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=== 『字彙』による部首分類 ===
現在の主流である、[[画数]]順に214部首を並べる形は、[[明]]の[[万暦]]43年([[1615年]])、[[梅膺祚]]によって編纂された『[[字彙]]』によって初めて行われた。『字彙』は部首の配列順及びその部首に属する漢字の配列順をすべて画数順とした画期的な字書である。それ以前の字書に多く見られた所属文字の極めて少ない部首を大胆に統合したこともあって、本書の出現によって字書による漢字の検索は以前に比べて極めて容易になった。
 
象形文字は本来部首になるべきものであるが、その象形文字を意符として作られた漢字が存在しない場合や極めて少数である場合には、部首を立てても検索をいたずらに困難にするだけである。そのため、象形文字は、「甲」「申」「由」がいずれも「田部」に属するように、字義と無関係な部首に属する場合が多い。また、部首の中には「亠部」のように、字源ではなく字形によって分類することによって検索に役立つことだけを目的に立てられたものも一部含まれている。
 
『字彙』による所属文字の少ない部首の統合の実例を挙げる。『説文解字』では「男部」に「男、甥、舅」の3字が属するが、『字彙』では「男部」は廃止され、「男」は「田部」に、「甥」は「生部」に、「舅」は「臼部」に移っている。「甥」も「舅」も形声文字であり「生」「臼」はその音符、「男」は意符にあたる。形声文字の部首は、その意符の部分とする、という原則よりも、所属文字わずか3字の「男部」を廃止し、結果として検索をより容易にしている。
 
『説文解字』では象形文字は本来部首になるべきものであるが、その象形文字を意符として作られた漢字が存在しない場合や極めて少数である場合には、部首を立てても検索をいたずらに困難にするだけである。そのため、『字彙』では象形文字は、「甲」「申」「由」がいずれも「田部」に属するように、字義と無関係な部首に属す移してい場合ものが多い。また、『字彙』の部首の中には「亠部」のように、字源ではなく字形によって分類することによって検索に役立つことだけを目的に立てられたものも一部含まれている。
このように、『説文解字』の部首が漢字を意味により分類し体系づけることを目的としているのに対し、『字彙』の部首は漢字を検索するための形態による分類の道具、という面が強い。しかし、全体的には意味によって漢字を分類するという要素も残している。
 
以上のように、『説文解字』の部首が漢字を意味により分類し体系づけることを目的としているのに対し、『字彙』の部首は漢字を検索するための形態による分類の道具、という面が強い。しかし、全体的には意味によって漢字を分類するという要素も残している。
 
=== 『康熙字典』による部首分類 ===