「トガリアンコウザメ」の版間の差分
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|画像 = [[画像:Carcharias laticaudus by muller and henle.png|250px]]
|status = NT
|status_system =
|status_ref = <ref name="iucn">{{
|界 = [[動物界]] {{Sname||Animalia}}
|門 = [[脊索動物門]] {{Sname||Chordata}}
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|目 = [[メジロザメ目]] {{Sname||Carcharhiniformes}}
|科 = [[メジロザメ科]] {{Sname||Carcharhinidae}}
|属 =
|種 = '''トガリアンコウザメ''' {{Snamei|S. laticaudus}}
|学名 =
|英名 = '''Spadenose shark'''
|生息図 = [[画像:Scoliodon laticaudus distmap.png|250px]]
|生息図キャプション = 分布
|シノニム =
* ''Carcharias muelleri'' <small>J. P. Müller & Henle, 1839</small
* ''Carcharias palasoora'' <small>Bleeker, 1853</small
* ''Carcharias sorrahkowah'' <small>Bleeker, 1853</small
* ''Carcharias sorrakowah''
}}
'''トガリアンコウザメ'''
==分類==
1838年、ドイツの生物学者[[ヨハネス・ペーター・ミュラー]]と[[ヤーコブ・ヘンレ]]によって''Systematische Beschreibung der Plagiostomen''に記載された。[[ホロタイプ]]は[[フンボルト博物館]]所蔵の42cmの剥製と推定される<ref name="compagno">{{cite book |author=Compagno, L.J.V. |year=1984 |title=Sharks of the World: An Annotated and Illustrated Catalogue of Shark Species Known to Date |place=Rome |publisher=Food and Agricultural Organization |isbn=9251013845 |pages=533–535}}</ref>。属名''Scoliodon''は[[古代ギリシャ語]]''skolex''
[[形態学 (生物学)|形態]][[系統学]]・[[分子系統学]]のデータからは、本種は[[ヒラガシラ属]]
==分布==▼
[[インド太平洋]]西部に分布し、[[タンザニア]]から[[南アジア]]・[[東南アジア]]・[[ジャワ島]]・[[ボルネオ島]]・[[台湾]]・[[日本]]などで見られる。深度10-13mの沿岸の岩礁底に生息する。[[マレーシア]]・[[スマトラ島]]・ボルネオ島の河川下流域からも報告があるが、[[塩分濃度]]のデータがないため[[オオメジロザメ]](''Carcharhinus leucas'')のように[[淡水]]に耐えられるのかは不明である<ref name="compagno"/><ref name="fishbase">{{fishbase species |genus=Scoliodon |species=laticaudus |month=August |year=2009}}</ref>。▼
==形態==
体は小さくずんぐりしており、幅広い頭と非常に平たい[[シャベル]]型の吻を持つ。眼と鼻孔は小さい。口角は眼のかなり後方に至り、溝はあまりない。上顎歯列25-33、下顎歯列24-34。個々の歯は鋸歯のない、細く剣状で斜めの尖頭を持つ。胸鰭は短くて幅広く、第一[[背鰭]]は[[胸鰭]]より[[腹鰭]]に近い。第二背鰭は[[臀鰭]]よりかなり小さく、背鰭間に隆起はない。背面はブロンズグレー、腹面は白。鰭の色は体より暗い。最大74cmだが、不確実な記録では1.2mというものもある<ref name="compagno"/>。
▲==分布==
▲[[インド太平洋]]西部に分布し、[[タンザニア]]から[[南アジア]]・[[東南アジア]]・[[ジャワ島]]・[[ボルネオ島]]・[[台湾]]・[[日本]]などで見られる。深度10-13mの沿岸の岩礁底に生息する。[[マレーシア]]・[[スマトラ島]]・ボルネオ島の河川下流域からも報告があるが、[[塩分濃度]]のデータがないため[[オオメジロザメ]]
==生態==
個体数が多い所では、よく大きな揃った[[群れ]]を作る。餌は主に[[アンチョビ]]・[[サイウオ科
[[排卵]]時の卵は直径1mm程度で、直径3mm程度から栄養を母体に頼るようになる。胎盤との結合は[[卵黄嚢]]から形成され、特異な柱状構造と[[ガス交換]]を行う[[毛細血管]]網・長い付属物を持つ。胎盤組織は"trophonematous cup"という構造物で[[子宮]]壁に接し、母体の[[血]]流から栄養が送りこまれる<ref name="wourms">{{cite journal |author=Wourms, J.P. |title=Maximization of evolutionary trends for placental viviparity in the spadenose shark, ''Scoliodon laticaudus'' |journal=Environmental Biology of Fishes |volume=38 |pages=269–294 |year=1993 |doi=10.1007/BF00842922}}</ref>。これは魚類での[[胎盤]]性[[胎生]]として最も発達したものである<ref name="wourms"/>。
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人には無害である。[[刺し網]]・[[延縄]]・[[底引き網]]・[[罠]]・[[トロール網]]・[[釣り]]などで零細・商業漁業共に広く捕獲されている。肉は他魚の釣り餌として、鰭は[[ふかひれ]]として、粗は[[魚粉]]として用いられる<ref name="compagno"/><ref>{{cite book |title=Seafood of South-East Asia: A Comprehensive Guide With Recipes |author=Davidson, A. |edition=second |publisher=Ten Speed Press |year=2003 |isbn=1580084524 |page=125}}</ref>。また、肉を[[氷酢酸]]で処理し粉末状[[ゲル]]とすることで、[[サプリメント]]・[[生分解性]]フィルム、[[ソーセージ]]の皮などにも用いられる<ref>{{cite book |title=Advances in Fish Processing Technology |author=Sen, D.P. |publisher=Allied Publishers |year=2005 |isbn=8177646559 |page=499}}</ref>。
重要種だが漁業統計データはない。1996年の報告では、[[中国]]市場で、また北[[オーストラリア]]漁業で見られる最も一般的なサメだった<ref name="iucn"/><ref name="fowler et al"/>。[[インド]]・[[パキスタン]]でも大量に漁獲され、インドのある都市では1979-1981年にかけて年平均823t漁獲されていた<ref name="fowler et al"/>。[[カリマンタン島]]などで刺し網により[[混獲]]もされている<ref name="fishbase"/>。繁殖周期が短く多少の漁獲圧には耐えられるが、繁殖力自体は低いため[[IUCN]]は[[保全状況]]を[[準絶滅危惧]]としている<ref name="iucn"/>。沿岸性のため、沿岸の開発による影響も無視できない<ref name="fowler et al"/>。
==出典==
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{{DEFAULTSORT:とかりあんこうさめ}}
[[Category:メジロザメ
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