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[[ファイル:Hakumou ginsin.jpg|thumb|白毫銀針の茶葉]]
[[画像:Bai Hao Yinzhen or Silver needle White Tea.JPG|thumb|right|{{仮リンク|白毫銀針|zh|白毫银针}}]]
'''白茶'''('''はくちゃ'''、'''しろちゃ'''、'''パイチャ''')は、主に[[中華人民共和国|中国]]の[[福建省]]で生産されている[[中国茶]]。製法(発酵度)による中国茶の分類(六大茶類)の一つである。弱発酵茶。茶葉の芽に白い産毛がびっしりと生えていることが、名前の由来である。そのような特徴を持つ茶葉を白毫(はくごう、パイハオ)と呼ぶが、白毫のある茶葉がすべて白茶に用いられる訳ではない
 
== 概要 ==
摘まれた茶葉を、萎凋(いちょう、放置して萎れさせ、発酵を進めるとともに水分を飛ばすこと)した後に、火入れして乾燥させるだけという、中国茶の中では特に簡素な工程となっている。[[中国茶#中国茶の種類|六大茶類]]の中では、唯一白茶だけが「揉捻」を施さない。
[[茶葉]]の[[芽]]に白い産毛がびっしりと生えていることが、名前の由来である。そのような特徴を持つ茶葉を白毫(はくごう、パイハオ)と呼ぶが、白毫のある茶葉がすべて白茶に用いられる訳ではない。
 
摘まれた茶葉を、萎凋(いちょう、放置して萎れさせ、発酵を進めるとともに[[水分]]を飛ばすこと)した後に、火入れして[[乾燥]]させるだけという、中国茶の中では特に簡素な工程となっている。[[中国茶#中国茶の種類|六大茶類]]の中では、唯一白茶だけが「揉捻」を施さない。
萎凋は地域により、屋外での日光萎凋をする場合と室内萎凋をする場合がある。いずれも送風機を用いたり、揉む、揺らすなど人為的な発酵の促進はしないため、発酵はゆっくりと進む。[[発酵]]と言っても、[[黒茶]]([[プーアル茶]]等)の微生物による発酵を施した茶とは異なり、茶葉が元々もつ[[酸化酵素]]による酸化発酵が中心となるもので、[[黒茶]]以外の他の発酵茶と同様である。この段階で水分の9割ほどは蒸発している。萎凋が完了した茶葉は「烘籠」と呼ばれる竹で出来たバスケットに入れられ、とろ火にかけて乾燥、これにより酵素発酵が止められる。白豪銀針は、茶葉が未だ熱い内に紙袋に入れられる。この目的は、茶葉が熱く柔らかい内に袋に詰める事で破損を防ぐためと、数日間意図的に蒸れさせることで、更なる熟成を促すためである。但し、この工程は非常に熟練の技を必要とし、多くの白茶は「ムレ臭」を伴う。最高品質の白茶にはムレ臭がなく、色も均一なヒスイ色をしている。灰色や褐色化した白茶は、萎凋の際に層が厚すぎたり、取り扱いが乱雑だったことを示している。
 
萎凋は地域により、屋外での日光萎凋をする場合と室内萎凋をする場合がある。いずれも[[送風機]]を用いたり、揉む、揺らすなど人為的な発酵の促進はしないため、発酵はゆっくりと進む。[[発酵]]と言っても、[[黒茶]]([[プーアル茶]]等)の[[微生物]]による発酵を施した茶とは異なり、茶葉が元々もつ[[酸化酵素]]による酸化発酵が中心となるもので、[[黒茶]]以外の他の発酵茶と同様である。この段階で水分の9割ほどは蒸発している。萎凋が完了した茶葉は「烘籠」と呼ばれる[[]]で出来た[[バスケット]]に入れられ、とろ火にかけて乾燥、これにより酵素発酵が止められる。白豪銀針は、茶葉が未だ熱い内に紙袋に入れられる。この目的は、茶葉が熱く柔らかい内に袋に詰める事で破損を防ぐためと、数日間意図的に蒸れさせることで、更なる熟成を促すためである。但し、この工程は非常に熟練の技を必要とし、多くの白茶は「ムレ臭」を伴う。最高品質の白茶にはムレ臭がなく、色も均一なヒスイ色をしている。灰色や褐色化した白茶は、萎凋の際に層が厚すぎたり、取り扱いが乱雑だったことを示している。
 
