「アニサキス」の版間の差分

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少し書き直し アニサキスは研究材料としては用いられていません。
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|画像 = [[ファイル:Anisaquis_2012a_06.JPG|250px]]
|画像キャプション = [[メルルーサ]] ''Merluccius''<br>の腹腔内に寄生したアニサキスの幼虫
|界 = [[動物界]] [[w:Animalia{{Sname||Animalia]]}}
|門 = [[線形動物門]] [[w:Nematoda{{Sname||Nematoda]]}}
|綱 = [[双腺綱]] [[w:Secernentea{{Sname||Secernentea]]}}
|亜綱 = [[旋尾線亜綱]] [[w:Spiruria{{Sname|Spiruria]]|Ascaridida}}
|上科 = [[回虫|回虫目上科]] [[w:Ascaridida{{Sname|Ascaridida]]|Ascaridoidea}}
|科 = [[回虫上アニサキス科]] [[w:Ascaridoidea{{Sname|Ascaridoidea]]|Anisakidae}}
|科 = [[アニサキス科]] [[w:Anisakidae{{Sname|Anisakidae]]|Anisakinae}}
|亜科 = [['''アニサキス亜科]]属''' [[w:Anisakinae{{Snamei|Anisakinae]]Anisakis}}
|属 = '''アニサキス属''' ''[[w:Anisakis|Anisakis]]''
|学名 = ''Anisakis'' (Karl Rudolphi 1809)
|和名 = アニサキス属
|下位分類名 = 種
|下位分類=
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* ''Anisakis ziphidarum''
}}
'''アニサキス'''(学名:''Anisakis'')は、[[線形動物門]][[双腺綱]][[桿線虫亜綱]]カイチュウ([[回虫]]目アニサキス科アニサキス属に属する[[動物線虫]]の総称で、海産動物に[[寄生]]する[[寄生虫]]である。ヒトにアニサキス症を発症させる原因寄生虫だが、ヒトへ感染するときには主に[[サケ]]、[[サバ]]、[[アジ]]、[[イカ]]、[[タラ]]などの[[魚介類]]から感染する。
 
アニサキスは、通常アニサキス属の種を指す。アニサキス属以外に近縁の[[シュードテラノバ属]]なども、アニサキス症と同様の症状(シュードテラノバ症)を起こすが、これもまとめてアニサキス症と呼ぶ場合もある。アニサキス症を引き起こす種は主に ''Anisakis physeteris''、''Anisakis simplex'' 及び ''Pseudoterranova decipiens'' の3種である。シュードテラノバ属は海洋性[[鰭脚類]]に寄生する ''Pseudoterranova decipiens'' の幼虫である。
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[[クジラ]]、[[イルカ]]などの海産[[哺乳類]]が最終宿主で、アニサキスの成体はこれらの動物の[[腸管]]に寄生している。産卵された卵は糞便とともに海中に放出され、[[オキアミ]]などの[[甲殻類]]に捕食されその体内で感染性を持つ第3期幼虫まで発育する。甲殻類が捕食され、更に食物連鎖上位の中間宿主である魚類や[[イカ]]の体内(筋肉や体腔内など)で更に成長する。中間宿主は、アニサキスの種類ごとに異なっている。寄生された魚類やイカがクジラやイルカに食べられると成虫になる。
 
アニサキスに寄生された魚類やイカをヒトが食べても、ヒトの体内では成体になることはできない<ref>下記外部リンク {{cite web|url=http://www.jomf.or.jp/report/kaigai/19/worm/c/c4/c4-1.htm|title=寄生虫ミニ辞典 - アニサキス|accessdate=2015-03-12}}</ref>ので、産卵もされない。また、魚類などの中間宿主の体内では、アニサキスが[[内臓]]だけに寄生する訳ではないため、内臓を避けて食べても感染を完全には防げない。
 
