「自動車排出ガス規制」の版間の差分

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カリフォルニア州の規制は{{仮リンク|カリフォルニア州大気資源局|en|California Air Resources Board}}('''CARB''')により定められており、州知事命令(Executive Order、'''EO''')により、具体的な適用車種や[[モデルイヤー]]の範囲、規制値などが決定される。カリフォルニア州はその地形や交通事情などの事由から、全米50州でも特に大気汚染が深刻であったとされ、[[第二次世界大戦]]中の[[1943年]]には早くも[[光化学スモッグ]]の発生が記録されている<ref>『昭和47年度版 環境白書』119ページ</ref>。このスモッグは[[1952年]]に自動車から排出されるHC及びNOxが原因である事が特定され、[[1962年]]には米国初の排ガス規制である「[[クランクケース]]・エミッション規制」が州法で規定、同州内で販売される車両への[[PCVバルブ]]装着が義務付けられた。1965年からは独自に排気ガスへの規制も始まり<ref>[http://www.toyota.co.jp/jpn/company/history/75years/text/entering_the_automotive_business/chapter2/section3/item1.html 第2部 第2章 第3節 - 第1項 排出ガス問題の発生 - トヨタ自動車75年史]</ref>、1967年にCARBが創立されて以降は、米国のみならず世界的にも非常に先進的な規制政策が実施された。その為、自動車メーカーはカリフォルニア州で販売される車種には新型の排ガス対策機器の搭載や触媒の連装化、エンジン自体の特殊な改修を盛り込んだ'''カリフォルニア州仕様'''を設定しなければならない程であった。現在でも米国内の排ガス対策機器の補修部品(特に触媒)においては、カリフォルニア州向けの専用品がラインナップされており、同州州知事命令のどの世代(EO Number)に適合しているかを示す表記が行われる事が多い。前述の1994年全米規制値のモデルともなった1993年時点のCARB規制値では、日本の53年規制に匹敵する基準が課され、1990年以降段階的に制定されている各種の低公害車('''LEV''')仕様においては、日欧の規制値を上回る厳しい値が制定される事も珍しくなくなっている。
 
カリフォルニア州以外では、[[テキサス州]]の{{仮リンク|テキサス鉄道委員会|en|Railroad Commission of Texas}}(RRC)が[[LPG自動車|LPGエンジン]]のみを対象に独自の規制値を定めている。これは同州の[[ガス田]]や[[パイプライン|パイプライン輸送]]{{要曖昧さ回避|date=2014年6月5日}}開発などのエネルギー産業に対する規制と密接に絡むものである。
 
なお、米連邦内では[[石油危機]]を契機に1978年から'''企業別燃費基準'''([[CAFE]])が世界に先駆けて制定された。1975年前後の各社の排ガス対策はキャブレターの予熱等の霧化効率向上(CO、HC抑制)、[[希薄燃焼]]や[[バルブオーバーラップ]]の増大等で[[燃焼室]]温度を下げる'''エンジンの改良'''(NOx抑制)、EGRやサーマルリアクターなどの後処理装置の追加などが主流で、高価で信頼性がまだ不十分<ref group="注釈">[[1970年代]]当時は、触媒は耐久性の課題から''定期交換を要するもの''との認識や法整備がされており、交換コストを下げる為に排気管形状に合わせて成型固化された[[モノリス]]式ではなく、粒状の触媒を排気管に詰め込み、触媒のみの定期交換を容易とした[[ペレット]]{{要曖昧さ回避|date=2014年6月5日}}式を採用する事が多かった。しかし、[[ウール]]や[[ヘチマ]]状の多孔質とする、或いは[[ハニカム]]・[[レンコン]]様の孔を開ける等の手法が採れたモノリス式と異なり、ペレット式は浄化効率や排気抵抗の面で難があり、排気圧力の過大等の要因で排気管内のペレットの保持構造が破損した場合、排気口から車外にペレットが飛散する恐れがあった。</ref>であった[[還元]]・[[酸化]]などの'''二元触媒'''や三元触媒は、採用に二の足を踏むメーカーも存在した。しかし触媒以前の従来型の排ガス対策、特にエンジンの改良は排ガス性能向上と燃費が[[トレードオフ]]の関係になりやすかった為、CAFEの制定以降は従来型の排ガス対策では浄化性能と燃費基準の両立が次第に難しくなり、各メーカーは構造面や方向性における転換を迫られる事となった。その後、三元触媒の製造技術の向上により排気効率や耐久性が確保され、必ずしも定期交換を要さなくなった事から、80年代初頭より三元触媒にO2センサーを組み合わせ、[[空燃比]]測定による燃調の[[フィードバック]]制御を電気的に行う事で、浄化性能と出力性能、高燃費の全ての要素を満足する三元触媒方式が今日まで続く世界的な[[デファクトスタンダード]]となった<ref name="subaru">[http://www.jsae.or.jp/~dat1/interview/interview48.pdf 排出ガス対策を中心にしたスバルエンジンの開発 山岸曦一] - [[社団法人]][[自動車技術会]]</ref>。
 
==== 欧州 ====
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* [[PCVバルブ]] - 1960年代初頭に北米で[[光化学スモッグ]]対策のために導入。日本では昭和45年9月から'''ブローバイガス還元装置'''としてPCVバルブまたはシールド式[[クランクケースブリーザー]]の装着が義務付けられる<ref>[http://www.mlit.go.jp/hakusyo/transport/shouwa50/ind050404/001.html 昭和50年運輸白書]</ref>。
* [[チャコールキャニスター]] - 1971年に北米で初採用
* ダッシュポット - キャブレター車において、スロットルの急激な戻りによるHC増加を抑制する[[ダンパー|ショックアブソーバー]]{{要曖昧さ回避|date=2014年6月5日}}<ref>[http://members3.jcom.home.ne.jp/230hb/mainte/engine/dashpot/dash.htm ダッシュポット修理(48年排ガス規制車)- セドリック/グロリア 230 ハンドブック]</ref>
* 排ガス減少装置 - BCDDとも呼ばれる。[[エンジンブレーキ]]時に適量混合気や空気を追加投入する事でHCを抑制するバイパス機構<ref>[http://members3.jcom.home.ne.jp/230hb/mainte/engine/1carb.htm シングルキャブ調整 -3-2. BCDD(ブースト コントロール ディクレーション デバイス)- セドリック/グロリア 230 ハンドブック]</ref>
* [[2ストロークオイル]] - オイルの品質改良も2ストローク機関の排ガス対策には重要な要素であった。