「就寝形態」の版間の差分

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日本における就寝形態の実態調査は、1960年代のアメリカの人類学者W.コーディルとD.プラースによる東京、京都、松本における調査から始まる。コーディルは日米の乳児と母親の行動比較、プラースは日本人の生き方研究と、それぞれ別の関心から日本人の生活背景の一つとしての家族の寝方の実態調査を行った。
 
彼らは、日本の家族323世帯の就寝形態の実態をライフサイクルの視点からから分析して、「日本の家族は他に空き部屋があるのにかたまって親子同室に寝るコ・スリーピング([[co-sleeping]])の習慣があり、日本人は、幼い時は両親と児童・少年期はきょうだいと共寝をし、独りで寝ることは、青年期と伴侶と死別した老年期のみである」と指摘した。彼らはさらに「コ・スリーピングの習慣は、家族成員間の情緒パターン(emotional patterns)に関連し、同時に文化間の相違を反映すると思われる」と述べ、日本の家族には欧米のような夫婦関係中心ではなく親子一体性という文化的な規範があると論じた<ref>(12)</ref>。
彼らが1966年『精神医学』“Psychiatry”に発表した「誰が誰と寝るか?日本の都市家族における親子の関わり」“Who Sleeps by Whom? Parent-Child Involvement in Urban Japanese Families.”という論文は、幼児といえども夫婦の寝室で寝せないアメリカ社会ではかなりの反響を呼んだ。