「イギリス陸軍」の版間の差分

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=== 呼称 ===
イギリス陸軍には、海軍・空軍とは異なりその名称に“Royal”すなわち王立の文字がつかないが、陸軍に関しては飽くまでも“British”を冠するものが正式名称である。これは、海軍・空軍が国王大権に基づく単一かつ国王(女王)に所属する軍隊であるのに対して、陸軍が議会の許可に基づいて編成され、かつ各連隊も国王以外のカーネル・イン・チーフ(Colonel-in-Chief)が存在することによるものである。もちろんこれはイギリスによく見受けられる時代がかった建前であって、実際には海軍・陸軍・空軍のいずれも厳格な[[文民統制]]の下にあるイギリスという“国家の軍隊”である。
 
またイギリスにおいては、[[名誉革命]]後に[[権利の章典]]が成立して以来、議会の許可なく平時における常備陸軍(peace-time standing army)を編成することが禁止されており(権利の章典の成立以前も常備陸軍を編成することは一種のタブーではあったが、明文化されたものではなかった<ref>辻本 諭「イングランドにおける常備軍の成立 <span style="font-size:90%;">-ウィリアム三世期の常備軍論争-</span>」([[青木書店]]『[http://rekiken.jp/ 歴史学研究]』2006年10月号 No.819 p1~p22)</ref>)、現在においても一定期間ごとに“臨時に”陸軍を編成する許可を議会が可決する必要がある。ただしこれは、現代においては建前とすら言いがたいほどに形骸化しており、実態としてはイギリス陸軍は平時においても[[常備軍]]である。