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'''株式会社ケンウッド'''(''Kenwood Corporation'')は、かつて存在した家庭用[[オーディオ]]機器、カーマルチメディア機器([[カーオーディオ]]・[[カーナビゲーション]]など)、[[無線通信]]機器([[アマチュア無線]]、[[業務無線]]など)のメーカーである。[[日本ビクター]]等との合併により現在は株式会社[[JVCケンウッド]]の商品ブランドとして引き続き使われている。ブランドステートメントは 「Listen to the Future」本社は[[東京都]][[八王子市]][[北八王子工業団地]]内に所在した
 
[[日本ビクター]]との合併以降、'''KENWOOD'''は株式会社[[JVCケンウッド]]の商品ブランドとして引き続き使われている。
 
== 設立経緯と事業遷移 ==
{{基礎情報 会社
|社名 = 株式会社ケンウッド
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|特記事項 = 2011年10月1日株式会社JVCケンウッドに合併。
}}
[[長野県]][[駒ヶ根市]]に有限会社春日無線電機商会として設立。当初は高周波コイル([[ラジオ]][[受信機]]の部品)製造からスタートした。山に囲まれ外来電波が届きにくい、すなわち非常に静穏でノイズが少ない電波環境である[[伊那谷]]で培った高周波技術がFMチューナー、無線機器の礎となっている(非常に高性能な[[電波暗室]]を所有することができた)
 
'''株式会社ケンウッド'''(''Kenwood Corporation'')は、かつて存在した家庭用[[オーディオ]]機器、カーマルチメディア機器([[カーオーディオ]]・[[カーナビゲーション]]など)、[[無線通信]]機器([[アマチュア無線]]、[[業務無線]]など)のメーカーである。[[日本ビクター]]等との合併により現在は株式会社[[JVCケンウッド]]の商品ブランドとして引き続き使われている。ブランドステートメントは 「Listen to the Future」。本社は[[東京都]][[八王子市]][[北八王子工業団地]]内。
 
== 概説 ==
[[長野県]][[駒ヶ根市]]に有限会社春日無線電機商会として設立。当初は高周波コイル([[ラジオ]][[受信機]]の部品)製造からスタートした。山に囲まれ電波が届きにくい環境である[[伊那谷]]で培った高周波技術がFMチューナー、無線機器の礎となっている。
 
1947年に商標をTRIOとし、1960年には社名もトリオに変更。
オーディオブーム全盛の頃には[[山水電気]](現在は破産)済み)、[[パイオニア]]と並びオーディオ御三家とされ俗に「'''サン・トリ・パイ'''」と呼ば[[通称]]された。
 
また、長年アマチュア無線や受信機を手がけてきた技術の蓄積生かし評価され「チューナーのトリオとも呼ばれていた。アマチュア無線機器では[[アイコム]]、八重洲無線(のちの[[バーテックススタンダード]]前身のひとつ)と共に、三巨頭を形成していた。
 
2008年現在の主力商品は、カーマルチメディア機器、家庭用オーディオ機器、無線機器であった。カーオーディオは[[スバル|富士重工]]や[[ホンダ]]などに純正オーディオとして供給している
 
かつては単体のラジオ受信機、[[携帯電話]]、[[PHS]]、[[コードレス電話]]、[[ファクシミリ]]、[[磁気テープ]]などの製造、音楽レコードの制作([[トリオレコード]])を行っていたが、業績の不振で撤退している。
 
[[オシロスコープ]]などの計測機器事業は1996年より子会社の'''ケンウッド・ティー・エム・アイ'''(Kenwood TMI Corp.)が開発・製造・販売を行っていたが、2002年に[[日本毛織]]へ譲渡。2006年12月1日より株式会社テクシオ(TEXIO(TEXIO CORPORATION)CORPORATION)に社名変更を行っている。
 
[[デジタルオーディオプレーヤー]]市場には、2001年初頭にWMAフォーマット対応のCDプレーヤータイプで参入するも事実上失敗に終わる。 2005年にフラッシュメモリタイプで再参入。当初は[[クリエイティブテクノロジー|クリエイティブ社]]のOEM供給を受けていた。また近年でのちには[[Media Keg|MEDIA keg]]シリーズで[[リニアPCMレコーダー]]を発売したことがある(ただし2011年度をもって撤退)。
 
かつて、[[TDK]]から[[OEM]]供給を受けて、[[コンパクトカセット]]を販売していた。
 
=== 日本ビクターとの経営統合 ===
2006年12月、松下電器産業(現 [[パナソニック]])から[[日本ビクター]]を買収する交渉に入ったという報道がなされたが、最終的には条件が折り合わず見送った。
 
