削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
タグ: サイズの大幅な増減
編集の要約なし
8行目:
自給自足生活を送るには、恵み豊かな自然([[山]]、[[野]]、[[海]])などが周囲にある場合のほうが圧倒的に有利である。
 
現代では、自給自足度を高めてゆくと、「貨幣」というもので計れない形で、実質的な生活が豊かになってゆく。貨幣の数字には現れないかたちで、実質を豊かにできるのである。例えばお金を全然使わずに、毎日のように美味しい水を飲み、美味しい野菜、穀類、卵、乳などを食し、快適に風呂に入り、快適に眠る、という健康的な生活を送ることも可能である。貨幣をほとんど使わないので、現金収入を得る必要もなく、現金収入を得るために雇用され雇用主との人間関係に悩む必要もなく、また、またせっかく働いた分の大部分を政府や税務署によって(直接的課税、あるいは企業等への課税が間接的に消費者に振り向けられる税負担によって)[[搾取]]されてしまうことる割合もかなり減る。
 
;完全自給自足
24行目:
===食===
*[[水]] - 近くに川、泉などがあればその水を用いる。山間部などに住むと、しばしば山肌などから豊富に水が湧き出している場所がある。山あいの土地の傾斜地などでは、一年の大半、大量の水がまるで滝のように勢いよく流れている場所もある。あらかじめ調べて、水量が豊富な場所を居住地として選んでおけば、使いきれないほど水がタダで手に入ることになる。水道代がかからない。もしも衛生の点で若干不安がある場合は、沸かしてから飲めば大丈夫である。(定住生活では)[[井戸]]を掘るという方法もある。
*食料 - 食料を自給するということは例えば次のようなことになる。
*家の近くに野・山があれば、そこで食べられる植物を手にいれる。川、海などで魚や海藻などを採取する。また家の周囲などに[[畑]]をつくり、[[穀物]]や[[野菜]]、[[果物]]を育てる。野菜などはできるだけ「種あり」の種類を選び育て、収穫したら種子はしっかり保存し、紙袋・封筒などに入れて乾燥した状態で保存し、翌年以降のその種を撒いて育てる。こうすることで「種子」も購入しなくて済むようになる。
**野生の植物を採る。家の近くに野・山があればそこで、食べられる植物を手にいれる。[[実]]・[[葉]]・[[茎]]・[[根]]など、特定の部分が食べられるものや、全体的に食べられるものなど、植物の種類ごとにさまざまである。田舎の年配者など半自給自足生活の経験のある人は何が食べられるか知っている人も多く、尋ねれば教えてくれる。自力で調べる方法もある。[[きのこ]](茸類)はとても美味しいものがたくさん自生しており魅力的だが、ただ毒キノコには十分に注意する必要があり、きのこ採集経験豊富な人に師になってもらい、(欲張らず)1~2種類づつ、安全なものと、似ているが安全でないニセモノ(モドキ)を見分ける方法を教えてもらい、さらに自分が実際に見分けられる状態になったか師匠に繰り返し確認してもらい、確実に見分けられるようになったものだけを採る。
**川、海などで魚や海藻などを採取する。いわゆる「漁」をする、ということである。
**家の近くに野・山があれば、そこで食べられる植物を手にいれる。川、海などで魚や海藻などを採取する。また家の周囲などに[[畑]]をつくり、[[穀物]]や[[野菜]]、[[果物]]を育てる。野菜などはできるだけ「種あり」の種類を選び育て、収穫したら調理時などに種子はしっか保存紙袋・封筒などに入れて乾燥した状態で保存し、翌年以降その種を撒いて発芽させ育てる。こうすることで「種子」も購入しなくて済むようになる。
*[[鶏]](ニワトリ)を飼い、[[鶏卵|卵]]を産んでもらう。鶏を飼うことは現代でも世界中の農家や「田舎暮らし」で行われている、ごく普通のことである。新鮮で美味しい卵料理が食べられる。
*家畜([[ヤギ]]、[[牛]])などを飼うと、[[乳]]をとることができ、(売られているものよりもずっと)コクのある乳が飲める。野や山などの場所であれば、ヤギなどは、周囲にはえている草を餌として食べてくれ、つまり[[除草]]をしてくれ<ref>万田正治『ヤギ―取り入れ方と飼い方・乳肉毛皮の利用と除草の効果 (新特産シリーズ)』</ref>、一石二鳥や一石三鳥にもなる。
41 ⟶ 44行目:
===住===
* [[石]]などは、山であれば豊富にある場合がある。石を積み上げることで壁として家の形(の一部)を作ることもできる。山や林に十分に太い樹木があれば、それを切り倒し、樹皮を剥ぎ、梁や柱などとして用いることができる。
* 「完全自給自足」ではなく「<u></u>自給自足ということ十分だと割り切っていれば、[[ログハウス]]の材料となる材木がワンセットで販売されているので(「キット」などとして、北米などから輸入する形態や、日本の代理店を通す形態など)、材料だけはそれを購入して、あとの材木の加工、組み立てなどは自力を行う、ということも行われている。家を職人に建ててもらうのと比べてはるかに安く家ができる。
* 風呂 - 自作する手もある。あるいは風呂の自作は諦めてバスタブだけを(中古でも新品でも)手にいれる。できるだけ、[[薪]](たきぎ)で湯を沸かすことができるタイプのものにするとよい。水は自然の水をタダで入手する。山で樹木を切り、薪をつくり、その薪で湯をわかす。するとガス代も(あるいは夜間電気湯沸かしの代金も)かからない。つまり風呂の費用をタダで済ますことができる。そもそも風呂を薪でわかす、ということは昭和前半までは日本の大半の家庭で行っていたことである。
* 暖房 - 自然の樹木を用いた薪を使う。よくあるのは[[薪ストーブ]]などを使う方法である。あるいは韓国の[[オンドル]]風に[[床暖房]]のものを自作することもできる。
47 ⟶ 50行目:
===他===
*維持・運用に多大なお金を必要とする機器はなるべく所有しない。(特に[[自動車]]などは無しで済ませる)
*電気器具はできるだけ使わない。電気を使わなければ、電力会社から電気を買う必要もなく、電気の基本料金すらも払う必要がなくなる。どうしても少し電気を使いたい場合は、[[ソーラーパネル]]や[[小規模水力発電|小型水力発電機]]などを設置しておいて[[バッテリー]]に溜めておき、それを12Vのまま使ったり、[[DC]]-DC変換機(しばしば数百円程度)で電圧を変えて使ったり、[[DC-AC変換機]](許容するワット数に応じて数千円~2万円程度)で100V交流などに変換して使う。([[モンゴル]]の遊牧民や中国奥地の人々など、ソーラーパネルによって、送電網とは無関係に依存せずに、全く電気料金を払わずにテレビなどを見る人口が近年非常に増えた。)山あいの土地で、傾斜地を勢いよく水が流れている場所に小型水力発電機を設置すると、使いきれないほどの大量の電気をタダで得ることができる。
*足りない物資でも近隣の人々との[[物々交換]]などで手に入れられることは多い。
 
