「メコンデルタ」の版間の差分

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また、地理学においては、[[カンボジア]]東南部をふくめた[[メコン川]]下流の[[三角州]]を指す。
 
== 概説行政区分 ==
メコンデルタには、[[中央直轄市]]の[[カントー]]と、12の省が属している。
 
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== 地理 ==
面積はおよそ3万9000平方キロメートル。領域は[[メコン川]]とその[[支流]]、またそれを結ぶ網の目のような水路を中心として広がっている。19世紀のフランス植民地時代に水田面積が一気に広がり、今日では輸出米の殆どがこのデルタ地帯で生産される。作付面積の拡大のため、水路の整備や栽培技術の進歩に力が注がれている。
 
メコンデルタでも、河川が氾濫して土砂を堆積させる[[自然堤防]]が、[[カントー]]や[[ヴィンロン]]あたりまでに形成され、よく発達している。堤防上では集約的な農業が営まれている。この自然堤防と山塊にはさまれた地形として、[[チャウドック]]や[[ロンスエン]]の低地があげられ、雨季に広い範囲で洪水の被害が起こる<ref>柳沢雅之「大和平野、水と土」/ 今井昭夫・岩井美佐紀編著『現代ベトナムを知るための60章』明石書店 2004年 75ページ</ref>。
 
== 経済・産業歴史 ==
この地域は17世紀ごろまでは[[クメール]]人や[[チャム]]人の土地であった。[[南進|ベトナムの[[南進]]により、1700年ごろまでにティエンザン[[ミトー]][[ンザン省|ハーティエン]][[ヴィンロン]]などの都市部がベトナムの領域に加わり、その後カンボジアをめぐるシャムとの戦争や、[[西山朝]]と[[広南阮氏]]復興勢力との戦いなどを経て、次第に全域がベトナムの主要民族である[[キン族]]の支配する領域となっていった。19世紀初頭には[[阮朝]]がほぼ現在の国境線に近い領域を版図とした。
この地域は肥沃な農地と水利に恵まれており、[[稲作]]が主要産業である。またそれに伴う[[ライスペーパー]]や[[ライスヌードル]]などの米製品の生産も盛んである。田と用水路の間の土地などを利用した果物や[[ハス]]などの栽培、[[ホテイアオイ]]などの水草を餌として利用する豚の飼育も盛んである。
 
[[ベトナム戦争]]においては、メコン川の細かな支流に広がるジャングルや、カンボジア国境に多い小高い山に拠点を置いた[[南ベトナム解放民族戦線]](''NLF'')と[[アメリカ軍]]との戦闘が繰り広げられた。
電力が慢性的に不足しており、都市部でも停電がしばしば起こるために工業はあまり盛んではない。
 
== 歴史経済・産業 ==
この地域は肥沃な農地と水利に恵まれており、[[稲作農業]]が主要産業である。また[[稲作]]と、それに伴う[[ライスペーパー]]や[[ライスヌードル米粉麺]]などの米製品の生産も盛んである。田と用水路の間の土地などを利用した果物や[[ハス]]などの栽培、[[ホテイアオイ]]などの水草を餌として利用する豚の飼育、水路を利用した[[アヒル]]や川魚の養殖盛んであ行われる。
この地域は17世紀ごろまでは[[クメール]]人や[[チャム]]人の土地であった。ベトナムの[[南進]]により、1700年ごろまでにティエンザン、キンザン、ヴィンロンなどの都市部がベトナムの領域に加わり、その後カンボジアをめぐるシャムとの戦争や、[[西山朝]]と[[広南阮氏]]復興勢力との戦いなどを経て、次第に全域がベトナムの主要民族である[[キン族]]の支配する領域となっていった。19世紀初頭には[[阮朝]]がほぼ現在の国境線に近い領域を版図とした。
 
電力が慢性的に不足しており、都市部でも停電がしばしば起こるために工業はあまり盛んではない。
[[ベトナム戦争]]においては、メコン川の細かな支流に広がるジャングルや、カンボジア国境に多い小高い山に拠点を置いた[[南ベトナム解放民族戦線]](''NLF'')と[[アメリカ海軍]]との戦闘が繰り広げられた。
 
== 交通・運輸 ==
鉄道は敷設されておらず、移動の中心はバスである。かつては大量輸送に耐えるの数も少なく、バスや自動車トラックであっても大型の[[し舟船]]に乗って渡河する場所が多かっしていたが、21世紀に入り[[カントー橋]]や[[ラックミエウ橋]]などが整備されて夜間の交通が安全に行われるようになった。
 
しかし今日においても、道路の不整備などから船舶を使用した河川運輸や渡船の営業が広く行われており、砂利などの資材や、米などの農産物の大規模輸送のほか、生活必需品や生鮮食品を乗せた船による[[水上市場]]が残る地域も多く、地元民の生活だけでなく観光客の目も潤わせている。
 
== 観光 ==
豊かな自然、果樹園、水上市場、メコン川のクルーズなどが人気であり、[[ホーチミン市]]などから、前江(メコン川西の東)であれば日帰り、後江(メコン川西流)であれば1泊以上のツアーが多く組まれている。
 
== 脚注 ==