「架空請求詐欺仲間割れ殺人事件」の版間の差分

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Aは詐欺が次第に大きくなると、新たなメンバーを加え出した。これは一説に万一摘発を受けた際、自らの罪を軽くするためだったともされているが、Aは詐欺で得た莫大な金の大部分を自らの会社の運営費やテレビ番組のスポンサーになるなど、実業家としての表の顔のために使い込んでいた。そのため、一部の詐欺グループ構成員が次第に自らの待遇などに不満を抱き出した。そして、そのひとりCは他の3人と共謀してAを殺害して金を奪うという計画を立てる。
 
だが、事前に計画を察したAはBや元[[暴力団]]員の友人Dらの支持者らと共に2004年10月13日22時20分、JR[[船橋駅]]近くでCら4人を襲撃して拉致し、事務所で凄絶な[[私刑|リンチ]]を行なって計画の全貌を吐かせた。そしてAをはじめBやDなどAに近いメンバーの大半を殺害しようと計画していたことが発覚したため逆上し、Cらを徹底的にリンチにかけた後、事務所に監禁した。
 
Aらは都内の高級ホテルでルームサービスを囲みながら、Dの伝手を頼って暴力団員も巻き込んでのCら4人の殺害を計画。そして10月16日未明から午後にかけてCら4人を殺害し、[[報酬]]を渡すことで暴力団員に死体の始末を依頼した。後に[[2005年]]6月18日に[[茨城県]][[小美玉市]]で4人の[[遺体]]が見つかるが、その遺体は脛から下がちぎれているなど凄惨なものだったとされる。
 
=== 逮捕・裁判 ===
AはCらを殺害した後も詐欺を続けたが、これほど大規模な詐欺がいつまでも発覚しないわけもなく、Aらは[[詐欺罪|詐欺]]の容疑で[[逮捕]]された。その後の取調べでメンバーのひとりが殺害を自供したことから殺人事件が発覚。AやB・Dらはそれぞれ[[殺人罪 (日本)|殺人]]、[[傷害罪#傷害致死罪|傷害致死]]、[[死体遺棄]]、詐欺などの容疑で逮捕・[[起訴]]されることになった。その他にも事件に関わった多くのメンバーが逮捕され、最終的にその数は18人になった。
 
[[2007年]]8月7日、[[千葉地方裁判所|千葉地裁]]で[[判決 (日本法)|判決]][[公判]]が行なわれ、[[彦坂孝孔]]裁判長は「人命を無視した冷酷非道な犯行で、更生は困難」として、主犯とされたAに[[求刑]]通り[[死刑]]、Dは求刑死刑に対し、[[無期懲役]]の判決が下された。殺害の実行役だったEも1審で死刑判決を受け、他のメンバーもそれぞれ有罪判決が下された。AとD、Eらは判決を不満として[[控訴]]した。
 
[[2009年]]3月19日、[[東京高等裁判所|東京高裁]]で「事件が重大化したのは[[被告人|被告]]によるところが大きい」として、Dの無期懲役を破棄して死刑の判決を下した。5月12日には東京高裁で[[長岡哲次]]裁判長はAに対して「反省の念が乏しく、更生は困難」「人命を無視した冷酷非道な犯行」として、1審の死刑判決を支持して控訴を[[棄却]]した。Eも控訴を棄却され、それぞれ[[上告]]した。
 
[[2013年]][[1月29日]]、Aの上告審で[[最高裁判所]]第3[[小法廷]]([[岡部喜代子]]裁判長)は上告を棄却し死刑が確定した<ref>{{Cite web |date=2013-01-29|url=http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130129-OYT1T00852.htm?from=ylist|title=「詐欺仲間割れリンチ殺人、主犯格も死刑確定へ|publisher=読売新聞|accessdate=2013-01-29}}</ref>。同日、Dの上告も棄却され死刑が確定した。理由について裁判長は、「4人の命が失われた結果は重大。事件の中で重要な役割を果たしており、死刑はやむをえない」などと述べた<ref>{{Cite web |date=2013-01-29|url=http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2013012900067|title=詐欺グループ幹部の死刑確定へ=4人リンチ死-最高裁|publisher=時事通信社|accessdate=2013-01-29}}</ref>。同年2月28日、Eの上告審でも最高裁判所第1小法廷([[桜井龍子]]裁判長)により上告が棄却され、死刑が確定した<ref>[http://snsoku.net/news/1130383 <4人リンチ死>被告の死刑確定へ 最高裁が上告棄却] ソーシャルニュース(Yahoo!ニュース) 2013年2月28日</ref>。
 
[[20142015年]]現在、3名とも[[東京拘置所]]に[[収監]]されている。
 
== 脚注 ==