「オオクチバス」の版間の差分

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|和名='''オオクチバス'''(大口バス)<br/>ラージマウスバス
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'''オオクチバス'''(大口バス、ノーザン・ラージマウスバス、[[学名]] {{Snamei|Micropterus salmoides}}) は、[[オオクチバス属]]に分類される{{要出典|date=2014年11月}}[[淡水魚]]{{要出典|date=2014年11月}}の一種。
原産地[[アメリカ合衆国]]では、[[アラバマ州]]・[[ジョージア州]]・[[ミシシッピ州]]・[[フロリダ州]]の州魚に指定されている{{要出典|date=2014年11月}}
 
原産地[[アメリカ合衆国]]では、[[アラバマ州]]・[[ジョージア州]]・[[ミシシッピ州]]・[[フロリダ州]]の州魚に指定されている。
 
==名称==
;学名
種小名salmoidesは「[[鮭]](サーモン)のようなもの」の意<ref name="r1g">赤星鉄馬『ブラックバッス』(イーハトーヴ出版・1996)による。</ref>。なお、属名Micropterusは「小さな尾」の意であるが、これは初めて捕獲された本属魚類の個体の尾鰭が負傷欠損によって小さかったために、誤ってその特徴が名付けられてしまったものである<ref>赤星鉄馬『ブラックバッス』(イーハトーヴ・1996)による。< name="r1g"/ref>。
 
;日本
英名を直訳した「オオクチバス」が標準和名である。由来はコクチバスに比べ口が大きいことから。[[コクチバス]] {{Snamei|M. dolomieu}}、[[フロリダバス]](フロリダ・ラージマウスバス){{Snamei|M. floridanus}} などと共に、通称「[[ブラックバス]]」と呼ばれることが多い。コクチバスよりも釣魚としての認知の浸透、普及が半世紀以上先行して定着している<ref name="r1g"/>ため、本種の別名として「ブラックバス」が使用される場合も多く、図鑑等における紹介でもしばしば「ブラックバス(オオクチバス)」と記述される。これはちょうど[[カムルチー]]が「[[ライギョ]]」と記される場合が少なくないのと同じである。略して単に「バス」と呼ばれることもある{{要出典|date=2014年11月}}
 
一方移入当初、商業漁獲対象魚としての観点からオオクチクロマス<ref name="r1g"/>とも呼ばれたが、サケ科のマス類と混同されるためにこの呼称は現在では使用されていない。
 
;アメリカ/カナダ
標準英名で呼ばれる。由来は和名に同じ。その他、釣魚としては背面の色彩に着目してコクチバスと区別したGreen backという呼び名がある<ref>http://www.fcps.edu/islandcreekes/ecology/largemouth_bass.htm</ref>。また食用魚としてGreen bassという名で流通<ref>http://www.takuyamorihisa.com/gallery/animalia/chordata/actinopterygii/perciformes/centrarchidae/micropterus/salmoides/m_salmoides_500_14.jpg</ref>もしている。
 
;中国
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== 形態 ==
成魚は全長30-50cmに達するが、最大で[[ジョージア州]]の[[ジョージ・ペリー]]氏が釣り上げた全長97.0cm・体重10.09kg・年齢23歳の記録がある。日本でも[[琵琶湖]]で[[栗田学]]氏によって全長73.5cm、体重10.12kgの世界記録タイ(IGFAオールタックル世界記録では体重で大きさが決まるため)が[[ブルーギル]]を餌にして捕獲されている{{要出典|date=2014年11月}}
 
体型は側偏した紡錘形。成長し亜成魚以降になると頭部後方〜背鰭前方で背面が山なりに盛り上がる。上顎よりも下顎が前方に突き出る。
 
外部形態上のコクチバスとの代表的識別点として、口角が眼の後端を越える<ref name="r1g">環境省HP - http://www.env.go.jp/nature/intro/1outline/list/L-sa-07.html</ref>。しかし、幼魚は口角が眼の後端に達しない個体も少なくない。また、口吻はコクチバスのほうがオオクチバスよりも相対的にやや長く鋭角的に突出し、オオクチバスはより寸の詰まったずんぐりした顔をしている。このため、側面からの見た目上の口のサイズは両種間にそれほど大きな差があるわけではない。しかしオオクチバスはコクチバスよりも側偏が弱いために体幅が大きく、そのぶん頭部の幅と口の開口面積も大きくなっている。
 
