「バター」の版間の差分

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| image = [[ファイル:NCI butter.jpg|200px|バターとバターナイフ]]
| water =15.87 g| kJ =2999| protein =0.85 g| fat =81.11 g| carbs =0.06 g| fiber =0 g| sugars =0.06 g| calcium_mg =24| iron_mg =0.02| magnesium_mg =2| phosphorus_mg =24| potassium_mg =24| sodium_mg =714| zinc_mg =0.09| manganese_mg =0| selenium_μg =1| vitC_mg =0| thiamin_mg =0.005| riboflavin_mg =0.034| niacin_mg =0.042| pantothenic_mg =0.11| vitB6_mg=0.003| folate_ug =3| choline_mg =18.8| vitB12_ug =0.17| vitA_ug =684| betacarotene_ug =158| lutein_ug =0| vitE_mg =2.32| vitD_iu =60| vitK_ug =7| satfat =51.368 g| monofat =21.021 g| polyfat =3.043 g| transfat =3.278 g| opt2n = [[コレステロール]]| opt2v = 215 mg| omega3fat =0.315 g| omega6fat =2.166 g| right=1 | source_usda=1 }}
 
{| class="wikitable" style="float:right;width:17.4%; clear:right"
 
|+ バター(100g中)の主な[[脂肪酸]]の種類<ref>[http://ndb.nal.usda.gov/ USDA National Nutrient Database]</ref>
|-
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[[日本]]では近年、低脂肪乳が好まれるようになり、副産物の乳脂肪は生産過剰気味と言われていたが、2007年末からしばらくの間、[[乳牛]]の生産調整などの悪条件が重なり、バター不足が発生した。詳細については[[#バター不足|バター不足]]を参照のこと。
 
== 歴史 ==
[[ファイル:Maslnice MRK Suszec.jpg|thumb|left|200px|かつてのヨーロッパでバター製造に使われた桶。中にクリームを入れ、中央の棒を上下させて攪拌する]]
 
『[[聖書]]』や『[[マハーバーラタ]]』(乳脂として)にも記述が存在するのでその時代には存在していたとされるが、容器に入れた[[生乳]]が偶然揺れただけでもバターは出来る為、起源は不明。少なくとも[[メソポタミア文明]]の時代には存在していた。バターが作られだした当初は[[皮]]製の[[袋]]に生乳を入れて[[木]]に吊るし、それを棒で打って揺すって作っていたと見られる。バターは[[古代ギリシア]]時代に[[スキタイ]]から[[西洋]]に渡ったようだが、[[野蛮人]]の食べ物と見られた事、[[オリーブオイル]]が普及していた事、[[チーズ]]と違い[[保存性]]が無い事などから、西洋では髪や体に塗る[[薬]]、[[化粧品]]、[[潤滑油]]として、ごく一部で使われていた。
 
その後、次第に[[食用]]としてのバターは普及し始めたが、やはり野蛮人の食べ物と言う見方は変わらず、貧しい者の食べ物とみなされていた。9世紀頃にフランスで本格的に食用として利用されだすと、ようやく貴族もバターを食べ始めたが、現在でもヨーロッパではオリーブオイルが主流の地域とバターが主流の地域がはっきりと分かれている。基本的に、バターを保存しやすい寒冷な土地でバターが普及していると見てもいい。それ故、[[スカンジナビア]]では少なくとも[[12世紀]]頃にバターの輸出が始まった。[[16世紀]]に[[四旬節]]の期間中にバターを食べてもいい事になり、これがきっかけで貴族がバターを食べる事が更に一般的になった。
 
[[ファイル:ButterLamps.jpg|thumb|left|チベット仏教で用いられるバターランプ]]
 
