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en:Fitness landscape at 08:56, 1 October 2014 を参考にしながら適応度地形について記述を追加。
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一方、遺伝的適応度は「ある形質をもたらす[[対立遺伝子]]([[進化ゲーム理論]]のばあいは戦略)が集団中に広まる速度」と言うことができる。たとえば二組のペアがおり、一方が遺伝子Xの影響で生涯に6匹の子をもうけたとする。もう一方は対立遺伝子Yの影響によって生涯に4匹の子をもうけたとする。この群れの平均産子数は (4 + 6) / 2 = 5 であり、Xの適応度は 6 / 5 = 1.2 となる。Yの適応度は 4 / 5 = 0.8 となる。この値を相対適応度と呼ぶ。集団遺伝学、[[数理生態学]]などで通常用いられるのは遺伝的適応度であり、相対適応度である。遺伝的適応度は個体適応度と一致しない場合がある。集団全体の相対適応度は常に1であり、相対適応度が1であればその遺伝子は広まりも減りもしないが、1より小さければ集団内で次第に数を減らし、1より大きければ次第に数を増す。値が大きければ大きいほど急速に広まる。この例ではXが増してゆく。
 
== 適応度地形 ==
[[Image:fitness-landscape-cartoon.png|thumbnail|適応度地形の略図。矢印は適応度地形上の個体群の移動を表し、A点とC点が局所的な最適値を示す。赤い丸は非常に低い適応度の個体群が最も良い適応度を獲得するときの移動の仕方を表す。]]
[[File:Visualization of two dimensions of a NK fitness landscape.png|thumb|3次元空間で表したNKモデルを基にした適応度地形。進化の経路は複数存在する。]]
適応度地形({{lang-en|fitness landscape}})は[[1923年]]に[[シューアル・ライト]]らによって提唱された、[[遺伝子型]]と[[生殖成功率]]の関係(適応率)を視覚化するために用いられる数学的モデルである。例えば2次元空間上に個体群の各生物個体を配置したとすれば、そこに「高さ」の軸を追加してその軸の値に適応率を当てはめると起伏のある曲面が得られる。この曲面を適応度地形と呼ぶ。
 
適応度地形の概念を用いると、適応度の高い個体がその数を増やし低い個体は数を減らしていく様子を説明しやすい。適応度が高い個体は適応度地形の中で「高さ」が高い位置におり、適応度の低い個体は低い位置にいる。個体群はより多くの個体を高い位置に置こうとして低い位置の個体は次第に数を少なく、高い位置にいる個体の個体を多くなるように繁殖を行う。図に示したときこれはあたかも曲面上の起伏を登っているかのように振る舞う。
 
== 包括適応度 ==