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ちなみに蚕が食べるのは[[ヤマグワ]]である<ref>原島広至著、伊藤美千穂ほか監修『生薬単』エヌ・ティー・エス、2007年、p165、ISBN 978-4-8604-3179-2。</ref>。
 
2006年、[[農業生物資源研究所]]と[[食品総合研究所]]は、古代からカイコの餌として用いられてきたクワの葉が実際はカイコ以外の昆虫に対して強い[[毒性]]と耐虫性をもち、それがクワの葉を傷つけたとき葉脈からしみ出てくる白い[[乳液]]に含まれる成分に起因していることを解明。クワ乳液を分析した結果、糖代謝の阻害剤として知られる3種の糖類似[[アルカロイド]]物質が多量に含まれることが判明した。
 
これらの物質はクワを食べない昆虫には強い毒性・成長阻害活性を示したが、カイコにはまったく影響がなかった。この成果は、クワが乳液成分で昆虫による食害から身を守る一方、カイコがクワの防御機構に巧妙に適応したことを示しており、数千年にわたる養蚕の歴史の中で気付かれなかったクワとカイコの密接な関係の本質に迫る成果として注目された。
 
また、上記の糖類似アルカロイド物質は血糖値低下効果・糖尿病予防効果をもつ物質として知られており、この成果は植物乳液が医薬や農薬として有用な[[生理活性物質]]の宝庫である可能性も示した。
 
<ref>http://www.nias.affrc.go.jp/pressrelease/2006/20060123.html</ref>
 
=== 木材としてのクワ ===