また、バターは[[ランプ (照明器具)|ランプ]]の油の代用ともされた。[[ルーアン]]大聖堂([[:fr:Cathédrale Notre-Dame de Rouen|fr]])の『バターの塔』は16世紀の四旬節に実際にランプの油にバターを使っていた事からこう名付けられたとされる<ref>Soyer, Alexis (1977) [1853]. The Pantropheon or a History of Food and its Preparation in Ancient Times. Wisbech, Cambs.: Paddington Press. p. 172. ISBN 0-448-22976-5.</ref>。また[[チベット仏教]]の寺院では、蝋燭ではなくバターランプが使われる<ref>[http://www.jica.go.jp/information/disaster_msg/bhu.html 国王陛下主催のバターランプ点火式から小学生のマーチまで ―ブータンの人びとも被災者を応援―]</ref>。
 
日本では江戸時代に[[徳川吉宗]]が、明治時代には[[エドウィン・ダン]]が日本でバターを試作している。江戸時代にはごくわずかではあるが生産されており、[[オランダ語]]に由来する「ぼうとろ」、あるいは「白牛酪」という名称で呼ばれ、購入者は削って食べたり、湯に溶かして飲んだ<ref>歴史の謎を探る会・編『江戸の食卓』61頁・河出書房新社。</ref>。本格的にバターが[[日本]]に広まったのは[[明治維新]]の後、[[明治政府]]が外国人相手に[[乳製品]]を供給する為、[[酪農]]の普及を指示してからである。{{要出典範囲|date=2010年12月|ただ、初期の明治の一般庶民の多くはバターを生理的に受け付けられず、甚だしくは香りを嗅いだだけで吐く者も多かった。}}
 
[[19世紀]]末、戦争の混乱でバターの価格が高騰し、[[ナポレオン3世]]の命令で、バターの安価な代用品として作られたのが[[マーガリン]]である。
 
== 種類 ==
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* 手作りの場合
<gallery>
{{Gallery
|ファイル:Butter-making 1.jpg|動物性の生クリームなどを瓶にいれ、暫く振ると、脂肪が分離する
|ファイル:Butter-making 2.jpg|分離した脂肪がくっつきだし、振ったときの感触が変わる
|ファイル:Hand-made butter.jpg|練って水分を抜いた後、好みで塩を入れて完成した手作りバター
</gallery>
}}
 
* 乳脂肪分を細かくしてコロイド状に分離を防ぐための均質化([[:en:Homogenization|Homogenization]])の工程を経ている牛乳についてはクリームを分離することができない。日本で市販されている牛乳については「ノンホモ(ジナイズド)」等の表示がない限り均質化を受けており、牛乳から作ることは困難である。
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なお家庭でも上記の方法で市販の動物性[[生クリーム]]から作ることは可能だが、市販品に比べて割高となる。
 
== 保存法 ==
10℃以下での保存が望ましいとされる。冷凍庫に入れておくと長持ちする。レストランなどではバターディッシュやバタークーラーなどの容器に入れてテーブルに供されることもある。
 
 
== 歴史 ==
 
[[ファイル:Maslnice MRK Suszec.jpg|thumb|left280px|200pxright|かつてのヨーロッパでバター製造に使われた桶。中にクリームを入れ、中央の棒を上下させて攪拌する]]
 
『[[聖書]]』や『[[マハーバーラタ]]』(乳脂として)にも記述が存在するのでその時代には存在していたとされるが、容器に入れた[[生乳]]が偶然揺れただけでもバターは出来る為、起源は不明。少なくとも[[メソポタミア文明]]の時代には存在していた。バターが作られだした当初は[[皮]]製の[[袋]]に生乳を入れて[[木]]に吊るし、それを棒で打って揺すって作っていたと見られる。バターは[[古代ギリシア]]時代に[[スキタイ]]から[[西洋]]に渡ったようだが、[[野蛮人]]の食べ物と見られた事、[[オリーブオイル]]が普及していた事、[[チーズ]]と違い[[保存性]]が無い事などから、西洋では髪や体に塗る[[薬]]、[[化粧品]]、[[潤滑油]]として、ごく一部で使われていた。
 
