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月食が起こるのは太陽・月が[[黄道]]・[[白道]]の交わる点([[月の交点|月の昇交点・降交点]])付近にいる時に限られる。
 
月食は多くの場合1年間に2回起こるか起こらない年、3回起こる年もあり[[21世紀]]の100年間では合計142回(皆既月食85回、部分月食57回)生じ起こる。一方、[[日食]]は最低でも年に2回、最多で5回生じ起こる年もあり21世紀の100年間では合計224回(皆既日食68回、金環食72回、金環皆既食7回、部分日食77回)である。したがって月食の発生頻度は日食より低い<ref group="注">ただし半影食の86回を含めれば今世紀中に生じ起こる月食の回数は228回となり、日食とほぼ同等の頻度である。</ref>。にもかかわらず普通、日食よりも月食の方が目にする機会は多い。これは[[月]]が見えてさえいれば月食は地球上のどこからでも観測が可能なのに対し、日食は月の影が地球表面を横切る帯状の限られた地域でしか見ることができないためである<ref group="注">地球上の1定点で皆既日食が観測可能となるのは300 - 400年に1回といわれている。</ref>。
 
月食と日食の頻度に違いが生じる理由は次のように説明できる。[[地球]]と[[太陽]]がともに内接する巨大な円錐を想定する。月がこの円錐の太陽と反対の部(地球の[[本影]])に入れば月食が生じ、太陽と同方向の部分に入れば日食が生じることになる<ref group="注">月の一部が円錐内に入れば部分月食あるいは部分日食となり、月全体が円錐内に入れば皆既月食あるいは皆既日食または金環日食となる。</ref>。この円錐の[[月軌道]]付近における半径は月食側が約4460 - 4750km<ref group="注">月食側円錐半径の視野角は0°37'38" - 0°45'45"、皆既月食の横緯差限界は±0°22'58" - ±0°29'1"、部分月食の横緯差限界は±0°52'18" - ±1°2'28"。望、すなわち満月の時に月の黄緯がこの範囲内である(月食が生じる)ための太陽の昇交点又は降交点から黄経差限界は皆既月食で±4°15'50" - ±5°23'24"、部分月食で±9°44'58" - ±11°40'10" である。一方、太陽の昇交点からの黄経は1朔望月(満月から次の満月まで)の間に平均で30°40'13"変化する。これは黄経差限界の2倍よりも大きく、1朔望月の間に太陽が昇交点付近の黄経差限界範囲を通り抜けてしまうということが生じ得る。この場合、食の季節であるにもかかわらず月食が起こらないということになる。</ref>、日食側が約7990 - 8280km<ref group="注">日食側円錐半径の視野角は1°9'22" - 1°17'28"、皆既/金環日食の横緯差限界は±0°54'42" - ±1°0'44"、部分日食の横緯差限界は±1°24'2" - ±1°34'12"。朔、すなわち新月の時に月の黄緯がこの範囲内である(日食が生じる)ための太陽の昇交点又は降交点から黄経差限界は皆既/金環日食で±10°11'57" - ±11°20'29"、部分日食で±15°47'13" - ±17°45'26" である。部分日食の黄経差限界範囲は常に太陽の1朔望月間の移動量よりも大きいので食の季節には少なくとも部分日食が1回は生じ、また2回生じることも可能となる。</ref>と異なるため月食の発生頻度は日食のそれよりも低くなる。