== 動物と人類 ==
[[生物]]はほとんどが基本的には自給自足で生きている。 [[人類]]においてもかつてはそれが当たり前であった。近代以降にそれが珍しくなってきたのは社会構造が変化し、流通が広域化し、分業が行われるようになっていることや、(以前は当たり前ではなかったのだが)「国家」という制度が、人類社会のほとんどに影響を及ぼすようになり、政府が強制的に人々から収穫物を取り上げるようになったり、貨幣制度が広まり「税」という名目で貨幣の形で政府にそれを差し出すように(政府が暴力を用いつつ)強制したことによって、人々の意思・気持ちにかかわらず、強引に貨幣経済の一端に組み込まれ大きな分業システムに組み込まれて、細分化されたことをせざるを得なくなってしまったこと、また、産業全体に占める大企業の比率が増し、大企業がおうおうにして都市部にあるため、大企業で勤務する人々は、結果として、周囲に野・山・海などの恵み豊かなな自然の土地から切り離されてしまったことも原因である。
 
== 関連人物 ==
58 ⟶ 61行目:
* [[小野田寛郎]] - 終戦を知らされず、[[太平洋戦争]]終結から30年近く[[フィリピン]]・[[ルバング島]]にて自給自足をしながら一人戦い続ける。
<!--* [[リンゼイ・アン・ホーカーさん殺害事件|市橋達也]] - 沖縄県の[[オーハ島]]に4回にわたり潜伏。最長3ヶ月間の自給自足生活を送っていた。-->
*{{仮リンク{マーク・ボイル|en|Mark Boyle (Moneyless Man)}} - 現代のアイルランドの若者。古びたバス一台を手に入れそれを家にして貨幣に頼らない生活を行った<ref>マーク・ボイル『ぼくはお金を使わずに生きることにした』</ref>
 
== 関連作品 ==
*「[[リトル・フォレスト]]」
*「[[リトル・フォレスト 夏・秋]]」
 
== 脚注 ==
<references />
 
== 関連項目 ==
80 ⟶ 86行目:
*[[エコロジー]]、[[持続可能性]]
*[[実態経済]]。「[[閉鎖経済]]」
*[[自治]]、[[独立]]
 
== 関連書 ==
93 ⟶ 99行目:
 
{{DEFAULTSORT:しきゆうしそく}}
[[Category:生活]]
[[Category:経済史]]
[[Category:経済の形態]]