「展延性」の版間の差分
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== 科学的分野毎の意味 ==
=== 地質学 ===
[[地球科学]]において、[[
=== 物質科学 ===
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[[金属]]の展延性の高さは[[金属結合]]に由来する。金属結合では個々の金属原子の[[電子殻]]に属する[[電子]]が[[自由電子]]となり、[[陽イオン]]となった原子の間を自由に動く。非局在化した電子により、通常(金属結合以外の化学結合をしている物質)ならヒビや割れを生じるような強い力がかかっても金属原子の相互の位置がずれて変形しつつ一体性を保つことができる。
延性を表す数値として、単軸[[引張試験]]で試料が破断した時点の
主な金属を延性の大きい方から順に挙げると、[[金]]、[[銀]]、[[白金]]、[[鉄]]、[[ニッケル]]、[[銅]]、[[アルミニウム]]、[[亜鉛]]、[[スズ]]、[[鉛]]となる<ref name="mms">{{Citation | last = Rich | first = Jack C. | title = The Materials and Methods of Sculpture | publisher = Courier Dover Publications | page = 129 | year = 1988 | url = http://books.google.com/?id=hW13qhOFa7gC | isbn = 0486257428}}.</ref>。同様に展性の大きい方から順に挙げると、金、銀、鉛、銅、アルミニウム、スズ、白金、亜鉛、鉄、ニッケルとなる<ref name="mms"/>。[[鋼]]の延性は組成によって異なる。[[炭素]]の含有量が多いほど延性は小さくなる。合成樹脂や[[アモルファス]]、工作用[[粘土]]なども展性があるものが多い。
==== 延性-
[[ファイル:Ductility.svg|thumb|right|157px|丸い金属棒の引張試験結果の分類<br/>(a)
体心立方格子金属やシリコンなどにおいては、室温で延性破壊していたものが温度の低下に伴って
延性
DBTTの定義は大きく、延性破面率50%になる温度である破面遷移温度(Fracture appearance transition, FATT)、吸収エネルギーが上部棚エネルギー(Upper shelf energy, USE)と下部棚エネルギー(Lower shelf energy, LSE)の中間値となる温度であるエネルギー遷移温度(Energy transition temperature, ETT)に分かれる。USEが熱活性過程である塑性変形の仕事を反映したものであり、厳密には温度依存性をもつものの、遷移温度域においては近似的に延性破面率とUSEとLSEで混合則が成り立つため、FATTとETTはほぼ同じ温度となる。
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DBTTは[[中性子線]]などの外部要因によっても影響を受ける。中性子線は[[格子欠陥]]を増大させるため、展延性が低下し、同時にDBTTが高くなる。
延性-
== 原子炉圧力容器の
展延性に関して、[[原子力発電所]]の[[原子炉圧力容器]]の「
原子力発電所を含めた熱を使った発電施設は、定期的な点検のための運転停止を必要とする。加圧水型原子炉では約18カ月おきに点検を行い、[[沸騰水型原子炉]]では24カ月おきに点検を行う。この際に原子炉圧力容器は300℃前後から常温まで冷やされる。[[火力発電所]]や[[太陽熱発電]]所では運用時の温度はさらに高いため、点検時の温度変化がさらに急激になる。この冷却と運転再開時の加熱による温度変化によって、炉の様々な部品の膨張や収縮で各所に一時的な応力がかかることになる。これに中性子線による
圧力容器が中性子線による
== 脚注・出典 ==
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