[パターン認識]]([[音声認識]]・映像・[[顔認識システム]]など)、電子メールや電話の傍受、身分証明カード、光ファイバー網などを完成させ、国民や在中外国人の監視および情報収集の総合的なシステム構築を目指している。一方で[[2008年]]の完成予定には遅れが見られる。