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エボラ出血熱流行への対応策として、WHOのリーダーシップのもとで、米国や欧州連合、東アジアの国々が初回時5000万ドルから1億ドル程度の基金を創設するべきとサックスは述べる。またドナー国は経済的小国への援助になるように速やかにGFATMへの支出を拡大し、貧しい国のスラムや小規模コミュニティーにおいても基礎的な医療システムを確立できるようにする。これは[[ユニバーサルヘルスケア|UHC]]として知られるコンセプトである。サハラ以南や南アジアの国々においては、地域公衆衛生改善のための組織をつくり、疾患の病態や統計調査、診断と治療などに従事する者を養成する。年間50億ドル程度のコストで、新興感染症に精通した公衆衛生従事者を全てのアフリカの国のコミュニティーに配置することは可能である<ref name=sachs2014aug17E />。経済大国は関連する基礎研究や国際疾病統計へ十分な投資するべきであり、人々の生命に関わる事態への投資を緊縮財政によって躊躇するのは無謀であるとサックスは述べる<ref name=sachs2014aug17E />。
 
2014年8月8日、WHOは、感染が確認されているギニア、リベリア、ナイジェリア、シエラレオネ各国に非常事態を宣言するべきだと勧告する一方で、国際的な渡航・貿易は全面禁止にすべきではないとしている<ref>[http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0G80NA20140808 WHOがエボラ熱で「緊急事態」宣言、感染阻止へ国際協調訴え]Reuters 2014年8月8日</ref>。
 
2014年9月2日、国連食糧農業機関(FAO)の報告書によると、西アフリカでのエボラ出血熱の感染拡大によって貿易に支障が出ており、食料価格が上昇していることが明らかとなった<ref name="bloomberg201493">[http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NBAS156K50XW01.html エボラ熱感染拡大、西アフリカの食料供給脅かす-移動制限で]Bloomberg 2014年9月3日</ref>。FAOは、感染拡大防止策として移動制限が課され隔離地域が設定されているため、食料の輸送・販売が抑制され、一部の農産物の「大幅」な値上がりにつながっているとしている<ref name="bloomberg201493" />。FAOのアフリカ地域代表である[[ブカール・ティジャニ]]は「物品の売買・移動が厳しく制限されているため、数週間から数カ月以内に食料不足が深刻化すると予想される」と指摘している<ref name="bloomberg201493" />。
 
===賃金格差増大===