削除された内容 追加された内容
Kurirai1 (会話 | 投稿記録)
編集の要約なし
1行目:
'''口径'''(こうけい)は、
* [[土器]]、[[陶磁器]]などの[[口縁部]]の[[径|直径]]({{lang-en-short|[[:en:diameter|diameter]]}})を指す。
* [[パイプ]]や中空の円筒形、[[バルブ]]などの[[内径]]を指す。
* [[レンズ]]などで[[光]]が通過する有効直径を指す。[[口径 (光学)]]を参照。
* [[銃|銃器]]における単位の一つ(本項で詳述)。
 
== 口径(銃火器) ==
口径({{lang-en-short|calibre}})は、[[火器]]や砲において[[銃砲身]]のサイズを示す言葉として用いられている。現在では火器で使用される「口径」の語は、複数の意味で用いられる。
 
=== 銃 ===
[[銃]]における口径は、[[|銃身]]の内径(≒発射される[[弾丸]]の直径)を示す。単位としては[[ヨーロッパ]]で主用される[[メートル法]]と[[アメリカ合衆国|米国]]で用いられる[[ヤード・ポンド法]]の二つが用いられている。このほか重量単位が用いられることがある。銃身長は3[[インチ]]や77mm77[[ミリメートル]]といった実測値がそのまま表記される。
 
[[拳銃]]などにおいて、n口径とは、[[銃口]]の内径が「100分のn」インチであることを意味し、独立の単位として存在する。1インチは25.4ミリ(=2(=2.54[[センチメートル]])であるので、たとえば40口径は約10ミリである。また50口径は別名「半インチ」(12(12.7mm) 7mm)となる。表記においては小数点 (.) を数字の前に書き記すことも多い。口径の後ろに固有の名前をつけて弾種が表される。たとえば、[[日本の警察]]用拳銃、[[ニューナンブM60]](現在は[[S&W M36#S&W M37/M38/M42 エアーウェイト|S&W M37]]だが同じ)の口径は38口径で[[弾薬]][[.38スペシャル弾]]が用いられている。まれに、弾丸の直径ではなく[[薬莢]]の直径を表している場合がある。一般に38口径≒9mmとされているが、薬莢の直径が0.38インチ (9(9.65mm) 65mm)であり、弾丸の直径が9mmである。[[マグナム (実包)|.357マグナム]](0.357インチ=9mm)=9mm)用の銃は、.38スペシャル弾を発射することが可能であるが、この場合は数値は異なっているが、実際に発射される弾丸のサイズは同じである。
 
欧州においては弾種は口径×薬莢長の表記が用いられている。単位はいずれもmmである。たとえば [[9mm9x19mmパラベラム弾]]として知られる拳銃弾は9mm×19の名前でも知られている。また米国で[[:en:.223 Remington|.223レミントン]]として開発された[[小銃]]弾は改良を重ねて欧州に渡り現在は[[5.56mm56x45mm NATO弾]]として制式使用されている。
 
=== 砲 ===
[[ファイル:calibre_bore_length_gdl.png|thumb|上が口径、下が口径長]]
[[]]においては、[[]]と同様に砲身内径(bore (bore diameter)diameter)、すなわち発射される[[砲弾]]の直径を示す言葉として用いられる口径と、[[銃砲身|砲身]]の長さを示す単位の短縮形である口径の二つの意味で用いられている。砲身の長さは口径長という語で表すのが正式だが一般的にこちらで呼ばれる。
 
[[大砲]]の砲身長を示す[[単位]]として、その砲の口径が用いられている。すなわち砲身長の実測値を口径の値で割ったものを口径長と称し、砲身の長さを示す値として用いる。例えば70口径(長)の75[[ミリメートル]]砲とは、口径が75ミリで、砲身長が75mm×70口径=5=5,250mm(5.25[[メートル]])であることを表す。一般論では、同一口径の砲でも口径長が大きい砲のほうが砲身内を砲弾が通過する時間が長くなり、より長い間発射体を加速できる。そのためその砲の撃つ弾の初速が上がり、[[徹甲弾]]は貫通力が増し[[榴弾]]でも射距離を伸ばすことができる。しかし砲は重く大きくなる。
 
=== 重量単位 ===
[[弾丸]][[]][[]]弾だったころは、鉛の重さが決まればそのの直径は常に同じとなることから、弾丸の重さによって口径を示す方法が広く用いられていた。この方法は弾丸の形が紡錘状に変化することで意味を失ってしまったが[[1950年代]]までの[[イギリス]][[大砲]]、[[散弾銃]]、[[日本]]の[[火縄銃]]の口径を示す方法として、現在も用いられている。
 
==== イギリスの火砲 ====
[[第二次世界大戦]]終結ごろまでに[[イギリス]]で設計された[[大砲]]は、同時期の[[ドイツ]][[フランス]]などの[[ヨーロッパ|欧州大陸諸国]][[メートル法]](フランスは[[ミリメートル]] (mm)(mm)、ドイツは[[センチメートル]] (cm) (cm)による内径長表記式を用いていたのとは対照的に独自の表記法を使用していた。
 