=== 終宿主 ===
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== アニサキス症 ==
[[ファイル:Anisakis.jpg|thumb|200px|right|取り出したアニサキス]]
[[刺身]]による寄生虫被害の多くはこのアニサキスの第3期幼虫(体長は11mm~37mm11-37mm位)の経口摂取が原因である。厚生労働省の資料<ref>[http://www1.mhlw.go.jp/houdou/0909/h0917-1.html 食品媒介の寄生虫疾患対策について 蠕虫類 - 生鮮魚介類により感染するもの]</ref>によると、日本におけるアニサキス症の発生数は、1年間に少なくとも2,000 - 3,000名以上と推定する報告「日本におけるAnisakidosisの発生状況の解析(石倉肇、臨床と研究、72巻5号、1995年)」もある。
 
アニサキスは加熱だけでなく、[[冷凍]]することで死滅させることもできる。したがって「生きの良い[[ネタ]]」ほど経口摂取の可能性が高くなる。[[厚生労働省]]では、寄生のおそれのあるものは-20℃以下で24時間以上冷凍することを指導している。また薬味として[[ショウガ]]、[[ワサビ]]、[[ニンニク]]など含有成分による殺虫効果を期待し使用されているが、薬味程度の濃度では殺虫効果はない<ref>{{PDFlink|[http://www.tokyo-eiken.go.jp/issue/journal/2003/pdf/54-1.pdf アニサキス症と天然物由来の有効化学物質の検索]}}東京都健康安全研究センター</ref>。
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== 余談 ==
[[九州大学]]らの研究グループは、アニサキスなど線虫''[[線虫C. elegans]]'' に[[悪性腫瘍|ガン]]患者の尿に含まれる臭い物質を判別させる事に成功したと発表し<ref>{{PDFlink|[http://www.kyushu-u.ac.jp/pressrelease/2015/2015_03_12.pdf 尿一滴で短時間、安価、高精度に早期がんを診断!] 九州大学プレスリリース 2015年3月12日}}</ref>、その内容は『線虫嗅覚を用いた高精度がん検出法』として米科学誌「[[PLOS ONE]]」に掲載された<ref>[http://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/{{cite journal.pone.0118699|author=Hirotsu T, Sonoda H, Uozumi T, Shinden Y, Mimori K, et al.|year=2015|title=A Highly Accurate Inclusive Cancer Screening Test Using Caenorhabditis elegans Scent Detection] PLOS|journal=PLoS ONE Published: March 11, 2015 ,DOI: |volume=10|number=3|pages=e0118699|doi=10.1371/journal.pone.0118699}}</ref>。この現象研究発見に至る発端は、[[伊万里有田共立病院]]で診察されたアニサキス症った患者の胃未発見の初ガン胃癌があり、その癌アニサキス虫体食いつい付着していたことだった<ref>{{cite journal|author=Sonoda, Hideto, et al.|title=An anisakis larva attached to early gastric cancer: report of a case|journal=Surgery today|year=2014|pages=1-5|doi=10.1007/s00595-014-1012-3}}</ref><ref>[http://www.jiji.com/jc/zc?k=201503/2015031200036&g=soc がん診断、尿1滴で=線虫の習性利用-10年後の実用化目指す・九大など] 時事ドットコム 記事:2015年3月12日、閲覧:2015年3月12日</ref>。さらに、10年後の実用化を目指した研究が行われている。
 
== 脚注 ==
<references />
 
== 関連項目 ==
* [[寄生]]・[[寄生虫]]
 
== 外部リンク ==
* [http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k01_g1/k01_05/k01_5.html 感染症の話 2001年第5週(1月29日〜2月4日)掲載 アニサキス症] 国立感染症研究所
* [http://jomf.health.co.jp/report/kaigai/19/worm/c/c4/c4-1.htm 寄生虫ミニ辞典 - アニサキス]
* [http://www.drugsinfo.jp/2008/01/09-232950 アニサキス症について] - 医薬品情報21
* [http://jsp.tm.nagasaki-u.ac.jp/modules/tinyd1/content/provisionalJEtable.html 日本寄生虫学会用語委員会 「暫定新寄生虫和名表」 2008年5月22日]