「電子顕微鏡」の版間の差分

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; 高分解能の観察が可能
: [[光学顕微鏡]]の[[分解能]](2つの点が「2つの点」として分離して観察される最短の距離)の限界は、[[可視光線]]の[[波長]]によって理論的に100[[ナノメートル]]程度に制限されており、それより小さな対象(例:[[ウイルス]])を観察することはできない。一方、電子顕微鏡では、電子線の持つ波長が可視光線のものよりずっと短いので、理論的には分解能は0.1[[ナノメートル]]程度にもなる(透過型電子顕微鏡の場合)。光学顕微鏡では見ることのできない微細な対象を観察(観測)できるのが利点である。現在では、高分解能の電子顕微鏡を用いれば、[[原子]]レベルの大きさのものを観察(観測)可能である。
 
:: 一般に誤解されがちであるが、電子顕微鏡の[[光学顕微鏡]]に対する利点は'''[[倍率]]ではなく[[分解能]]'''である。[[光学顕微鏡]]でも写真を拡大したり、高倍率の[[接眼レンズ]]や[[中間レンズ]]を用いれば、理論的には無限に高倍率の画像は得られる。ただし[[分解能]]以下の対象はどれだけ倍率を上げても細部は見えてこないので無意味である。
; 大がかりな装置
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電子顕微鏡には、大きく分けて下記の2種類がある。
=== 透過型電子顕微鏡 ===
[[透過型電子顕微鏡]] (Transmission Electron Microscope; TEM)は観察対象に電子線をあて、それを透過してきた電子を拡大して観察する顕微鏡。対象の構造や構成成分の違いにより、どのくらい電子線を透過させるかが異なるので、場所により透過してきた電子の密度が変わり、これが顕微鏡像となる。電磁コイルを用いて透過電子線を拡大し、電子線により光る蛍光板にあてて観察したり、[[写真フィルム|フィルム]]や[[CCDイメージセンサ|CCDカメラ]]で写真を撮影する。観察対象を透かして観察することになるため、試料をできるだけ薄く切ったり、電子を透過するフィルムの上に塗りつけたりして観察する。
 
[[透過型電子顕微鏡]] (Transmission Electron Microscope; TEM)は観察対象に電子線をあて、それを透過してきた電子を拡大して観察する顕微鏡。対象の構造や構成成分の違いにより、どのくらい電子線を透過させるかが異なるので、場所により透過してきた電子の密度が変わり、これが顕微鏡像となる。電磁コイルを用いて透過電子線を拡大し、電子線により光る蛍光板にあてて観察したり、[[写真フィルム|フィルム]]や[[CCDイメージセンサ|CCDカメラ]]で写真を撮影する。観察対象を透かして観察することになるため、試料をできるだけ薄く切ったり、電子を透過するフィルムの上に塗りつけたりして観察する。
{{-}}
===走査型電子顕微鏡===
[[File:Red White Blood cells.jpg|thumb|[[走査型電子顕微鏡]]で捉えた[[赤血球]](左)と[[血小板]](中)と[[白血球]](右)。]]
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;静電レンズ式
:静電場を利用して電子を収束する。電源電圧が不安定でも比較的安定して使用する事が出来、使用する材料も電磁レンズ式よりも少なくて良かったので戦中、戦後の日本で使用された。反面、高分解能化には高電圧化する必要があり、絶縁耐圧を高める必要がある等、構造が単純な反面、高分解能化には適していなかった。
 
;電磁レンズ式
:静電レンズ式よりも高分解能が得られる。
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*[[イオン顕微鏡 ]]
 
{{DEFAULTSORTデフォルトソート:てんしけんひきよう}}
[[Category:顕微鏡]]