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'''Kamado Jiko'''('''カマド・ジコ''')[[遠野市]]出身の食物栄養研究家{{Sfn|広報遠野|2010|p=10}}<ref group="注釈">広報遠野2010年6月No.60号p.10には『名刺に記した肩書きはずっと「'''食物栄養研究家'''」のまま。「研究に協力してもらった人々への恩返し」という、袈裟さんの活動のスタンスもずっと変わらなかった。』とあるので本人の意思を尊重。</ref>である[[岸田袈裟]]が[[アフリカ]]の[[ケニア]]で[[国際協力機構]]に参加していた時に遠野かまどを手本に発案し乳幼児死亡率低減と薪の使用量削減に成果を挙げた[[かまど]]である{{Sfn|読売国際協力賞|2007}}。「Jiko」とはスワヒリ語で「かまど」の意味
 
== 歴史 ==
=== 必要性 ===
[[File:Tono-furusato-mura22s3872.jpg|right|thumb|ウマガマ([[岩手県]][[遠野市]]・[[遠野ふるさと村]])]]
ケニアは国土の17%が森であったが、僅か30年間で2.3%にまで急減した。岸田は調査の結果、ケニアでは三つ石を置いただけのかまどを使っている人が96.8%に達しており、台所で燃やす薪を減らさなければ森は守れず水源も失われると考えた。また1991年に無償の診療が行なわれた際に
* 三つ石の所で転ぶため子供の火傷が非常に多い
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という事が判った。アンケートには、年を追うごとに薪を取りに行く森が逃げていくから年々遠くに行かなければいけない、という意見もあった{{Sfn|環境を考える経済人の会21|2003|pp=3-4,11}}。これらの問題をどう解決するか考えた岸田は村人達と話し合いを重ね、電気も水道もない場所で安全な飲み水を入手する方法として、かけ口が3つある Enzaro Jiko を考案した{{Sfn|さくまゆみこ|2009|pp=14-15,32}}。
 
[[File:Tono-furusato-mura22s3872.jpg|right|thumb|ウマガマ([[岩手県]][[遠野市]]・[[遠野ふるさと村]])]]
[[Image:Suijik.JPG|right|thumb|日本の改良かまどの例]]
=== 遠野かまどとの比較 ===
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* 「改良かまど」とは、1950年代に遠野で台所用に用いられていたかまどの呼び名である。岸田袈裟の実家にはかつて台所に改良かまどがあった<ref group="注釈">岸田袈裟の実家にあった改良かまどは消防法の問題のため1980年代に撤去され現存していない。『遠野学』p.260を参照。</ref>。そのかけ口のひとつにはお湯専用の釜が載せられ、湯をひしゃくで汲む生活を営んでいた{{Sfn|菊池弥生|2012|p=260}}。
:: 右の写真は改良かまどの説明のためにタイル貼りの似たかまどを示したものであり、実際の遠野の改良かまどの例は参考文献{{Sfn|菊池弥生|2012|p=259}}の写真を参照。
* よって Kamado Jiko が改良かまどであるというのは、アフリカ用に改良したかまど” という意味ではなく、遠野で改良かまどと呼ばれていた台所用のかまどを、アフリカ現地の粘土や石を利用して製作したという意味である{{Sfn|菊池弥生|2012|pp=256-262}}。
 
=== 名称の変遷 ===