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Qproc (会話 | 投稿記録)
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コンパクト連星などというが、それらの合体現象もr過程の天体起源の有力な候補である。
例えば、中性子星同士の連星である連星中性子星が代表的なものである。
中性子星同士が連星をなして互いに回り続けるが、このような系は長い進化の間に、
角運動量を重力波として放出し、最終的にエネルギーを失い、互いに衝突すると考えられている。
中性子星同士が合体した中心には最終的にはブラックホールが残ると考えられるが、
その激しい衝突過程で周囲に物質を撒き散らすと考えられている。
単純に考えれば、その際には、もともとが中性子星を構成していた非常に中性子過剰な物質が放出されると予想される。
 
連星中性子は早い段階でr過程の候補として考えれてはいたのだが、
その流体力学シミュレーションが非常に難しく、
様々な点において超新星爆発に比べて観測的な根拠が薄いようにみえるため、
メインの天体サイトとしては扱われてこなかった。
しかし、超新星爆発説(中性子星風)が理論的に困難であることが明らかになり始めた後は、
関連する[[重力波]]の観測や付随するショート[[ガンマ線バースト]]や[[キロノヴァ]]との関係から
高い関心を持たれてきている。
冷静中性子星の合体シナリオでr過程元素の太陽系組成パターンを説明するには、
今のところ以下のような解決すべき問題点がある。
 
* 放出物が極端に中性子過剰であるためr過程が非常に強く進行し、瞬く間にウランやそれを超える原子核が生成され核分裂を起こす。核分裂を引き起こしながらr過程が進行するため(核分裂サイクル)重い原子核から優先的につくられ中間のr過程元素や軽めの核が生成されない。
 
== 天体観測 ==