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2011年5月13日、10月1日にケンウッドを含む3事業会社と、JVC・ケンウッド・ホールディングス株式会社(8月1日に株式会社JVCケンウッドに改称)が合併する計画が発表された。10月1日に予定どおり合併が行われ、株式会社ケンウッドなる法人は65年の歴史に幕を下ろした。
 
=== 沿革 ===
* [[1946年]] - 「有限会社春日無線電機商会」を[[長野県]][[駒ヶ根市]]に設立
* [[1947年]] - 商標を「TRIO」に決定
* [[1950年]] - 社名を「春日無線工業株式会社」に変更
* [[1955年]] - 東京都大田区に東京事業所設立
* [[1960年]] - 社名を「トリオ商事株式会社」に変更
* [[1961年]] - 東京証券取引所市場第二部に上場
** 日本国外向けブランド名KENWOODが誕生を設定
* [[1963年]] - 東京都八王子市に八王子事業所設立(現在のちの本社)
* [[1969年]] - 東京証券取引所市場第一部に上場
** 音楽レコード事業に進出レーベルは「トリオレコードに進出。
* [[1979年]] - シンガポールに初の日本国外工場を設立
* [[1980年]] - カーオーディオ事業に進出
* [[1981年]] - 山形県鶴岡市に「東北トリオ株式会社」(現・のちの山形ケンウッド)設立
* [[1985年]] - 音楽レコード事業(トリオレコード)から撤退
* [[1986年]] - 社名を「株式会社ケンウッド」に変更
* [[1989年]] - 東京事業所を神奈川県横浜市緑区に移転、横浜事業所を設立
* [[1990年]] - 長野県伊那市に「株式会社長野ケンウッド」を設立
* [[1994年]] - 中国上海市に「上海建伍電子有限公司」(当初はは合弁)を設立
* [[1996年]] - マレーシア工場を設立
* [[2001年]] - 中期再建計画を発表
* [[2002年]] - [[産業再生法]]を申請し、抜本再建計画を発表
** 本社を東京都八王子市に移転
* [[2004年]] - 東洋通信機株式会社(のちの[[エプソントヨコム]])より無線機事業譲受
* [[2005年]] - ブランド「ケンウッド」ブランドが25周年を迎える
** [[アイコム]]株式会社と技術面および資本面で提携
* [[2006年]] - 創立60周年を迎える
* [[2007年]] - 米国の無線通信事業会社であるZetron社を子会社化
** 1月、創立者である春日二郎が去。享年89
** 6月28日、河原春郎が会長となり塩畑 一男が社長に就任
** 10月1日、日本ビクターとの技術開発合弁会社、J&K テクノロジーズ株式会社を
* [[2008年]]10月1日 - 日本ビクターと共同持株会社、[[JVC・ケンウッド・ホールディングス]]株式会社を設立し、JVC・ケンウッド・ホールディングス同社の完全子会社となる。
* 2011年10月1日 - 株式会社JVCケンウッド合併
 
== 社名の由来使用ブランド ==
1947年2月に採用された「TRIO」ブランドは、音楽に関係した事業内容にふさわしいブランドとして選ばれたもので、親族による経営(春日仲一・弟の二郎・叔父の久夫の3名)が三重奏のように調和するという願いも込められている。1960年1月には、ブランド名に合わせて、社名がトリオ株式会社(日本国内販売会社はトリオ商事株式会社)に変更されている<ref name = "history">[http://www.kenwood.co.jp/corporate/history/brand/index.html 株式会社ケンウッド|企業情報|ケンウッドについて|社史]</ref>。
 
「KENWOOD」ブランドは、1961年11月に日本国外向けブランドとして採用されたものである。アメリカ事務所を設置した際、既に「TRIO」が商標登録されていたため、急遽ブランド名を考えなければならなかった。そこで、よいイメージのある[[ハリウッド]]の「WOOD」に、語のつながりがよく高級感がある「KEN」を合わせて「KENWOOD」とした<ref name = "history"/>。
 
日本国内では「TRIO」ブランド「TRIO」のみが使用されていたが、1979年10月に最高級オーディオ製品のLシリーズが導入された際に、その専用ブランドとして「KENWOOD」が初めて使われた。その後、まったく同じオーディオ製品(ミニコンポ、ステレオ)を「TRIO」、「KENWOOD」両ブランドで並行販売したところ「KENWOOD」ブランド製品ばかり売れたこともきっかけとなり<ref name="nakanishi2010-1">[[中西元男]]著、「コーポレート・アイデンティティ戦略」P. 56</ref>、1981年8月には「KENWOOD」がコーポレートブランドとされ、一部製品に「TRIO」を残して、ブランド「KENWOOD」に統一された。さらに、1986年6月には社名が株式会社ケンウッドに変更されるとともに、全ての製品が「KENWOOD」ブランドに統一された<ref name = "history"/>。
 
