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</ref>を卒業することで阿闍梨の資格を得た若い世代の一般のチベット僧は、阿闍梨の資格はあっても亡命先などの特殊な事情や時間的な制約もあって、「阿闍梨の五明」を完全には学んではいない。また、チベット密教で通過儀礼となった約3年の閉関修行<ref>洞窟やお堂、決められた寺院の外には出ることが許されない「お篭り」の修行のこと、一定の目標やプログラムを終了することで外に出られる。チベットにはこれと似た行法として、暗闇の状態で篭る「ヤンティ」(黒関成就法)などもある。</ref>に基づく阿闍梨も同様である。一方、日本密教では、[[元暦]]2年に京都を中心とする一帯を襲った[[文治地震]]によって首都機能が完全に麻痺し、時の貴族政権が倒れただけでなく、国家仏教でもあった真言宗と天台宗は共に施設や人材に甚大な被害を受けて平安密教の終焉を迎えた。それ故、上記の学問である「阿闍梨の五明」のほとんどは[[鎌倉時代]]に失伝してしまった。
 
現在、日本密教で伝承されていると言えるものは、鎌倉時代に復興された詠いに基づく[[声明]]と、梵字の書道。更には、[[江戸時代]]に復興し大成された内容を主とする[[事相]]や内明の一部である。律蔵や因明については、近代の仏教学に基づく文献上の学問だけで、実際の[[戒律]]についての伝承は『[[出家]]戒』([[具足戒]])や『[[三昧耶戒]]』を含め、[[廃仏毀釈]]と[[世界大戦]]以降は失われてしまっている。
 
==阿闍梨戒==