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'''寒春'''(かんしゅん)とは[[平年値|平年]]([[1981年]] - [[2010年]]の平均)に比べて[[気温]]が低い[[春]]のことである。[[気象庁]]による3[[平年値#階級表現|階級表現]]で毎年3月 - 5月の[[平均気温]]が「低い」に該当した場合の春を指す(階級表現に関しては[[#外部リンク|外部リンク]]も参照のこと)。近年(平成(1990年代以降)での全国的な寒春は特に4月を中心に異常低温となった[[1996年]](3月、4月、5月)など。日本の観測史上最低の気温の低さとなった春は[[1936年]]。
== 影響 ==
寒春の年は大陸から強い[[寒気]]が流れ込みやすく[[西高東低|冬型の気圧配置]]になる日が多くなるため、冷たい[[雨]]や[[雪]]をもたらす[[南岸低気圧]]が発生しやすくなる。また[[ラニーニャ]]発生年、北極海氷が極端に少い年は、寒冬に続き寒春になりやすい傾向がある。気温が降霜の目安となる5℃以下、または[[氷点下]]にまで下がりやすくなる、平野部でも[[降雪]](寒気が強い場合は[[積雪]]、ひどい場合は[[豪雪]]の恐れも)・[[路面凍結]]が起きやすくなる、などの影響がある。その結果、[[染井吉野|桜]]の開花・[[満開]]・[[発芽]]・[[新緑]]時期の遅れ、[[寒の戻り]]や花冷えの多発、[[豪雪地帯]]における[[融雪]]や解氷の遅れ、[[終雪]]の遅れが生じやすい。[[冷害]]や[[霜害]]が発生すると[[農産物]]の生育を妨げ、経済的な損失が発生することもある。
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:この年は顕著な大暖冬だったが3月中旬から一転して低温傾向に転じ冬型の気圧配置になりやすく非常に強い寒気が断続的に流入したため、気温が平年を下回る日が多くなった。特に3月下旬には東海から西の太平洋側でこの時期としては稀な降雪や凍結があり、[[名古屋市]]や[[大阪市]]などでも雪が舞った。4月は前半に東日本を中心に低温となったほか、下旬には東北地方や関東北部でも季節外れの降雪や積雪を観測した。夏にかけてはさらに著しい低温傾向が強まり、戦後有数の[[冷夏|大冷夏]]・大冷害となった([[1993年米騒動]]も参照)。ゴールデンウィークの[[5月2日]]には新緑寒波となり、関東で1月上旬並みの異常低温となった。しかし[[5月13日]]には[[フェーン現象]]の影響で関東地方で記録的な暑さとなり[[埼玉県]][[秩父市]]で最高気温37.2℃、[[群馬県]][[前橋市]]で36.5℃など5月としては異例の[[猛暑|猛暑日]]を記録した。
;[[1996年]]
:この年は北海道以外は並冬・厳冬で春の訪れが遅く、冬の低温傾向が春にかけても継続した。なお、1986年以来のことである。特に4月の低温が顕著で、暖春が多い[[1990年代]]において1993年と並ぶ数少ない寒春年である。3月上旬と下旬・4月上旬から中旬にかけて冬型になりやすくその時期としては非常に強い寒気が流れ込んだため、[[4月8日]]と[[4月12日|12日]]には[[大阪市]]・[[京都市]]・[[岐阜市]]・[[名古屋市]]などの東海から西の太平洋側平野部で4月としては異例の降雪を観測し[[西日本]]の多くの地点で観測史上もっとも遅い[[終雪]]の記録を更新した。東海から西の4月降雪は1965年以来31年ぶり。この顕著な低温・天候不順傾向は4月下旬で終息し、ゴールデンウィークには各地で夏日が出現、5月は全国的に高温傾向となり5月26日には大阪市で真夏日(30.2℃)を記録するなど寒暖の変動が大きい春であった。この年は寒春になりやすい[[ラニーニャ現象]]が発生していた。また、この影響が夏にかけても続き、西日本を中心に猛暑になった。
;[[2005年]]
:春全体では北日本と南西諸島限定である。東・西日本では平年並みかやや低かった。特に3月は西日本と南西諸島で低温となった。5月はオホーツク海高気圧の勢力が強く、東日本から北日本までが低温で推移した。5月中旬にはオホーツク海高気圧と北東風の影響で東北から関東にかけては雲が多く低温傾向となり、[[5月13日|13日]]には[[仙台市]]で5月の日最高気温としては史上2番目に低い8.4℃を記録した。3月は上旬に[[沖縄県]]で真冬並みの顕著な低温となり、最高気温が連日15℃以下と寒くなった。[[3月4日|4日]]には東京都内や[[福岡市]]などの太平洋側の多くの地点で[[積雪]]を観測。[[3月6日|6日]]にはこの時期の降雪が稀な[[九州|九州地方]]南部でも雪となり、[[種子島]]で28年ぶりの降雪を観測した。同月中旬以降も気温が上がらず[[3月13日|13]]から[[3月14日|14日]]は[[山陰地方]]で3月としては1988年以来17年ぶりの大雪と顕著な低温、[[2005年日本国際博覧会|愛・地球博]]が開催された[[3月25日|25日]]には真冬並みの寒気が南下し、名古屋市や岐阜市などの太平洋側でも3月後半としては異例の降雪を観測した([[東海地方|東海]]以西で3月後半以降に降雪が観測されたのは1996年以来9年ぶり)。この影響で桜の開花も平年より3〜6日遅れた。しかし4月に入ると一変し、移動性高気圧に覆われて晴天の日が続いて暖気が流れ込みやすく高温で記録的な暑さとなる日がしばしばあった。[[4月6日]]には[[山梨県]][[大月市]]で[[気温#気温による一日の分類|真夏日]]となり最高気温30.6℃を記録、[[4月28日|同月28日]]にも[[鳥取県]][[米子市]]で国内の4月の一日の最高気温としては歴代最高となる33.7℃を記録した。