直接照準で使用される[[野砲]]や[[対戦車砲]]、[[戦車砲]]は伝統的に重量単位で口径が示されてきた。単位は[[ポンド (質量)|ポンド]]が用いられた。たとえば[[第一次世界大戦]]における主力野砲であった[[QF 18ポンド砲|18ポンド野砲]]の口径は約84mm、第二次世界大戦における主力[[野戦砲]][[QF 25ポンド砲|25ポンド野砲]]の口径は約87.6mm。[[戦車#戦後第1世代主力戦車|戦後第一世代]][[戦車]]である[[センチュリオン (戦車)|センチュリオン]]の[[主砲]]は、[[センチュリオン (戦車)#バリエーション|センチュリオン Mk.I]]では[[オードナンス QF 17ポンド砲|17ポンド砲]](約76.2mm)が搭載されており、[[イスラエル]]に輸出され[[中東戦争]]などで活躍したセンチュリオン Mk.III では20ポンド砲(約84mm)に増強されている。
 
逆に間接照準で運用される[[榴弾砲]]や[[カノン砲]]では内径長による表記法が用いられていたが、単位には[[インチ]]が使用されていた。たとえば第一次世界大戦期の榴弾砲では[[QF 4.5インチ榴弾砲|4.5インチ野戦榴弾砲]]の口径は約114mm、[[BL 6インチ 26cwt榴弾砲|6インチ中榴弾砲]]の口径は約152mm、[[BL 8インチ榴弾砲 Mk6|8インチ重榴弾砲]]の口径は約203mmであった。第二次世界大戦期の主力カノン砲であった[[BL 5.5インチ砲|5.5インチ砲]]の口径は約140mmである。
 
[[北大西洋条約機構|NATO]]への加盟の影響もあってか現在ではメートル法(ミリメートル)を単位とする内径長による表記に統一されている。たとえばイギリスで設計され[[戦車#戦後第2世代主力戦車|戦後第二世代戦車]]の標準的な[[戦車砲]]となった[[ロイヤル・オードナンス L7]]の口径は105mm の表記が用いられている。
 
==== 火縄銃 ====
[[日本]]の[[火縄銃]]の口径も重量単位で示される。10[[匁]]の中筒(なかづつ)で約18mm、30匁の大筒(おおづつ)で約26mmの口径となる<!--ここでは国友鉄砲研究会の資料による分類を用いた-->。
 
==== 散弾銃 ====
正確に言えば、[[散弾銃]]のサイズは番号と呼び口径というのは間違いであるが、ほぼ同じ意味で用いられるのでここで説明する。
 
すなわち散弾銃のn番とは、1/n[[ポンド (質量)|ポンド]]の球形の[[鉛]]の直径であり、その[[]]弾が適合する[[|銃身]]の内径を言う。[[英語]]ではゲージ (gauge) (gauge)という。数字が小さいほど大口径ということになる。競技用や[[狩猟]]用に広く世界的に用いられる散弾銃は12番口径で、その口径は約18.5mm、大型獣の狩猟に用いられる10番では約20mmとなる。その昔に水鳥撃ちで用いられたパント銃([[ボート]]の[[船首|舳先]]に据え付けて用いる[[]]。一発で多数の猟果があがる)は1番や2番といった大口径となっており、[[インチ]]を超えるものはそのまま内口径長で表されていた。例外的に[[アメリカ合衆国|米国]]で競技用に開発された410番は[[弾薬]]の直径をインチで表したもの、すなわち0.410インチであることからこう呼ばれている。
 
ちなみに散弾銃は複数の[[散弾]]を納めた弾薬を発射する銃であるが、その散弾にも粒径による規格がある。[[欧米]]では大別して鳥撃ち用 (Birdshot) (Birdshot)と鹿撃ち用 (Buckshot) (Buckshot)に分けられ、各サイズを[[散弾銃#用途による種類|英数字で表している]]。鳥撃ち用の場合、数字が大きくなると散弾の直径が0.01インチずつ小さくなってゆく。この規格はそのまま[[日本工業規格|JIS]]に取り込まれているが、そのサイズは[[メートル法]]に丸められている。たとえばBBは0.18インチで4.57mmだがJISでは4.5mmとなっている。なおこのBBは[[遊戯銃]]で用いられている[[BB弾]]とはサイズが異なる。またJISでは数字には「号」をつけて1号、2号のように呼称するが欧米では特に何もつけずに表記される。7-1/2などの端数に号をつけると煩雑になるので「7半」のような表記も行われる。鹿撃ち用の場合も数字が大きくなると直径は小さくなるがその単位は一定しておらず、0.01から-0.03インチが用いられる<!--この規格も弾の重量が関係するらしいのだが諸説あってはっきりしないのでこの版では記述せず将来の課題とする-->。
 
== 関連項目 ==
* [[ライフリング]]
 
{{DEFAULTSORT:こうけい}}