その後、次第に[[食用]]としてのバターは普及し始めたが、やはり野蛮人の食べ物と言う見方は変わらず、貧しい者の食べ物とみなされていた。9世紀頃にフランスで本格的に食用として利用されだすと、ようやく貴族もバターを食べ始めたが、現在でもヨーロッパではオリーブオイルが主流の地域とバターが主流の地域がはっきりと分かれている。基本的に、バターを保存しやすい寒冷な土地でバターが普及していると見てもいい。それ故、[[スカンジナビア]]では少なくとも[[12世紀]]頃にバターの輸出が始まった。[[16世紀]]に[[四旬節]]の期間中にバターを食べてもいい事になり、これがきっかけで貴族がバターを食べる事が更に一般的になった。
 
 
 
また、バターは[[ランプ (照明器具)|ランプ]]の油の代用ともされた。[[ルーアン]]大聖堂([[:fr:Cathédrale Notre-Dame de Rouen|fr]])の『バターの塔』は16世紀の四旬節に実際にランプの油にバターを使っていた事からこう名付けられたとされる<ref>Soyer, Alexis (1977) [1853]. The Pantropheon or a History of Food and its Preparation in Ancient Times. Wisbech, Cambs.: Paddington Press. p. 172. ISBN 0-448-22976-5.</ref>。また[[チベット仏教]]の寺院では、蝋燭ではなくバターランプが使われる<ref>[http://www.jica.go.jp/information/disaster_msg/bhu.html 国王陛下主催のバターランプ点火式から小学生のマーチまで ―ブータンの人びとも被災者を応援―]</ref>。
 
日本では江戸時代に[[徳川吉宗]]が、明治時代には[[エドウィン・ダン]]が日本でバターを試作している。江戸時代にはごくわずかではあるが生産されており、[[オランダ語]]に由来する「ぼうとろ」、あるいは「白牛酪」という名称で呼ばれ、購入者は削って食べたり、湯に溶かして飲んだ<ref>歴史の謎を探る会・編『江戸の食卓』61頁・河出書房新社。</ref>。本格的にバターが[[日本]]に広まったのは[[明治維新]]の後、[[明治政府]]が外国人相手に[[乳製品]]を供給する為、[[酪農]]の普及を指示してからである。{{要出典範囲|date=2010年12月|ただ、初期の明治の一般庶民の多くはバターを生理的に受け付けられず、甚だしくは香りを嗅いだだけで吐く者も多かった。}}
 
[[19世紀]]末、戦争の混乱でバターの価格が高騰し、[[ナポレオン3世]]の命令で、バターの安価な代用品として作られたのが[[マーガリン]]である。
 
== 用途 ==
[[ファイル:ButterLamps.jpg|thumb|left280px|right|チベット仏教で用いられるバターランプ]]
[[調味料]]のほか、パンなどの[[スプレッド]]、[[ソース (調味料)|ソース]]の材料、[[ソテー]]の焼き油や炒め油など、幅広く使われる。食塩不使用バターは[[洋菓子]]によく使われる。[[トースト]]や[[ホットケーキ]]などに使うのも有塩のものが多いが、塩分を控えている人などや、海外の例では食塩不使用のものを使う場合もある。バターに砂糖、ときには卵白も含めて練り合わせ、空気を入れて撹拌させてクリーム状にしたものは'''バタークリーム'''(Buttercream)と呼ばれ、ケーキのアイシング(糖衣)や詰め物に使われる<ref>「バター‐クリーム」『[[大辞泉]]』[[小学館]]。</ref><ref>「bútter・crèam」『ランダムハウス英語大辞典』</ref><ref>「バタークリーム」『[[イミダス|情報・知識事典imidas]]』集英社。</ref>。
 
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また既述の通り、歴史的にはランプの燃料として使用された例もある。
 
== 保存法 ==
10℃以下での保存が望ましいとされる。冷凍庫に入れておくと長持ちする。レストランなどではバターディッシュやバタークーラーなどの容器に入れてテーブルに供されることもある。
 
== 代用バター ==