「清濁」の版間の差分
削除された内容 追加された内容
m ボット: 言語間リンク 1 件をウィキデータ上の d:q11273857 に転記 |
概要を分ける。現代中国語との関係は簡潔化 |
||
1行目:
{{音韻学}}
'''清濁'''（せいだく）とは、伝統的な中国[[音韻学]]上、
*全清 - [[無気音|無気]][[無声音]]▼
*全濁 - [[有声音]]のうち[[破裂音]]・[[摩擦音]]・[[破擦音]]▼
*次濁 - [[有声音]]のうち[[鼻音]]・[[流音]]など、基本的に対立する無声音がないもの。'''清濁'''・'''不清不濁'''といわれることもある。▼
==概要==
▲主として[[中古音]]の[[五音]][[三十六字母]]の体系において用いられる。また[[日本語]]の[[仮名 (文字)|仮名]]や[[朝鮮語]]の[[ハングル]]の分類にも用いられることがあった。
中国の伝統的な音韻学では、[[五音]]を等しくする声母は、以下の4つに分類される。
*全清 - [[無声音|無声]][[無気音]]。『[[韻鏡]]』では単に'''清'''という。
▲*全濁 - [[有声音]]のうち[[破裂音]]・[[摩擦音]]・[[破擦音]]。『韻鏡』では単に'''濁'''という。
この方法では無声摩擦音の {{ipa|s}} が全清なのか次清なのかわからない。また {{ipa|dz}} と {{ipa|z}} がどちらも全濁になってしまい、区別がつかない。それらの処理は文献によって異なる。『四声等子』は {{ipa|z}} を「半清半濁」と呼んでいる。『[[古今韻会挙要]]』は {{ipa|s}} を「次清次音」、{{ipa|z}} を「次濁次音」という名で区別する。
==中古音と現代中国語の清濁と声調の関係について==▼
現代中国語（[[普通話]]）では、[[中古音]]にあった無声音（清音）と有声音（全濁）の対立はなくなり、全濁は無声音化した。▼
▲==中古音と現代中国語の清濁と声調の関係について==
* 全濁声母は平声では無声有気音に、それ以外では原則として無声無気音になった。
* 平声では声調の違いによって清音が陰平（第一声）に、濁音が陽平（第二声）に移動したために、区別が保たれている。
* 全濁上声だったものは、去声（第四声）に流入した。
* もと入声だったものは、原則として全濁は第二声に、次濁は第四声に流入した。
全濁上声が去声になったため、「上声」の「上」の字が去声（{{unicode|shàng}}）になってしまったが、例外として「上声」のときだけ上声で呼ぶ（{{unicode|shǎng}}）。
== 参照 ==
| |||