多くの中国茶とは異なり、揉みこむ工程(揉捻)がないために茶葉そのままの姿で出荷される。そのため茶葉が揺れ動く様を楽しめるように、淹れる際には[[耐熱ガラス]]に90度前後のお湯を注いで飲むのが一般的。こうする事で、茶葉がまるで「笹の葉」のように、ゆらゆらと揺れ動く様子を楽しむことができる。また、冷たい水で淹れても美味しく飲める。
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香り・味わい・水色ともに上品で後味がとても甘い。また、白茶には宿酔い、[[夏ばて]]に効くといった効能や解熱作用があると言われている。
 
== 茶葉 ==
主なものに「白毫銀針」「白牡丹」「寿眉」などがある。'''白毫銀針'''(はくごうぎんしん、パイハオインヂェン)は、1880年代から[[福建省]]の福鼎、政和で大白種の若芽から作られるようになった一芯一葉摘みの「白芽茶」で、最も代表的な白茶。'''白牡丹'''(はくぼたん、パイムーダン)は、一芯二葉の「白葉茶」の代表格。福建省の建陽などで大白種または水仙種から作られる。'''寿眉'''(じゅび、ショウメイ)は、白毫銀針などに用いる若芽を摘み取った後に、一芯二葉から一芯三葉で摘んだ、葉の部分を主に用いたもの。
主なものに「白毫銀針」「白牡丹」「寿眉」などがある。
{| class="wikitable"
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!\|| 日本語 || 中国語 || 説明
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!白毫銀針
|| はくごうぎんしん || パイハオインヂェン || 1880年代から福建省の福鼎、政和で大白種の若芽から作られるようになった一芯一葉摘みの「白芽茶」で、最も代表的な白茶。
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!白牡丹
|| はくぼたん || パイムーダン || 一芯二葉の「白葉茶」の代表格。福建省の建陽などで大白種または水仙種から作られる。
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!寿眉
|| じゅび || ショウメイ || 白毫銀針などに用いる若芽を摘み取った後に、一芯二葉から一芯三葉で摘んだ、葉の部分を主に用いたもの。
|}
 
== 日本での知名度 ==
日本ではあまり飲まれない珍しいお茶だが、『アサヒ 白茶』([[アサヒ飲料]]、2005年)<ref>[http://www.asahiinryo.co.jp/newsrelease/topics/pick_0377.html 「アサヒ 白茶 PET500ml」新発売] - アサヒ飲料ニュースリリース、2005年1月6日。</ref>、『本茶房 白いお茶』([[大塚ベバレジ]]、2006年)<ref>[http://www.otsukafoods.co.jp/news/bvrg/w-tea060310.html 『本茶房 白いお茶』280mlペットボトル- 4月3日(月)より全国新発売] - 大塚ベバレジニュースリリース、2006年3月10日。</ref>、『アサヒ 白烏龍』([[アサヒ飲料]]、2009年、白茶と烏龍茶のブレンド)<ref>[http://www.asahiinryo.co.jp/newsrelease/topics/pick_0877.html 『アサヒ 白烏龍』新発売] - アサヒ飲料ニュースリリース、2009年7月9日。</ref>などの[[ペットボトル|ペットボトル飲料]]も発売されている。なお、[[インド]]や[[スリランカ]]でもここ数年、差別化・ブランド化の一環として白茶生産を開始する事例が出てきた。