「国民総生産」の版間の差分

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'''国民総生産'''(こくみんそうせいさん、'''GNP''':'''Gross National Product''')とは、ある一定期間にある国民によって新しく生産された財(商品)やサービスの[[付加価値]]の総計である。かつては国の経済規模を比較するため新聞や教科書などで頻繁に利用されたが、日本では1993年から代表的指標として[[国内総生産]] (GDP)が使われるようになり、かつてほど注目されなくなった。さらに2000年には[[国民経済計算]]の体系変更により国民総生産という概念自体が消滅した。ただ新体系にはほぼ同一の概念として[[国民総所得]] (GNI) がある。
 
なお、ここでいう「国民」とは国籍を持った人という意味ではなく、国内に居住する個人および企業などの組織を指している。個人の場合、6月以上国内に居住している人をいい、国籍は問わない。
 
==GNPとGDPの違い==
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==GNPからGNIへ==
[[内閣府]]が発表している日本の[[国民経済計算]]では、[[2000年]]から[[93SNA]]''(注:[[1993年]]に[[国際連合]]が勧告した、国民経済計算の体系)''に移行したことに伴って国民総生産 (GNP) に替わる概念として[[国民総所得]] (GNI) が統計に掲載されている。[[68SNA]]''(注:1968年の国連勧告)''における名目GNPと93SNAにおける名目GNIは概念的にも全く同一のものであるが、68SNAに基づいて推計されてきた実質GNPと93SNAにおける実質GNIは輸出入価格の差によって生じる所得の実質額(交易利得)の分だけ異なっている。GNPに替わってGNIという概念が使われるようになったのは、GNP (GNI) がGDPに雇用者報酬や投資収益などの財産所得・企業所得など海外からの所得を加えたものであり、生産というよりは所得の指標という性格が強いと言えるからである。
 
==注意点==
[[経済学者]]の[[スティーヴン・ランズバーグ]]は「GNPは、のんびり過ごすという時間の価値は勘定されていない。もっと目立たない欠陥もあり、1つは実際に生産される財・サービスのすべてを集計していない(例:家庭内の生産、自給自足など)。もう1つの欠陥は財・サービスの産出高が増えることの良し悪しである(例:震災による建築ブームとそうでない建築ブームを同一視する)」と指摘している<ref>スティーヴン・ランズバーグ 『ランチタイムの経済学-日常生活の謎をやさしく解き明かす』 日本経済新聞社〈日経ビジネス人文庫〉、2004年、215-217頁。</ref>。
 
==GNP(GNI)ランキング==
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==脚注==
<references/>
 
==関連項目==