背鰭は前後で第1、第2背鰭に分かれ、第1背鰭のほうが小さい。尾鰭後縁は黒く縁取られる。
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==生態==
本来は[[北アメリカ]]南東部の[[固有種]]である{{要出典|date=2014年11月}}。しかし、[[釣り]](スポーツフィッシング)や食用の対象魚として世界各地に[[移植 (生物)|移入]]されたため、分布域の人為的拡大が著しい。[[ミシシッピ川|ミシシッピ水系]]を中心とした北アメリカ南東部に分布するが、食用や釣りの対象として世界各地に移入されている{{要出典|date=2014年11月}}
 
湖、沼などの止水環境や流れの緩い河川に生息するが、[[汽水域]]でもしばしば漁獲される。天敵から身を隠したり獲物を待ち伏せするため、障害物の多い場所を好む。一方、回遊して餌を探す場合もあり、特に幼魚〜亜成魚はしばしば群を作り隊列を組んで回遊行動をおこなうことがある。
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春から秋には岸近くで活発に活動するが、冬は深みに移り物陰に群れを成して越冬する。
 
繁殖は水温15℃の条件が必要である{{要出典|date=2014年11月}}。この水温は、北アメリカの生息地では北部で5-6月、南部で12-5月である。日本では6月を盛期に5-7月である。また、多くの[[動物]]に見られるように、産卵は満月か新月の日に行われるのが一般的である。オスは砂地に直径50cmほどの浅いすり鉢状の巣を作り、メスを呼びこんで産卵させる。複数のメスを呼びこんで産卵するため、巣の卵数は1万粒に達することもある。卵は10日ほどで孵化する。産卵後もオスは巣に残り、卵を狙う敵を追い払うなどして保護する。孵化した仔魚は全長2-3cmになるまでオスの保護下で群れを成して生活する。稚魚がある程度の大きさになると、オスは稚魚を食べることで巣からの自立を促す、この過程で卵から孵った幼魚の半分以上が淘汰されるという。
 
成熟齢は2年から5年といわれ、一般には23cm前後で成熟する。寿命は一部に10年を超える個体もみられるが、多くは8年程度とされている<ref>杉山秀樹(秋田県水産振興センター内水面利用部部長)「オオクチバスの生態、影響、駆除」- http://www.jeas.org/modules/backnumber/board2/member/seminar/tech_seminar/h16_3rd/01.pdf</ref>
 
=== 日本産ブラックバスの遺伝的知見 ===
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== 食用 ==
身は癖のない白身で、[[ムニエル]]、[[フライ (料理)|フライ]]、[[ポワレ]]などで食べられる{{要出典|date=2014年11月}}。体表面の粘膜に生臭さがある場合が多いため、これを身につけないようにするのがコツとされる。表面に生臭みがある淡水魚は塩もみするか、濃い塩水中でタワシで洗うと落とせる。または、[[霜降り]]か[[泥抜き]]で臭みをとる。 小骨にも注意。また、生食では[[顎口虫症]]による健康被害が報告されており<ref>[http://www.pref.aichi.jp/eiseiken/5f/gnathostomiasis.html 日本顎口虫(がっこうちゅう)症] 愛知県衛生研究所</ref>[[寄生虫]]対策として加熱して食べる必要がある。水のきれいな水域の個体が美味で、汚染の危険性も低い。
 
オオクチバスを含めた[[サンフィッシュ科]]魚類は、原産地である北米では食用魚とされてきた。日本でも元々食用としての用途も意図されて移植されたが、専ら釣り(遊漁)の対象魚とされている。釣ったオオクチバスは再[[放流]]されることが多いが、一部ではオオクチバス料理を提供している店舗もある。80年代頃に全国的に生息域が拡大し、在来生物層の保護という観点から、1990年代初頭には沖縄県を除く全ての都道府県で無許可での放流が禁止された。
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== 漁業権魚種 ==
日本国内でオオクチバスを漁業権魚種として認定している水域は現在、[[神奈川県]]の[[芦ノ湖]]、[[山梨県]]の[[河口湖]]、[[山中湖]]、[[西湖]]の4湖のみ。
権利のない漁協権を行使して、料金をとっている[[漁協]]が多数あるようであるが、[[行政]]が長年の[[慣習]]から放置しているのが実情である{{要出典|date=2014年11月}}
 
== 関連項目 ==