「蔵王観光ホテル火災」の版間の差分

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[[蔵王温泉]]の温泉街にあった蔵王観光ホテルは、[[1920年代]]に建築された[[ホテル]]であり施設の陳腐化が進んでいた。さらに増築を重ね、複雑な館内構造となっていた。「[[防火基準適合表示制度|適マーク]]」の交付こそ受けていたものの、自動[[火災報知機]]がしばしば誤作動を起こしたことから、従業員がシステムを稼働させていなかった。
 
当日、[[スキー]]客など86人96名が宿泊していた。午前3時頃、本館(旧館)4階建1596平米の2階部分にある萩の間[[便所|トイレ]]暖房用[[電気ストーブ]]から出火、折からの強風(吹雪)により一気に火の手が回った。従業員らの一時的な消火活動も行われたが、宿泊客の誘導や避難を促す放送などは行われなかった。被害者の多くは、複雑な館内の構造から逃げ場を失い倒れていた。
 
事故当日は96名が宿泊していたがこ客96名のうち新宿区の保母([[保育士]])の団体や、東京都職員労組の団体など11名が逃げ遅れて一酸化炭素中毒により死亡した。遺体は全て本館から発見され、6名が1階の配膳室付近、4名が食堂横のトイレ付近で倒れており、1名が3階客室で布団に入ったままの姿で発見されている
 
豪雪と吹雪の中、密集する温泉街で逃げまどう他のホテルからの避難客や1m以上の2mにも及ぶ積雪などに阻まれ、[[消防車]]の到着が遅れた。またホテルの場所が高台の傾斜地だった上、当日は氷点下10℃7℃で道路が完全に凍結していたため足場が非常に悪かったことや肝心の消火用水凍結していたことなどから消火活動も難航し、放水もままならないまま周囲の温泉宿にも延焼する事態となった。消火活動の際、消防士も凍結による転倒などで負傷者を出している。
 
結果、火元の蔵王観光ホテル2棟、類焼した周辺旅館等5棟が全焼し、午前6時40分にようやく鎮火した。この時も悪天候で猛吹雪が止まなかったため、行方不明者の搜索や犠牲者の搬出作業が始まったのは翌々日になってからであった。このため温泉街のイメージが悪化し、一時的に観光客が減少する余波も生じた。