「怒りの葡萄」の版間の差分

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| published = [[1939年]]
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| portal1 = 文学
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{{Portal|文学}}
『'''怒りの葡萄'''』(いかりのぶどう:''The Grapes of Wrath'')は、[[アメリカ合衆国]]の[[作家]][[ジョン・スタインベック]]による[[小説]]である。初版は[[1939年]]。この小説により、スタインベックは[[1940年]]に[[ピューリッツァー賞]]を受賞した。後の[[ノーベル文学賞]]受賞(1962年)も、主に本作を受賞理由としている。
 
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== 解説 ==
*本作は、奇数章に作者の[[ジョン・スタインベック|スタインベック]]の評論、偶数章にジョード一家の物語を整然と配置した構成を取っている。このような構成を取ることによって、本作は単純な「ジョード一家の物語」という枠を超えて、当時の[[大恐慌]]下のアメリカ社会に対する直接的な告発ともなっている。
 
*作者の[[ジョン・スタインベック|スタインベック]]は[[キリスト教]]文学、とりわけ[[聖書]]に決定的な影響を受けた作家である。本作でジョード一家が貧しい[[オクラホマ州|オクラホマ]]から、乳と蜜の流れる、豊饒な「約束の地」である[[カリフォルニア州|カリフォルニア]]に脱出するところは、[[旧約聖書]]のエクソダス「[[出エジプト記]]」をモティーフとしているという。また、物語の最後で'''ママ・ジョード'''が言う、「先の者が後にまわり、後の者が先頭になる」と。これも[[新約聖書]]の一節である。
 
このように本作は、一見「[[プロレタリア文学|社会主義小説]]」とも評される内容であるが(実際、出版当時そのような論評が数多く見られた)、それだけにおさまらない、きわめて深い内容を持つ作品である。