2006年には、創立60周年を記念して、日本国内向けに「TRIO」ブランドを復活した限定モデルが発売されている<ref>[http://www.kenwood.co.jp/newsrelease/2006/20060706.html Press Release 創立60周年記念「TRIOモデル」第一弾にアマチュア無線機オールモード・マルチバンダー「TS-2000S(ブラックバージョン)」を限定発売]</ref>。
 
なお、[[ケンウッド (キッチン用品)|調理器具を製造する同名の企業]]がイギリスにある(同社のロゴは「K」の斜線部分が赤い)が、関連は一切ない(社名は同社の創業者に由来。現在はのちに[[デロンギ]]傘下)。そのため、ロゴには同社との識別のため「W」に赤い逆三角形が入っている。事業分野が重複しない(また同社は日米では事業を展開していない)ため同じ商標を使用しているとみられる。
 
== 脚注 ==
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== 関連項目 ==
* [[音響機器]]
* [[Kseries]] - ケンウッドが販売している[[ミニコンポ]]のブランド名
* [[Avino]] - 1990年代後半~2000年代前半にケンウッドが販売していたミニコンポのブランド名
* [[ALLORA]] - 1990年代にケンウッドが販売していたミニコンポのブランド名
* [[Kseries#K's|K's]] - 1990年代にケンウッドが販売していたミニコンポのブランド名
* [[ROXY]] - 1980年代~1990年代にケンウッドが販売していたミニコンポのブランド名
* [[RAMPAGE]] - 1990年代後半~2000年代前半にケンウッドが販売していたラジMD・ラジカセのブランド名
* [[KENCRAFT]] (かつてトリオが販売していた自作キット類のブランド名)
* [[AVENUE]] - ケンウッドが販売しているカーナビゲーションシステムのブランド名
* [[Media Keg|MEDIA keg]] - ケンウッドが販売していた[[デジタルオーディオプレーヤー]]のブランド名(現在は撤退している済み
:* [[アキュフェーズ]] - [[1972年]]に、トリオの創業者・春日二郎らがトリオをスピンアウトして設立した
*[[アキュフェーズ]]
:* [[エフエム東京|FM東京]] - [[1985年]]まで、トリオがスポンサーとなって時報CMが放送されていた。時報CMは「共通時報」の形で、[[エフエム愛知|FM愛知]]・[[エフエム大阪|FM大阪]]・[[エフエム福岡|FM福岡]]・[[広島エフエム放送|広島FM]]・[[極東放送 (沖縄)|極東放送]](現:のちの[[エフエム沖縄|FM沖縄]])でも放送されていた。
:[[1972年]]に、トリオの創業者・春日二郎らがトリオをスピンアウトして設立した。
* [[山下達郎]] - [[1978年]]から数年間、時報CMで流れた[[アカペラ]]のジングルを制作。アルバム『[[山下達郎CM全集 Vol.1 (Second Edition)]]』に収録されている
*[[エフエム東京|FM東京]]
* [[マクラーレン]](F1 - F1チーム、[[1991年]][[日本グランプリ (4輪)|日本GP]]から無線機材を供給している。)
:[[1985年]]まで、トリオがスポンサーとなって時報CMが放送されていた。時報CMは「共通時報」の形で、[[エフエム愛知|FM愛知]]・[[エフエム大阪|FM大阪]]・[[エフエム福岡|FM福岡]]・[[広島エフエム放送|広島FM]]・[[極東放送 (沖縄)|極東放送]](現:[[エフエム沖縄|FM沖縄]])でも放送されていた。
* [[アートユニオン]] - トリオレコード時代の音源を所有している。)
*[[山下達郎]]([[1978年]]から数年間、時報CMで流れた[[アカペラ]]のジングルを制作。アルバム『[[山下達郎CM全集 Vol.1 (Second Edition)]]』に収録されている)
* [[新田渉世]] - 元プロボクサー、引退後に勤務していた。)
*[[マクラーレン]](F1チーム、[[1991年]][[日本グランプリ (4輪)|日本GP]]から無線の供給をしている。)
*[[アートユニオン]](トリオレコード時代の音源を所有している。)
*[[新田渉世]](元プロボクサー、引退後に勤務していた。)
 
== 外部サイトリンク ==
{{Commons|Category:Kenwood}}
* [http://www2.jvckenwood.com/ KENWOOD]
 
{{DEFAULTSORT:けんうつと}}