「サカサマのパテマ」の版間の差分

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あらすじ
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== あらすじ ==
{{不十分なあらすじ|date=2014-1}}
「かつて、多くの罪びとが空に落ちた」と“空”を忌み嫌う世界・アイガ。そこに住む少年・エイジは今の生活に鬱憤を募らせていた。そんな彼の前に、突然サカサマの少女・パテマが現れる。
 
地下の世界からやってきたパテマはエイジと交流する。エイジはパテマに対し「この"空"の美しさに彼女誰も目を向けようとしない」と不満を語る。パテマの身体はアイガの重力に合わず、“空”に落ちる体質となっていた。パテマはとっさにエイジの手を握った時、彼女に引っ張られるように2人は空へ飛び出す。その頃、サカサマ人が現れたとの報告が来て、アイガの君主・イザムラは、治安警察のジャクに捜索を命じる。エイジはパテマを連れて逃げようとするが、パテマは捕えられてしまう。パテマの前に引き出されてきたもの、それは"サカサマ人"の標本―保存液につけられたラゴスの死体だった。一方エイジは学校で拷問を受け、「エイイチのようになりたくなかったらおとなしくしていろ」と脅される。それで初めて、エイジはエイイチの死が事故ではなく、当局に殺されたのだと知る。失意のエイジの前にパテマを探しに来たポルタが現れる。二人は力を合わせてパテマが監禁されている塔にパテマを助けに行く。パテマは塔の最上階に、重りをつけて監禁されていた。ポルタは重力の関係上、来ることができず、エイジだけがパテマと再会するが、見つかってしまう。天井のガラスを割り、逃げようとするが、パテマの重りの重さで外に出ると"空"に落ちそうになり、外に出ることができない。そうこうしているうちに追っ手につかまり、パテマは屋上にやってきたイザムラに捕えられ、エイジはジャクに殺されそうになる。ジャクが狙撃を躊躇っているうちに、イザムラの隙をついたパテマはエイジの方へ跳躍しようとし、エイジもまた、咄嗟に飛び出してパテマへと跳躍する。次の瞬間、二人は重りの重さで"空"へと真っ逆さまに消えていった。残されたイザムラ・ジャク・その他の面々は呆然とする。
 
"空"へと転落し、死んだと思われていたパテマとエイジだったが、実は生きていた。パテマが気が付くと、空中のある地点で、静止していたのだ。しばらくその状態でぶら下がっていたが、眼下に何かあるのに気付く。広大なそれは、何か建築物のようであり、まるで星のように電光が煌めいていた。パテマとエイジは緩やかにそこへ着地した。ここではパテマが地面に足がついて、エイジがサカサマになっている。あたりを見回しても、人の気配はない。しかし、パテマは自分が"空"に落としてしまった私物を発見し、エイジは、父エイイチが死ぬ際に乗り込んでいた飛行船が着地している(サカサマなので天井が地面についている)のを発見した。二人は飛行船の中に入り、エイジはエイイチが残した手記を読んだ。そして、エイイチがラゴスと出会ったことで空に興味を持ったのだと知る。
 
一方、地上では、ジャクがイザムラに狙撃を躊躇ったことを責められていた。エイイチを狙撃したのも、ジャクであった。ジャクは罪の意識からか、"空"に向かって設置された監視カメラの映像を見ていた。「まさか"空"からあの二人が帰ってくるとでも?」そう言うイザムラだったが、その時、監視カメラに飛行物が映った。パテマとエイジが乗った飛行船であった。
 
カホやクラスメートたちは、今日もベルトコンベアーに乗って学校へ向かっていた。ふと、カホは空を見上げた。クラスメートはカホに「そんなことをすると当局に睨まれる」と注意するが、カホの目はパテマとエイジが乗った飛行船をとらえた。生徒たちは驚き、ベルトコンベアーから出て、飛行船を追う。
 
着地した飛行船から出たパテマとエイジは、ポルタと再会し、地下の世界へと行く。だが、それを追ってイザムラとジャクがやってきた。パテマとエイジはイザムラとともに"穴の底"へ転落する。イザムラは二人を殺そうとするが、次の瞬間、"穴の底"が上に向かって抜け、イザムラは落下物に当たって死亡し、上へと落ちていった。穴の近くまで来ていた"地上"の生徒たちの目の前で、落下物が上へと落ちていった。
 
エイジは目を覚ました。パテマを助けるために重傷を負っていた彼だったが、起き上がった彼の目に飛び込んできたのは、さかさまの、廃墟となった高層ビル群だった。つまり、アイガの教育では"サカサマ人"とされていたパテマたちこそが本来の重力に従った正しい人間であり、サカサマだったのはアイガの住人の方だったのだ。パテマにつかまり、エイジは新しい世界を見に行く。一方、それを見てポルタは自らの失恋を確信し、悲しんだ。
 
== 登場人物 ==
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:パテマが憧れている冒険家。数年前から行方不明になっている。
;エイイチ
:エイジの父親にして技術者。アイガ君主国では相当有名な技術者のようだが、ある時を境に評価は落ち、後年飛行船で空旅立とうとした際に事故で死亡している。
; カホ
: 声 - [[内田真礼]]
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;治安警察
:アイガ君主国の国家公安機関。武装はスタンガン、ネットランチャー、警棒や狙撃銃などである。隊員のほとんどは黒いコートとブーツを着用し、そして覆面代わりに防毒マスク、ヘルメットを装備している。そのような見た目から地底世界の住人から「[[コウモリ]]人間」呼ばわりされていた。
 
== 世界の構造 ==
結末まで踏まえて世界の構造を考えると、次のようになる。(矢印の向きはその場面で主に描写された重力の向きを示す)
 
0 本当の空<br>
1 ↓本来の地上<br>
2 ↑穴の底<br>
3 ↓地底世界<br>
4 ↑アイガ<br>
5 ↑↓二人が一旦静止した謎の場所<br>
6 ↓空のようにに見える構造物<br>
 
== 謎 ==
・どうやって人やモノの重力がサカサマになっているのか?(「大災害」について科学的な説明はほとんどない)<br>
・二人が一旦静止した場所はなんだったのか?<br>
・空に見える構造物はなんだったのか?<br>
・塔の地下で交流していたことを、地底人は知っていたが、イザムラが知らなかったのはなぜか?(そう古い話ではないので、イザムラが知ることはたやすいはず。そしてこれを早く知っていればすぐ地底人たちの居場所を突き止められた)<br>
 
== スタッフ ==