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イシス信仰は、エジプトで[[ムト]]女神や[[ハトホル]]女神に代わって信仰を集め、紀元前1千年紀に地中海沿岸全域に広がった。[[ギリシャ]]では、イシスは、デーメーテール、後には、[[アプロディーテー]]と同一視された。[[共和政ローマ|共和政]]末期に[[ローマ]]へ持ち込まれて発展し、200年頃にはほぼ[[ローマ帝国]]全域で崇拝された。
 
ギリシア・ローマ時代には「[[アレクサンドリア]]港の守護女神」から「航海の守護女神」([[ソプデト]]の項目を参照。イシスと同一視されるソプデトは[[シリウス]]星の女神であり、シリウスは夜間の航海の標識となったことに由来すると考えられる)にもなった。
 
イシスは永遠の処女であり、オシリスの死後、処女のまま神(ホルス)を身ごもったとされ、「天上の聖母」「星の母」「海の母」などさまざまな二つ名を持った。しかし、信者が基本的に女性に限られたことや、信者の女性が一定期間の純潔を守ることを教義としたため、男性からの評判が悪く、衰退していった。やがてキリスト教の隆盛とともに、[[聖母マリア|マリア]]信仰に取って代わられた。「ホルスに乳を与えるイシス女神」像などが、[[イエス・キリスト|イエス]]の母・[[聖母マリア|マリア]]への信仰の元になったといわれる。エジプトに[[コプト正教会|コプト派]]キリスト教が広まると、イシス神殿は聖母マリアを祀る教会として使用された。イシス信仰は7世紀まで続き、果ては[[ブリテン島]]にまでも広がった。