「厳羽」の版間の差分

'''厳羽'''（げん・う、生没年未詳）は、[[宋時 (王朝)|宋]]代・の[[中国]]の詩人。[[字]]は儀卿、または丹邱。滄浪逋客と[[号 (称号)|号]]する。

邵武（現在は[[福建省]][[邵武市]]）の出身。早くから学問に志し、隣の[[光沢県]]で教授していた包恢の門下となる。同郷の[[:zh:嚴仁|厳仁]]、[[:zh:嚴參|厳参]]とともに詩賦をもって知られ「三厳」と称せられる<ref>{{Cite book|和書|author=池内宏、他監修|year=1992|title=縮刷版　東洋歴史大辞典・下巻|publisher=臨川書店|pages=P.466}}</ref>が、今は厳羽の詩集『滄浪集』だけが残っている。[[南宋]]が滅亡した後は隠居してどこにも出仕せず、各地を放浪したという。厳羽の事ことは『[[宋史]]』には記載がなく、『福建通志』にはある。

詩論として『[[:zh:滄浪詩話|滄浪詩話]]』1巻があり、詩の評論として重んぜられる。全体は詩弁・詩体・詩法・詩評・詩證の五門に分かれ、[[漢]]・[[魏]]から[[盛唐]]の時代にいた至るまでの詩、[[中唐]]の詩、[[晩唐]]の詩と三分し、盛唐の詩を最も高く評価した<ref>{{Cite book|和書|author=池内宏、他監修|year=1992|title=縮刷版　東洋歴史大辞典・下巻|publisher=臨川書店|pages=P.467}}</ref>。末尾には呉景僊の『論詩書』の梗概を記している。