「小選挙区比例代表並立制」の版間の差分

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その議会全体で比例的な結果を得るために政党名簿が使われる[[小選挙区比例代表併用制|併用制]]と違い、並立制では、比例性は比例代表部分の議席のみに限定される。従って、5%の得票が見込まれる政党があるとすると、その政党は比例代表部分でのみ5%を獲得し、全議席の5%を獲得するわけではない。
 
全議席と比較した比例代表部分の比率は、フィリピンの8.75%から日本の37.59%、アルメニアの68.7%まで、広く上下する。この割合が低いほど[[多数代表]]の性質が強くなる。
 
== 利点と欠点 ==
{{See also|小選挙区制|比例代表制}}
並立制は、小選挙区での当選が困難な小政党が比例代表において当選する事が可能であるが、比例代表制とは異なり、得票率に対して議席占有率は低くなる。
 
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日本・タイなどの国は、並立制を大政党が結束力を高める手段として採用した。もし民主主義の範囲内で強大な政党を築きたい場合、この制度は使いやすい。その指導部が当選を確保するために、政党名簿の最上位位置を占める。対照的に、併用制の下では、選挙区の議席で多数を獲得した政党は、補償のための名簿議席を必要とせず獲得もしないので、指導部は地元の選挙区に立たなければならないし、指導部が落選する場合もある。
 
ちなみに有権者にとっての利点は、支持政党から出馬している候補が嫌いな時である。醜聞などでその候補を支持出来ない時に、政党と個人を分けて投票することができる。
 
[[駿河台大学]]法科大学院教授の[[成田憲彦]]は、「第1党の比例単独下位で当選した議員は、日常活動の場としての選挙区を持たず、次回の当選も見込めずにポピュリズム的行動に走り、党の不安定化要因となった」と指摘している<ref>[http://www.akaruisenkyo.or.jp/wp/wp-content/uploads/2013/03/11%E5%8F%B7.pdf 特集 選挙制度を考える - 明るい選挙推進協会] p.9 </ref>。
 
羽原清雅は、「派閥の弱体化に伴い党執行部の権限が強化され、強引な解散権の行使や、選挙の焦点を一点に絞って世論の不消化を招く「非民主的な権力行使」につながった」と指摘している<ref>[https://appsv.main.teikyo-u.ac.jp/tosho/khabara20.pdf 小選挙区制導入をめぐる政治状況] p.49 - 50 </ref>。
 
[[名古屋大学]]大学院法学研究科准教授の[[大屋雄裕]]は、「衆参両院が2つの理念を折衷した選挙制度をそれぞれ採用しており、両院がともに明確な理念を示さない制度を採用している」と指摘している<ref>[http://www.akaruisenkyo.or.jp/wp/wp-content/uploads/2013/03/11%E5%8F%B7.pdf 特集 選挙制度を考える - 明るい選挙推進協会] p.5 </ref>。
 
== 各国の例 ==
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* [[国民議会 (東ティモール)|東ティモール国民議会]] - [[2001年]][[8月]]の[[東ティモール制憲議会選挙|制憲議会選挙]]で採用された。
* [[アルバニア]] - 1997年まで使われた。
== ;出典 ==
* :[http://www.ipu.org/english/home.htm Inter Parliamentary Union (IPU)] - 列国議会同盟ホームページ]
 
==脚注==
{{Reflist}}
 
== 関連項目 ==
* [[小選挙区制]]