「失われた10年」の版間の差分

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経済学者の[[香西泰]]は「失われた10年をデフレだけで説明できない。日銀はバブルを発生させ、バブル後に引き締め過ぎたかもしれないが、金融だけで失われた10年すべて説明するには無理がある。産業の問題や企業の失敗も、大きな影響となった。平成の経済停滞を『デフレ』というには、あまりにも物価の低下率が小さ過ぎる。産業自体のほうに大きな問題があって、金融はあまり関係ない」と指摘している<ref>[http://www.toyokeizai.net/115-anniversary/series/kosai5-1.html 連載/石橋湛山を語る]東洋経済新報社</ref>。
 
経済学者の[[林文夫]]、[[エドワード・プレスコット]]は1990年代の日本の不況は、生産性上昇率の低下・法的規制による労働時間の短縮によって起こったとする論文を書き、学会に大きな影響を与えた<ref>大竹文雄 『競争と公平感-市場経済の本当のメリット』 中央公論新社〈中公新書〉、2010年、145頁。</ref>。
 
構造問題重視の立場からは、一時的に需要増もたらす景気対策には効果がなく、[[規制緩和]]・公的企業の[[民営化]]などの[[構造改革]]を通じて生産性を高めることが重要であると主張されている<ref name="3jikan17">みずほ総合研究所編 『3時間でわかる日本経済-ポイント解説』 日本経済新聞社〈日経ビジネス人文庫〉、2002年、17頁。</ref>。一方で需要サイドの問題を重視する立場からは、バブル崩壊後の資産価格の下落(資産デフレ)を起点とする恒常的な需要不足が長期低迷の主因であり、不況脱却策として財政・金融面からのマクロ経済安定化政策の役割が強調されている<ref name="3jikan17" />。