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1946年、[[鶴見俊輔]]、[[丸山眞男]]、[[都留重人]]、[[武谷三男]]、[[武田清子]]、[[渡辺慧]]、[[鶴見和子]]の7人の同人が[[先駆社]]を創立し『思想の科学』を創刊した。
 
鶴見俊輔は、丸山ら5人について、「その人たちは、この戦争反対する立場を持っているということだけで精一杯で非常に孤独を感じているから、大変に心を開いて彼女(鶴見和子)と付き合ってくれたわけだ。それが『思想の科学』のオリジンだね」と語っている。<ref> ETV特集 平成21年4月放送「鶴見俊輔~戦後日本 人民の記憶~」より</ref>
 
 
出版社はその後[[建民社]]、[[講談社]]、[[中央公論新社|中央公論社]]と変った。
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1996年3月に刊行された5月号をもって通算536号で休刊した。
 
== 太平洋戦争が起こった原因について ==
 
思想の科学の活動目的は、「第一に敗戦の意味をよく考え、そこから今後も教えを受け取る」ことである。そこで鶴見は、最初の論文として、「大衆は何故、太平洋戦争へと突き進んでいったのか?」を問い始める。その理由の一つとして、「言葉による扇動<ref>社会や集団のなかで一部の少数の者が大多数のものに対して巧みな演説や論説などを駆使することによって群集心理を操作し、大多数の者を自分たちにとって都合のよい状態に置き換えるという行為</ref>である」と考えた。以下論文より
 
『言葉のお守り的使用法とは、擬似主張的使用法の一種であり、意味がよくわからずに言葉を使う習慣の一つである。軍隊、学校、公共団体に於ける訓示や挨拶の中には必ず之(これ)らの言葉が入っている<ref>思想の科学」創刊号「言葉のお守り的使用法について」(1946年5月)より</ref>。』つまり
 
『[[鬼畜米英]]』
『[[八紘一宇]]』
『[[国体]]』
 
などが「お守り言葉」にあたる。政府はこの言葉を巧みに使って政策を正当化し、戦争の実相を伝えなかった、と論文にはある。更に、
 
『大量のキャッチフレーズが国民に向かって繰り出され、こうして戦争に対する「熱狂的献身」と米英に対する「熱狂的憎悪」とが醸し出され、異常な行動形態に国民を導いた<ref>思想の科学」創刊号「言葉のお守り的使用法について」(1946年5月)より</ref>。』
 
== 刊行の歴史 ==
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[[Category:日本の哲学]]
[[Category:日本の社会科学]]
== 脚注 ==
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