「ラーモア歳差運動」の版間の差分

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[[ファイル:Präzession2.png|thumb|150px|ラーモア歳差運動の模式図。太い赤矢印は[[磁場]]ベクトル、細い赤矢印は粒子の[[スピン角運動量|スピン]]ベクトル。粒子を負電荷とすると、磁気モーメントは緑矢印回りに歳差する。]]
'''ラーモア歳差運動'''(ラーモアさいさうんどう、{{langLang-en|Larmor precession}})は、[[物理学]]において、[[電子]]・[[原子核]]・[[原子]]などの[[粒子]]の持つ[[磁気モーメント]]が外部[[磁場]]によって[[歳差運動]]を起こす現象である。[[ジョゼフ・ラーモア]]にちなんで名づけられた。
 
外部磁場は、粒子の磁気モーメント、あるいは[[角運動量]]([[スピン角運動量]]や[[軌道角運動量]])に[[トルク]]を与え、それは以下のように表される。
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\gamma \vec{J} \times \vec{B}</math>
 
ここで、<math>\vec{\Gamma}</math>はトルク、<math>\vec{\mu}</math>は粒子の磁気モーメント、<math>\vec{B}</math>は外部磁場、<math>\vec{J}</math>は粒子の全角運動量、<math>\times</math>は[[クロス積]]である。<math>\ \gamma</math>は[[磁気回転比]]と呼ばれ、磁気モーメントと全角運動量の比例関係 <math>\vec{\mu}=\gamma \vec{J}</math> を結びつける定数である。
 
トルクを受けることで、粒子が持つ磁気モーメントベクトル<math>\vec{\mu}</math>、あるいは角運動量ベクトル<math>\vec{J}</math>は磁場方向を軸としてその周りを歳差運動する。このとき[[運動方程式]]は
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\gamma \vec{J} \times \vec{B}</math>
 
となる。この回転運動の[[角周波数]]は'''ラーモア周波数'''(Larmor(Larmor frequency)frequency)と呼ばれ、
:<math>\vec{\omega} = \gamma \vec{B}</math>
と表される。
 
ラーモア歳差運動は[[核磁気共鳴]](NMR)(NMR)、[[電子スピン共鳴]](EPR)(EPR)、[[強磁性共鳴]](FMR)(FMR)などにとって重要である。
 
[[レフ・ランダウ]]と[[エフゲニー・リフシッツ]]による1935年の有名な論文<ref>{{Cite journal
{{cite journal
| last=Landau |first=L. D.
| last2=Lifshitz |first2=L. M.
29 ⟶ 28行目:
| journal=Physik. Zeits. Sowjetunion
| volume=8 |pages=153-169
}}</ref>は、ラーモア歳差運動による強磁性共鳴の存在を予言した。それは1946年にJ. H. E. Griffiths<ref>{{Cite journal
{{cite journal
| last=Griffiths |first=J. H. E.
| year=1946